ナナさんの日記見てて、そういや帽子の横スク構造はどうやって決めてたのか日記に残してなかったなぁと思い出しました。備忘録として書いておきます。
帽子世界の横スクロールマップ構造は、ひとつだけ絶対に守るべき基準があります。それは「画面風景の奥に移動させない」というものです。
帽子の上下移動は必ず高さの移動になっており、手前奥の移動は一切無い。
横スクロールはその特性上、画面左右にしか動けません。
もし画面奥に構造を切り替えると、プレイヤーの認識している世界の方角がズレてしまいます。
上キーを押すと…
世界の方角が変わる。どう回転したかは設計者が裏で勝手に決めている。
プレイヤーの見えない所で設計者が頻繁に世界の方角を変えてしまうと、プレイヤーはその都度「どの方向に回転したのか?」と考えなければいけません。
頭の中で地図を作るのがとても困難になります。結果、移動に疲れる。
だから帽子世界は、マップの方角を絶対に変えないようにしました。
その前提が「画面風景の奥に移動させない」ってことですね。
例えば扉があって部屋に入るというマップを作る場合。
風景奥の扉を開けて中に入るというマップはひとつも存在しません。
帽子世界で扉のある部屋へ入る場合は、こういう構造にしました。
画面奥ではなく、画面横に扉を設置。
当然、移動先も横の扉になる。
奥のふすまを開けて奥の空間に移動するといったことは一切ない。
なぜなら、手前→奥は簡単に作れるけどその逆を絵で見せるのが難しいから。
そうなんです。
プレイヤーの認識している方角を変えずに、風景奥へ移動させる方法も無くはないんですよ。
レイヤータイプの構造にすればいいんです。
上キーを押すと…
奥のレイヤーマップへ移動する。世界の方角は変わらない。
これだとプレイヤーの見えない所で設計者が勝手に方向を変えることが無いので、認識のズレというのも少なくなります。頭の中で地図を作りやすい。
じゃあ、どうして帽子世界はこのレイヤータイプを採用しなかったのかって話です。奥移動をわざわざ制限する意味ないじゃんと。
それは、平面的な地図化が困難になるからです。
さきほどのレイヤータイプのマップは、高さの概念を持つ立体構造のダンジョンになると三次元を認識した方向感覚が求められるようになってきます。
簡単にいえば、迷いやすいんです。
ダンジョンの構造が立体的になるので、脳内地図を作るのも難易度が上がる。
迷いやすいならオートマップを付ければいいんじゃないか?って話ですが。
その地図化が困難になるからレイヤータイプは採用しなかったんです。
デパートを思い出してみてください。
エレベータ付近とかに、デパートのマップがありますよね。
何階に何が売ってるとか、そのフロアのどの位置に店があるのかとか。
じゃあ、デパート全部を地図にした時。
1F、2Fといった階層ごとに地図が必要になってきます。
ダンジョン全体を同時に示そうとしたら、3次元構造の地図になるでしょう。
迷いやすいんですよ。
だから、奥行きか高さどちらかを捨てようと思ったんです。
ダンジョン全図を1枚の紙で表現できるようにしたかったんです。
もしマップに高さの概念がなかったら、地図は2次元で済みます。
1Fしかないので。
もしマップに奥行きの概念がなかったら、地図は2次元で済みます。
奥がないので。
で、帽子世界は奥行きを捨てたんです。
なぜ奥行きじゃなくて高さを取ったのかって話ですが。
それはロケーションが圧倒的に増やしやすいからです。
1F、2F、3Fを作るのに遠景で違いを付けるだけで済み、プレイヤーは視覚的に現在の階層を把握しやすい。もしこれが奥行きだけの構造だったら、ロケーションの違いを出すのが大変なうえに、視覚的に把握しやすくなることもない。
考えてみてください。
何もない、だだっ広いだけの平原をマップ化する時、奥行き構造でどうダンジョン化すればいいんでしょうか。これが高さ構造だったら、ちょっと小高い丘を作ってそこに登らせたり、穴が開いてて地下に行かせることだってできる。
あと、画面奥の扉を開けるのは簡単ですが、その逆はどう見せればいいのか。
絵的に見せるのが難しいんですよね、奥行き構造は。
要するに、高さ構造だと作りやすい。
作りやすければアイディアがどんどん出て、製作ハードルが下がります。
ダンジョンによって奥行き構造だったり高さ構造だったりすると、プレイヤーに混乱が出てくると思ったので、奥行き構造のマップは完全に排除しました。
プレイヤーが脳内で法則化した地図を製作者が裏で勝手に変えちゃダメです。
マップ構造でプレイヤーを混乱させないという方向が大前提。
すべてはその一点に集約されます。
混乱させないマップとは、脳内で地図化しやすいマップです。
オートマップを付ければ迷わないだろうという考えは甘い。
世の中、地図持ってオロオロしてる人間いっぱいいるでしょ。
地図があったって迷うもんは迷うんだから、迷いやすいからオートマップ表示付けましたじゃダメなんです。迷いにくい構造じゃないと意味がないんです。
え?
ダンジョンなんて迷わせてこそダンジョンだろって?
何も迷わないダンジョンなんて面白くも何ともないだろって?
迷わせるの意味合いが違うというか。言い方が紛らわしかったですね。
マッピングの法則性がコロコロ変わるのは良くないって話です。
心地よく迷えるマップと、迷うのが苦痛になるマップの差というか。
その差はどこから来るのかというと、製作者とプレイヤーの間で取り交わされている無言の約束(UI含む)を製作側が一方的にコロコロ変えることなのかも。
純粋な意味で迷わせるマップというのは、また別の話でして。
いやね。
そこの部分は自分も気になってたんですよ。さすがに。
でも帽子で一番面白かったマップがユグドラシルでしたとかいう感想聞いてるうちに、ダンジョンの本質は迷わせることじゃないのかもって思い始めた。
ユグドラシルって列車だからマップが一直線なんですよ。
じゃあ何が本質なのかってのは、まだ答えが分かんないんですけどね。
最後に。
この帽子の横スクロールマップ構造は、リンクの冒険を参考にしています。
あれも基本的にダンジョンでは奥移動がない、高さだけのマップでした。
脳内で地図化しやすく、とても参考になる構造だったんです。
奥移動があるのは街で建物に入る時だけだったので混乱もありませんでした。
悪魔城ドラキュラも似たような構造ですね。
高さだけで迷宮が構成されていて、奥移動がない。
マップ自体は複雑なんだけど、奥移動をバッサリ切ってるから規則性があって混乱しない。迷う時も心地よく迷えるというか。
1/13までの拍手お返事です。
■限られた機能とはいえ、ツクール2k系はイベントコマンドがシリーズで一番高機能だったという
■ユーザー層をどのラインにするかって考えると、ツクールの仕様も間違っちゃいないかもしれないんですけどね…
■新約はコンボばっかやってるとすぐ全滅するけど、創意工夫すればずっとコンボできないこともないバランスにしたいなぁ
■いっぱつ!
■前向きに考えれば、ツクツクすることで苦手なジャバスクを克服できるかもしれないんですけどね…
■そういや百合ん百合んとは言うけどエロんエロんとは言わないな
■やっぱハードル高いですよ、プログラムっていう単語の響きからして
■グレイを頭に装備するアイシャ
■麻痺だけ聞くと怖くもないけど、半身不随と聞くと超怖そうなイメージ
■どくどくゾンビの色はほんとにどくどくしい
■そもそも筋肉と百合どこに関係性があるねんw
■もういっそ黒幕キャラとして開き直らせるか
■鉄の5倍の固さで重量1/5のゴーレムか!
■確率表記は分かりやすいけどバランスがムズイ
■日記更新頻度は昔と比べてだいぶ落ちたんですよね…
■ハッサン「やはり人類はみな筋肉に惹かれ合うというのは避けられない運命ということなんですよね」
■そこはぜひともこだわっていきたい部分ですねぇ。じゃないと何のためにシナリオ分岐させるのか分かりませんしね
■それは誰かのラストダンジョンですね。そこまで大したものじゃないけど、鍵の世界だけに内容は伏せといたほうがいいかなぁと