RPG連続殺人事件その1
2007/11/18
魔王を倒し、凱旋の途中に立ち寄った無人の宿で事件は起こった。
「勇者が死んでいる…!」
4人パーティの他、人の気配はない。
魔王の手下の犯行ではないかという仲間の意見に対し、絶望的な事実を告げる者がいた。
「戦闘で勇者を倒せるほどの者は誰もいない。
これは強制イベントによるもの。つまり犯人はこの中にいる」
これがパーティ以外の人間の言葉なら誰も信じなかっただろう。
しかし仲間の中で、かつ最も頭の切れる魔術師の言葉であるのなら話は別と言わざるを得ない。
残りメンバーは三人。
気は優しくて力持ちの戦士。
パーティの生命線、僧侶(女)。
そして魔術師。
バッドエンディングなイベント展開にただ唖然とするしかない状況。
それでも魔術師は勇者の死体を詳細に調査する。
「こんな状況で、なんでお前はそんなに冷静なんだよ」
決して仲間に暴言を吐くことのない戦士が、この時初めて吐いた暴言。
おそらく当人は意識せずに発したであろうその言葉に場は凍りついた。
遅れて戦士がハッと気付いた。
「疑われようと俺は真実を見極めるのみ。まだエンディングは始まってない」
勇者の死因は失血死だった。
心臓付近に損傷があり、死亡までそれほど時間を要さなかっただろう。
体内に凶器が残っていることもなかった。傷は背中まで達していた。
僧侶の回復魔法など何の効果もない。これは戦闘不能ではなく死。
遺体をベッドに運ぼうと提案する戦士に魔術師は言った。
「犯行現場を崩すような真似はよせ」
この言葉に戦士はキレた。
「いいかげんにしろ!お前はそんなに薄情な奴だったのか!?」
魔術師は震える手を戦士に見せて言った。
「俺も動揺を抑えるのがやっとなんだ。たとえスタッフロールが始まろうとTHE ENDの文字が出るまで俺は油断しない」
勇者の遺体にシーツを被せ、3人は部屋を出た。
応接間では僧侶の泣き声だけが響いていた。
本当にこの中に犯人がいるのか、まだ手がかりはない。
11月17日の拍手コメントです。
■ありがとッス!
最初にゲーム進行作ったとき「こりゃゲームにならないな」と絶望してました。単調すぎて。
■ありがとです。
自分もまったくその通りっすね。やっぱり作るのが一番好き。
あとプレイ時間1時間以上のゲーム作ったことないので、そのバランス感覚も分からないです。難しいっすよね。
個人的にストーリーが濃厚だとうれしいっすね。
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