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黄金週の抜け殻

2010/05/10

[農業魔王 その5]
「機は熟した。これより軍を編成し人間社会に進攻する」
「さっそく準備に取り掛かりまする」
「この半年間、よくぞ余のしごきに耐えた。褒めてつかわす」
「ありがたきお言葉でございます。魔王様のお陰で我らは農業の奥深さに感動を覚えました」
「しかし、ようやく人間を襲えるというのに支度が遅いな。血の気の多い我が部下のことだ、我先にと押し合いになるとばかり思っておったが」
「それが人間を襲うより畑仕事のほうが楽しいという者が続出しておるのでございます。農業の偉大さの前では人間の存在など霞んでしまうのでしょう」
「うむ、愛いやつらめ。だが人間を滅ぼすのもいわば農業と同じなのだ」
「と、いわれますと?」
「人間は、世界という名の畑に生える雑草なのだ。農業の基本は害虫や雑草の駆除、つまり世界を育てるのに人間を駆除するのは基本であるといえよう」
「オオ!すばらしい!すぐ皆に伝えてまいりまする!」
「余の農業教育によって貴様たちは屈強な肉体と強靭な精神を養った。とうもろこしを主食にして体力が落ちきった人間など、もはやレベル99の戦士ですら歯が立つまい」
「すべて魔王様のお陰でございます」
「ここまで来るのに長かったな」
「はい。いよいよでございまするな」
「うむ…」
「魔王様?どうかなさいましたか?」
「いや、ふと父上のことを思い出してな」
「先代魔王、オサレ大魔王様のことでございまするか」
「父上は典型的なダメ魔王であった。思い返せば余はいつも父上と口論が絶えなかったな」

〜魔王の回想・今より数十年前〜「父上!魔王城の門が無防備すぎます!もう少し人間の進攻を警戒されてはいかがですか!」
「我が息子ヴィヴェルヴァよ。貴様は何も分かっておらぬ」
「その珍妙な名前で私を呼ぶのもやめてください!」
「何を言うか。世界で最もオサレな言葉『ヴ』を3つも含んでおる史上最高にエレガントな名前ではないか」
「父上は見かけや格好にこだわり過ぎです!」
「見かけや格好こそが全てではないか。人間を滅ぼすのもオサレな行為だからに過ぎん。全ての存在はオサレかそうでないかだけに分けられるのだ」
「だからといって魔王城をスキだらけにする道理はありません」
「入り口がごちゃごちゃしておったら優雅ではなかろう」
「人間は客ではありません!」
「客かそうでないかなど重要ではない。何事もエレガントに事を運べ、そう教えてきたはずだが?」
「父上はエレガントというよりただの馬鹿です!」
「なに?貴様、実の父に向かってなんと下品な言葉を」
「す、すみません」
「あれだけエクセレンツな教育をしてきたのに貴様ときたらまったく優雅さの欠片もない。それに貴様、余に内密で土をいじっておるそうだな」
「そ、それは」
「まさか農業などという史上最強にダサい所業を行っておるわけではあるまいな?うわっダサッ!」
「農業のどこが悪いというのですか!」
「やはりそうであったか。なんと嘆かわしい。我が息子がこれほどイモくて気品のない俗物に成り下がるとはオーマイガッ」
「農業は心身共に鍛えられ社会を豊かにする大切なものだ!」
「黙れこの下衆残飯カス産廃ゴミ鼻くそダサ田舎イモ野郎!」
「ち、父上…」
「貴様を見ていると余までオサレ度が落ちてしまうわ。今後貴様は魔王城の出入りを禁ずる!」
「そんな」
「誰かおらぬか!この土臭い田舎者をつまみ出せ!ダサッ!」
「父上お待ちください!父上!父上〜〜〜〜!!!!」

「ヴィヴェルヴァ様!大変でございます!」
「その名で私を呼ぶな!」
「も、申し訳ございません…いや、とにかく大変なのです!」
「何事だ」
「人間どもの勇者がついに魔王城へ攻め込んできました!」
「なんだと」
「皆で勇者の進攻を食い止めておりますが、いかんせん城が無防備すぎて犠牲者が多発しております」
「くっ」
「もうヴィヴェルヴァ様のお力をお借りするしかない状況です」
「しかし私は…私は魔王城を追放された身だ。もう関係ない」
「ヴィヴェルヴァ様!」
「その名で私を呼ぶなと言っている!」
「す、すみません」
「早く私の前から消えろ!」
「あなたのお父上さまの命が危ないのです」
「し、知らん!私はここで農業をしながら静かに暮らすと決めたのだ!」
「ヴィヴェルヴァ様!」
「早く消えないと私がお前を消すぞ」
「私は信じております。きっとあなた様は来てくださると」

(バカな父上だ…だからあれほど守りを強化しろと言ったのに)(自業自得だ。私には関係ない)(魔族に農業を広めれば人間などに負けはしないんだ)(見かけだけに執着するから)(…)(くそっ!人間め!)
「父上!どこですか!父上〜!!」

「バイキルトせいけんづき!」
パコンッ!
●ウボァァァァアアアアアアアア〜〜〜〜!!!!
「父上?!父上!!」
●おや?まだ魔王がいたんですか?「お前が父上をやったのか」
「あまりに弱い魔王だったから筋トレにもなりませんでしたよ。
はっきりいってテリー以下のクズ魔王でしたね」
「…きっさま〜!!」
「よく見るとキミ、なかなかいい筋肉をしているね。これならボクを十分楽しませてくれそうだ」
「父上の仇!くらえ!農耕究極奥義 ・ 岩砕鍬撃耕覇斬!!」
「バイキルトせいけんづき!」
パコンッ!
●クソッ!互角か?!
「なかなかやりますね」
「こうなればあの技を」
「出し惜しみなしでイキますよ」
「最先端農耕奥義 ・ 湛液型水耕(Deep Flow Technique)!!」
「バイキルトばくれつけん!!」
…………………………
………………
…………
……



「どうかなさいましたか魔王様?お気分でも優れませぬか」
「いや、何でもない。少し昔のことを思い出していただけだ」
「進軍は日を改めますか?」
「問題ない。すぐに準備を終わらせる」
「ご無理は良くありませぬぞ」
「くどい。それよりも進攻ルートの確認をする」
「最初に進攻するのは以前に調査した村でございますな?」
「うむ。前回は調査の為に生かしておいたが今回は違う。あの少年を生かしておくと後々やっかいなことになる。ゆえに真っ先に殺しておく」
「さすがでございます」
「さあ者どもゆくぞ!戦だ!思う存分暴れるがよい!」
「うおおおおおおおお!!」

次回最終回、いよいよ魔王VSチョビンの人類の命運をかけた最終決戦!はたして勝利の女神はどちらに微笑むのか
5/9までの拍手お返事です。

●農業魔王と聞いて「ボクと魔王」を思い出してしまった。
○○魔王って魔王がそこかしこに沸いて出てくるんです。
農業魔王ほど徹底してませんが、みんな世界征服の手段が個性的です。
あらすじとか登場人物だけ見ても雰囲気わかって面白いかも。
ちなみに物語自体は素晴らしいけど、3Dダンジョンに酔いまくる一品。
■ボクと魔王って3Dダンジョン系だったんスか?!
あの頃はぶっ飛んだ設定のゲームが多くて楽しかったですね。
RPGは将来どうなっちゃうんでしょう。なくなっちゃうのかなぁ。

●農業魔王、コピペしてメモ帳で保存してます。
早く続きが読みたい!
■ウホッ!そこまでしてくださるのでござるか!
こいつぁフンドシ締めてかかんねーとやばいっぺ!

●魔王様、ついていきます!
■この異常なカリスマ…いったい何なんだ農業魔王。
農業とは いったい…!うごごごごご…!

●ずっとデバックだとおもってた・・・Σ(゚д゚;)

くっそ、この忌々しいヤフーの野郎め。余計なお世話だテメー!

●丁度座っているように見えるので登場時は常に何処かに座るようにしちゃうとか
■そうそう、肩に乗ってもいいようなカンジにしたんですよね。
結局羽をパタパタさせることにしました。

●>農業魔王の部下になって畑の雑草取りを延々させられる
ミニゲームなら作れるかもしれません。誰がやるねん!
俺なら「ワクワクしてきました」とか言いながら余裕でプレイできそうだ!
っていうか部下にして下さい農業魔王様ァ!
■平気でクソゲーまで遊ばせるとは農業魔王おそるべし。
マジでコイツは はやくなんとかしないと!

●ハッサンすげ〜(゚Д゚)
あと、麦わら帽子をかぶって、炎天下で汗を流す魔王をイメージした(´∀`)
■さて農業魔王ってどんな容姿なんでしょうね。
最終回にご期待ください。

●農業魔王面白すぎ
■作者はただ戸惑い慌てふためくばかり。

●こいつの羽・・・・
あまりに早すぎて止まって見えるというのは如何でしょう。
紅茶バカ「貴方が見ている羽、それは残像だ。」
■サスケ「それは幻術だ」
イタチ「残念それは幻術の幻術だ」
サスケ「甘い、幻術の幻術にかかっている幻術だ」
イタチ「幻術の幻術にかかってる幻術にかかっている幻術だ」
サスケ「正直に言うと幻術×5だ」
イタチ「今まで黙っていたが幻術×6」
サスケ「今思い出した、幻術×7だったかも」
イタチ「ぶっちゃけ幻術×8」
サスケ「今日の新聞の占いでは幻術×9」
イタチ「思い切って告白しちゃうと結婚しよう」
サスケ「そうしよう」

●どんどん後に引けない形に…
がんばれ魔...じゃなくてチョビン
■チョビン影薄すぎてかわいそうになってきた。

●>オラの鍬技はまだまだこんなモンじゃねえべ!魔王!
受けてみるだ!

なんかロマサガ2のヴィクトール兄さんを思い出しました・・・。
私「ますますワクワクしてきました」
■流し耕しが完全に入ったと思ったのに…

●>農業魔王の部下になって畑の雑草取りを延々させられるミニゲーム誰がやらなくても私がやる。じゃない。やらせてくださいお願いします。
■正気に戻るんだカイン!

●羽はパタパタって擬音描けばok
■そうきたかこやつめワハハ!
そういや戦闘アニメに擬音入れたかったなぁ…いつかやってみたいです。ジョジョみたいにドドドドドとか。

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