人間が知覚できる最小時間単位は1/60秒くらいだと言われています。それ以上短い時間で起こる現象は分からないということです。
例えば、1秒間に120回も絵を切り替える装置があったとしてもその半分の絵は見えてないということです。
1秒間に120回も光が出たり消えたりする装置があれば、真っ暗闇の世界は「見えていない」ということです。
蛍光灯のまぶしい部屋、実はかなりの時間は部屋が暗闇に包まれていて、それを人間が「見る」ことはできません。光の更新速度が低くなればなるほど明かりが暗く感じて、更新が1/60秒を切って初めて点滅を感知し暗闇の世界を「見る」ことができるようになります。

さて本題です。
ツクールのキャラチップがあります。
これをとにかく高速で右に動かそうと思ったとします。
そのためには1フレーム（1/60秒）あたりに動かす距離を大きくすればいいだけですが、早くなればなるほどだんだん表現が難しくなっていきます。さらに、移動する距離が大きくなればなるほど難易度は上がっていきます。

何が難しいのか。
例えば画面左端から右端、最長距離を移動させるとします。
これの最速表現は、1フレームで左端から右端へ到達させることです。実際にやってみると、ただ単に瞬間移動したようにしか見えません。
(※gifファイルの都合上、最小単位は1/60秒じゃありません)

え？
瞬間移動したようにしか見えないくらい速いってことだから別に問題ないじゃんって？
いやいやいや、テレポートじゃなくて「実際に走って移動してる」っていう表現がほしいんですよ。

え？
じゃあ間に1フレーム挟んで中間の座標を見せればいいだろって？
それ移動速度が半分になってるじゃん！
1フレームで移動させたいの！
1/60秒で目的の場所に到達させる。
しかし1/60秒以下は人間が知覚できないので、テレポートしたようにしか見えない。これが高速座標移動の壁です。

高速表現の世界は常に人間の感覚との戦いです。
ただ座標移動させただけでは「速い」という表現は不十分なのです。
じゃあどうすればいいのか？過去の偉人たちは「残像」という表現を用いて解決させました。
残念、それは残像だ。

実はこの残像表現、移動中に見せているのではありません。
残像なんだから移動中に見えているものだと思いがちですが1フレームの移動は移動自体が見えていないので無理です。
1/60秒以下のセカイは、人間が絶対に立ち入ることのできない禁忌の領域なのです。
その禁忌の領域に入ったと「錯覚させる」、それが残像という手法なのです。実際に残像は移動中ではなく、移動後に見せるものです。移動中は知覚できないんだから見せようがない。
さて最初の例に戻ります。
たった1フレームで画面端を移動し、ただの瞬間移動にしか見えなかったものを、右端の画像を横にズラッと並んだキャラ画像に切り替えましょう。移動中の世界は移動後に見せる、それが高速世界の基本です。

高速移動表現で真に重要なものは、まさにこの「移動後」。
殴る表現の場合、ヒットした絵は見せちゃダメ、ヒット後の拳を振り切った絵を見せようぜHAHAHA！ってアメコミの教科書に書いてあったネタを昔やりましたが、アレと一緒ですね。
では最初の例と並べて比較してみましょう。
どちらも移動速度は同じ1フレームです。


しつこいようですが、移動中は残像が見えていません。
残像が見えているのは移動が終わった後なのです。
上の瞬間移動の間のフレームで下の残像が見えているように感じるのは錯覚であって、間にコマは入っていません。
1/60秒以下のセカイを見せるためには、1/60秒以上のセカイで何が起こったか教えてあげるしかないんですね。

10/24の拍手お返事です。

■使い方を間違うと使用者にケガをさせるのも一緒ですね。
なんて怖い武器なんだ。

■ハッサン「キミはなかなか見所がありますね。最近の勇者は
すぐ武器に頼ってしまい伝説の武器を探したがるんで嘆かわしいものです。だから弱いんですよテリーは。あ、すいませんテリーは眼中にない設定なので今の発言はオフレコでお願いします」

■ファランクスTUEEEEE！話聞いてるだけで全然スキなくて
オラなんだかワクワクしてきたぞ！ローマにはアレかね、孔明みたいな策士でもいたのかね。

■シムレションアルピジャーが両者の仲裁に入ります。

■かみはバラバラになった！

■何その思いつく限りの最高装備を組み合わせましたみたいな
強そうな武器は。非常にけしからん！もっとやれ！