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格ゲー探検隊

2007/04/01

RPG探検隊は3/31を持ちまして解散いたしました。
本日より格ゲー探検隊としてスタートいたします。

さて、記念すべき第一回は格闘ゲームの原点を探検していきたいと思います。
格闘ゲームの原点、ルーツはどこにあるのでしょう。もちろんそれは

キン肉マン
マッスルタッグマッチ


にあります!

性能の異なる8人のキャラから選択する方式。
パンチ、キック、投げ技という3大要素の基本操作。
必殺技、飛び道具必殺技、連続技の存在。
エネルギーゲージ制で、1on1の3本勝負。
背面を取る攻防、起き上がりを狙った高度な2択攻撃の存在。

…どうっすか!これ!
格ゲーのベースとなる要素が、こんなにいっぱいあるんです!
22年前のゲームっすよ。それでこの濃さっすよ。

おそるべし、マッスルタッグマッチ!

では、今回このマッスルタッグマッチを、極めた者の視点で語っていきたいと思います。いろいろマスタグを解析しているサイトもありますが、では実際、巷で強すぎると言われているブロッケンマンやウォーズマンはどうなのか、ダイヤグラムにしてその秘密に迫ってみます。
画像112.png
はい、これが正確無比な、マスタグのダイヤグラムです!
ブロッケン?ウォーズ?んなザコ選んでたら上級者相手に1勝もできませんよ。

簡単にいうと、「キックを当てると長距離ダウンさせられるキャラ」
が上位に入ります。とりあえずマスタグの戦略を見てみましょう。

(1)ジャンプは危険
移動にジャンプは厳禁です。上級者は飛んだ側のキックが当たらないようにジャンプの着地にキックを入れることができるので、飛んだらいけません。
まあ飛んだら不利というのは格ゲーの基本ですよね。

(2)パンチは使えない
パンチは間合いが狭いわりに硬直が長く、次の二択を迫ることができないため戦略に向きません。上級者はパンチの空振りを見てからキックを入れることも可能なのです。

(3)移動のしすぎもダメ
マスタグは何もしなくても体力がどんどん減っていく斬新なシステムとなっていますが、移動すると体力の消耗がより激しくなります。
中盤の差し合いで間合い調整に動きすぎると、それだけ相手より体力が減りやすく、移動速度が落ちて競り負けやすくなるのです。
あまりウロウロせず、ゆっくりと落ち着いて移動するのがセオリーです。

(4)キックからの二択が基本
キックを当てると大ダウンさせることができるキャラは、相手の起き上がりに二択を迫れます。
投げを狙う場合は、相手がこちら側の方向にキーを入れれば回避されますが、右か左か選択を迫ることができます。投げが決まればこれの硬直も短いので、再び二択を迫ることができます。ジャンプだと必ず回避されますが、それを誘って空ジャンプさせ、着地にキックを入れる戦法もあります。
初心者はこの抜け方が分からないので、ハタから見ると投げコンボを食らっているように見えます。

基本は、相手の起き上がりに合わせて再度キックを重ねることです。

この場合、相手はジャンプ以外の動作では回避できません。
ジャンプで回避するときも、相手と同じ方向でなければいけません。
この回避行動を読んで起き上がりにキックを出さないようにすれば、相手は無防備にジャンプするので 着地にキックを入れることができます。
以下、二択の繰り返しです。
起き上がり側の対処法として、相手は何もしてこないので近接パンチで引き離せます。しかし相手がキックを重ねてきた場合は食らってしまいます。

つまり、ダウン側が圧倒的に不利ということです。
一度ダウンしただけで勝敗が決まってしまうケースも多々あります。

この仕組みを知らない人が、知っている人と対戦する場合、ヘタすれば一度ダウンすると

二度と起き上がれない

状況になります。
あ、リングは通常のほかに氷と電撃がありますが、電撃に関してはリング中央以外でダウンしてしまったら詰みです。二度と起き上がれません。

上級者同士の対戦では、このように相手の行動を読んだ二択攻撃が常に繰り返されるのです。だからこの二択が使えないキャラは勝つのが難しいわけですね。上のダイヤグラムでは、テリーマン以下全員がそうです。

え? 下位キャラでもミートくんの命の玉を取れば一発逆転できる?

そんな甘いゲームじゃないですよこれ。

ぶっちゃけミートくんがウロウロしてる間の攻防にすら耐えきれないですよ。玉の取り合いをする前段階でほとんど勝負が決まってるんです。
万が一玉が取れたとしても、テリー以外はお話になりません。
ウォーズとバッファはジャンプできなくなるのでキックが封印され、まともな刺し合いすらできなくなってしまいます。上級者から見れば玉を取ったことで

逆に弱体化したようなもんです。

ロビンとキン肉マンは玉を取ってもキックができるのでまだマシですが、
元から刺し合いに弱いんで、玉取った恩恵がほとんどありません。

ていうかいたぶられる時間が延びただけでしょう。

唯一逆転が狙えるのはテリーマンです。
彼の必殺技は脱出不可能なのでワンチャンあります。まぁラーメンマン相手にだいたい10回に1回くらいは勝てるでしょうね。下位キャラの中でも頭ひとつ抜きん出ています。

ラーメンマンが強すぎるのは、必殺技性能が高すぎるからです。普段の刺し合いが即死リスク付きになるのは大きすぎます。体力3以下だと、どんな上級者であっても回避不能でしょう。体力4あってもウォーズマンかアシュラマン以外だと回避はほとんど不可能でしょうね。
とにかく玉を取ったラーメンマンと刺し合いをするのは自殺行為です。彼が光ったらすぐに戦いをやめて逃げに徹し、相手の操作ミスを祈ってください。
この際、Iコンであれば
相手がボタンを押しそうな間合いでスタートボタンを押してポーズ状態にして操作ミスを誘う邪道技を使っても構いません。
私が許可します。上のダイヤグラムはその邪道技を加味した数字なのです。
なぜIコンがラーメンマン以外になるのかは、後ほど解説いたします。

ブロッケンは足が遅く、必殺技は確実にKOされない逃げ方があるため決定打に欠けています。ただ、起き上がり二択がいちおう使えるので下位キャラに対しては圧倒的に有利となっています。まぁそれでもラーメンとアシュラに勝てるのは10回に1回くらいでしょうね。

アシュラマンは、必殺技自体は使えませんが足が早く、グラフィックの正面と背面の判別にフェイクを入れやすいため起き上がりにジャンプを誘いやすいメリットがあります。唯一ラーメンマンに対抗できる貴重なキャラです。
それでもラーメンマンに勝てるのは、4回に1回くらいでしょうか。

ダイヤグラムでウォーズがバッファより上なのは、単純に足の早さの差です。
同じ理由でロビンはキン肉マンより上になっています。

ロビンキン肉よりもウォーズバッファが上なのは、やはり必殺技の一撃必殺性能の差が大きいですね。キックができなくなるという欠点も、刺し合い性能が低いロビンキン肉相手ならデメリットを相殺できます。
ただまぁ、下位グループ同士の戦いなら強さはほとんど団子状態なのでなかなかいい勝負が楽しめるでしょうね。そこまで一方的にはならないはずです。

さて、キャラ性能の話はここまでにしましょう。いよいよ本題です。

実はこのゲーム、IIコン有利になっています。
ぶっちゃけ、最終的に

IIコンには勝てなく
なります。


それはなぜか?
ゲームスタートして IIコン側がボタンを連打すると、最速でテリーマンとラーメンマンが選べるのです。
Iコンがこれに対抗するには、アシュラマンしかいません…
ヘタに連打で対抗すると、キン肉マンとロビンマスクという最弱コンビが選択されるワナが待っています。

必然的に、最後は常にラーメンマン対アシュラマン戦が繰り返されることになります。

いかがでしたでしょうか?

ファミコン初期時代とは思えない、高度な戦略を要求される格ゲーというのがお分かりになったかと思います。
これでも戦略の一部にすぎないわけですが、長くなりそうなので続きはまた来年にでも語りたいと思います。

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