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どんな漫画が描きたいのか

2021/01/24

ずっと絵の話ばっかしてて、この話を全くしてなかった。
今日は「どんな漫画が描きたいのか」をネタにします。

結論からいうと。
「どうしても描きたい漫画があるという動機で漫画を描くのは厳しい」
と感じました。

なぜかというと。
漫画は数多くのボツを食らうのが前提で成り立っていると感じたからです。
ずっと温めていたとっておきの一発が大好評!というのはほぼ幻想であると。

漫画家志望の人の話とかいろいろ集めているとですね。
新人賞を取った後に担当編集が付いてから、連載を勝ち取ってデビューするまでの間にすさまじい数のボツの山っていうのが普通なんですよ。

そのボツを重ねる間に自分が漫画で描きたいネタをほぼ出し切って力尽き、途方に暮れるデビュー前の新人の話がとにかく多かったんです。
特に「これが描きたいんだ!」という渾身の一作がある人ほど心が折れてた。

だから漫画作りはボツ前提で取り組む方が挫折しにくいと思う。
あくまで漫画家を目指す場合ってのと、個人的な分析の上での話ですけどね。

新人賞の読み切りでものすごく面白い才能の塊みたいな漫画を描いていた期待のルーキーが、連載を勝ち取ってデビューした途端なぜか凡作を連発してフェードアウトしていく。

この現象はおそらく、賞を取って担当が付いて漫画のネームを切るも連載会議に通らず何作も全力を出してるうちにネタが枯渇していって、やっと連載まで行っても既に燃え尽きた後なんじゃないかって邪推してしまうんですよ。

じゃあボツしまくる連載会議が悪いのかというと、たぶんそんな単純な話じゃないと思う。競争率の問題というか、連載を目指す新人の数が多すぎて競ってるうちにやりたいネタを出し切ってしまってるんじゃないかなって気がする。

こうなってくると何の為に漫画を描くのかって所まで行き着いてしまう。
描きたい漫画があるから漫画を描いていた人は、動機が無くなってしまう。
たぶん最終的には、漫画そのものが好きかどうかが問われる事になると思う。

自分が思うに、漫画っていうのは描いていくうちに創作の引き出しをエゲつないくらい空っぽにしていく暴食コンテンツなんじゃないかって気がする。
少ししか描くネタがない人は一瞬にして描くものが尽きていく感じ。

特にキャラクター重視でネタを作ってる人は本当に厳しいと思う。
キャラは1本の漫画で何人も作るわけで、その1本がボツになったらまた何人もキャラを作り直さないといけない。

じゃあ作ったキャラを別のネタに使い回せば良いのかっていうと、そもそもボツになってる時点で漫画として駄目なわけで、キャラ作りも練り直していかないとずっとボツが続くわけでしょ。

それで何十人もキャラを作り続けてたらネタの引き出しなんてすぐスッカラカンになってもしょうがないと思う。魅力的なキャラの引き出しなんてそんな簡単に増やせるもんじゃないですしね。

だからもし、漫画を描く資質というものがあるのならば、ボツになった過去のネタに囚われず全部バッサリ切り捨てて常に新しいネタを生み出す生産力の高さが重要なんじゃないのかなぁって感じる。

以上のことを踏まえて。
自分の目指すべき方向を考えた結果。

構想10年、温めに温めた渾身の1作を日記で練りに練ってやる!
…という方向ではやりません。外したら即死だから。

構想10分、これどう?おもしろそう?ダメなら別の考えるわ。10分で。
…という方向でいきます。

面白いかどうか判断するのは自分ではなく第三者、その最初の判断を誤って駄目なものを何年もかけて温めるのは、独りよがりで危険極まりないと思う。

面白いものとは何か?みたいなのを追及していくと面白いものがどんどん分からなくなりますけど、そんなの当たり前なんですよ。だって面白いってのは受け手が結果として返す感想であって作り手が先に決めるもんじゃない。

世に出回ってる「面白い物語やキャラを作れるメソッド」は、皆が当然のようにやってる競争のスタートラインなんですよ。騙されちゃいけません。
面白いものを理論だけで作れたら世の中大ヒット作家だらけですって。

理屈じゃ作れないから結局の所どこも出してみないと分からない状態な訳で。
悪い言い方をすれば運なんですよ。みんな「当たってくれ」と祈ってる。

だから個人で面白い漫画を描こうと思ったら、ネタの生産力を高めたい。
量産で面白いネタを考えようとすると傾向がどうしても出オチの1発ネタになってしまうので、連載に耐えうる内容かどうかしっかりと吟味する。

というわけで。

とりあえず10本考えました。週刊少年えぬ、完成。
参考までに、もしえぬが漫画を描くとしたらどれが見たいか教えてください。

本来ならそういうのは担当編集と打ち合わせでやるんでしょうけど、個人の趣味でやる漫画なんで日記でやっちまおうぜという作戦。

まずタイトルから。

「名探偵殺し」
「オカルトセブン」
「マルデマンガ」
「僕はおっぱいが嫌いだ」
「先生失格」
「明治153年13月の怪異」
「スリーアウト満塁」
「仮想日本昔ばなし」
「勤勉な魔法使いは努力をしない」
「不思議な藤木くん」


それぞれのタイトルの簡単な概要は以下の通り。


「名探偵殺し」
主人公は探偵でも犯人でもない事件に関わった衆人モブで、とある理由によって探偵側の推理を外し事件を完全犯罪にするのが目的のお話。最終目的は世界探偵ランク上位五名(ランク・ファイブ)通称「名探偵」を全員失脚させる事。

「オカルトセブン」
宇宙人や超能力といったオカルトを扱う雑誌ヌーが、なぜかオカルト七番目に中国拳法と合気道を入れてしまう。憤慨した拳法家の主人公はオカルトから脱却する為に合気道と戦っていたら他のオカルトにも戦いが広がっていくお話。

「マルデマンガ」
まるで漫画の様な場面に出くわすと漫画の様な力に目覚める事件が発生。主人公は転校生という漫画定番の立場ゆえに「他人と設定を入れ替える」能力が発現してしまい、能力者同士の漫画メタ的な抗争に巻き込まれるお話。

「僕はおっぱいが嫌いだ」
主人公は大きいおっぱいが苦手な男の子。だけどおっぱいの大きい女の子ほど惹きつけてしまうという生まれつきの体質で困っている。おまけに憧れの女の子はおっぱいが小さいので主人公への好感度が最低から始まるラブコメ話。

「先生失格」
主人公の担任の先生はマッドサイエンティスト。生徒をモルモット扱いして欲望のまま実験を繰り返す先生に対して主人公ら生徒一同は反旗を翻すも毎回失敗に終わって大変な目にあうお話。たまに先生がやられることも。

「明治153年13月の怪異」
主人公の前に明治153年13月から来たという和装の少女が現れ、それ以降町では奇妙な怪奇現象が多発する。主人公は異様な並行世界の浸食を止めるため、怪奇事件を解決しながら敵か味方か不明な和装少女の謎を追いかけるお話。

「スリーアウト満塁」
野球漫画。中学時代ツーアウト満塁サヨナラのチャンスを潰した事がトラウマとなって野球をやめた主人公が高校生になり、入学した高校の野球部があまりにも弱すぎて周囲から馬鹿にされるのを見て我慢できず野球を再起するお話。

「仮想日本昔ばなし」
現代日本の価値観で昔話を仮想する前後編2話完結型の漫画。第一話は鬼退治が暴力的だとして世間から非難される桃太郎が金の力で鬼を買収していくお話。

「勤勉な魔法使いは努力をしない」
ファンタジーもの。生来より魔力が必要な才能型の魔法と、難解な呪文書を詠唱すれば使える努力型の呪文。どちらが魔法国家マギトラームにとって重要かを決める魔法試験に挑む主人公のお話。主人公は魔力があるのに呪文を選ぶ。

「不思議な藤木くん」
主人公の「僕」だけが知っている。藤木くんが不思議な力を使える事、使った後で皆の記憶をいじっている事、そしてその記憶操作が「僕」に効かない事。「僕」はその事を隠し、藤木くんと不思議な騙し合いをしながら正体を探る。

以上、10本。
もしえぬが漫画を描くとしたらどれが見たいか教えてね。
なんもなかったらいわゆる全ボツってやつなので、スルーでおねがいします。

1/23までの拍手お返事です。
●更新のたび新たな視点を得られるわ素敵な女の子は見られるわで毎回毎回応援コメントをたくさん送りたい気持ちでいっぱいなのですがまとめる時間がなかなかとれず・・・取り急ぎ1つお礼をば。
昔からアルファベット順でMNどっちが先かよくわからなくなってしまうことが多かったんですが「マゾっぽくなってきたえぬさん」・・・と頭に浮かんで完全に覚えることができるようになりましたありがとうございます(
■マ、マゾじゃないんだからねっ!
漫画絵の練習はしてるけど、漫画はどんなに絵が良くても内容が駄目だったらどうしようもないという

●ファイトよえぬ子さん!
フレー!フレー!(頑張ってチア衣装着てポンポン振ってます)
■ありがとう~がんばるぜ!

●>節足動物はメカニカル
蟹なんかは代表格ですかね。メ「カニ」カル、なんてね!
■だれがうまいこといえと!

●>■やっぱメカやる前に昆虫やっとくべきだったかなぁ
虫とエロの親和性は高いのでぜひやるべきですね!!
■エロの力は偉大

●...えぬ隊長が普通って言っても実際マゾ行為なんじゃないかという疑念が抜けなくなってしまった
隊長、そんな事言ってめっちゃ地味だけど地味に苦痛な事してるんじゃないですか?
応援しかできないけど応援してるっすよ、でも無理しちゃ駄目っす。

...そもそも苦手なものを書こうとすること自体マゾいんじゃないか?
■新しい何かを得るには従来の構造を破壊するしかない、のであれば
自分の殻を破るには従来の自分を破壊しなければいけないのかな

●これはこれでかなり味のある絵だと思いますけどね。無印と比べると恐ろしいくらいレベルアップされているかと。この調子ですぞ…
■地道に数をこなして慣れていくしかないですなぁ

●ディスイズバイセコー。バイセコー。
■ば、ばいしくる!

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