クソのようなクソルーミスをクソ練習しまくって延々クソ玉袋描かされてクソみたいな気分ですが、ここで一度クソったれな自分の絵を見つめ直します。
もうオッサンはいいんで女の子!
今回は「青年漫画の女の子」を意識して描きます。
女の子(の描き方の癖)を調教するぞッ!
以前、どうにも自分の絵柄が気に食わない的な話をしてましたが、どの部分がどう気に入らないのかよく分かっていなかったんですよね。女性向けと男性向けの絵柄のミックスに失敗してるからじゃないかって分析で止まってました。
だから今回、そこをもっと掘り下げてみようかなと。
技術の向上が目的ではなく、あくまで自分の絵を好きになるのが目的です。
「ああ、この方向なら好きになれそうだ」という絵を模索していきます。
描く前にまず、以前の自分の絵の「どの部分」を「どう変えていくか」を具体的にしてリストアップしました。基本的に男性向けを意識していますが、それはあくまでえぬ個人の主観なので、人によって感じ方は変わります。
1.痩せ型ではなく体はふくよかに、柔らかさが感じられるようにする
2.胸やお尻、腰を強調してみる
3.ペン入れの線を細くする(これは女性向け)
4.目のサイズを小さめにして、描き方をいったんシンプルな方向へ変える
5.首の長さを短めに、頭身は普段より高めを意識する
6.手やポーズにもっと甘えた感じを出してみる。手の大きさは小さめに
7.髪は柔らかさが感じられるフワッとした感じに(これは女性向け)
今回は漫画の早描きが目的ではなく、自分が好きになれそうな漫画絵を描くのが目的なので、めいっぱい時間をかけて慎重に熟考しながらゆっくりと丁寧に描きます。要するに本気の全力マジ絵を描くってことです。
今までの早描き練習とは真逆の取り組みになるとおもう。
自分の中でこれ以上かわいい女の子なんて描けない!ってくらい全力を出す。
それほど限界まで力を振り絞らないと今日の課題はクリアできない気がする。
ということで、まずはラフを描きます。
一見さっくり描いてるように見えますが、何度も見直しまくって体の各パーツ比率は変わりまくり、「これデブだろ」って感覚になるまで何度も体を太らせながらようやく完成したものです。ザッと30分以上かけたよ。
今回は点線系の描き方を試してみました。
線と線の間を描かないことで脳がベストな線を無意識のうちに補完するのを期待する描き方です。
あれだけ難儀してたきれいな丸が、この方法だと難なく早く描ける。
最初にザッと全体のアウトラインを点にして、後から追記で補完していく。
後出しの感覚で形を取れるので脳内イメージを出しやすく感じました。
点線はガイドとしても使いやすいからラフに最適かも。
描いててふと人形の国を思い出した。
んで、完成したラフを薄く下敷きにしてその上からまたラフを描きます。
まず服と髪型どうするかっていうネタを考えるのに時間が吸われる。
顔は目の大きさや配置を何度もやり直しながら慎重に決めました。
こういう、ちょっとだけ首を傾けた角度の顔が一番難しい。
5~10度ほど顔が傾いている。
たぶんこの場合キャンバスを傾けて正面の顔を描いた方が楽だと思う。
でもキャンバス回転は完全に封印しているので使わない。
大丈夫、たぶん慣れる。この程度ならまだまだいける。
なぁに多少歪んでもそれが味になるもんさ。
それとスカートをフワッとさせたので、ラフの右手の形がアクションラインを阻害する形になってしまいました。なので手を外側にフワッと広げてスカートの流れに逆らわない形に変更。
その他、リストアップした内容をチェックしつつゆっくりと時間をかけながら服の部分を描いていって最終的なラフが完成します。
2枚のラフを薄く下敷きにして、ようやく本番のペン入れ。
以前から漫画絵は線が命って話をしてきました。
イラストは基本的にカラーだから絵の情報量は色に集中する反面、漫画絵は白黒だから線が印象に残りやすい気がする。
この理屈だとイラストの練習をするのに色塗りを重点的に攻めるのは理にかなっていると思う。逆を言えば漫画絵の練習をするなら色塗りよりも先に線の練習をした方が良いと思う。イラストと漫画絵は別物っていう考え方です。
だから延々と線を引く練習してきましたけど、果たして本当にそうなのか。
はっきりいって個人的な主観による理屈だから、この考えが正しいか間違ってるかは自身がその通りに練習をすることでしか確認できない。
限界まで筆圧を下げた線は細すぎて下のラフと同化して見える。なので定期的にラフを消して細い線の乗り具合を確認する。細い線がブレない練習を散々やってきたからか、確かに以前よりはブレなくなった。
線の強弱で体の柔らかさを表現するんだ、えぬ!
線の形だけじゃなく太さの対比!両方合わさってようやく完成なんだ!
線の力を信じろ!暗黒面のパワーはすばらしいぞ!
…と、自分に言い聞かせながらペン入れしてた。
こんだけ全力を振り絞って線を引いても、もし以前と大して結果が変わってなかったら…これまでの練習がキツければキツいほど、その苦労に意味を問われるのが怖い。本気で描くんで「これ練習だから」という言い訳ができない。
練習を途中でやめるのは、練習が大変だからじゃないんですよね。
結果が出ないと精神的にきついからなんです。
練習して必ず上達できれば楽しいに決まってる。でも上達しなかったら?
もし練習して何も変わらないなら、練習なんて続ける意味が無いとおもう。
これまでどんだけ練習してきたかは、自分が一番良く知っている。
そして練習の成果に対して自分に嘘がつけないのも。
どうやっても自分の気持ちは誤魔化せない。自分からは逃げられない。
ああ…なんだろうこのマゾい感じ。
追い詰められてる。ただひたすらに。
もはや心地良さすら感じる。
そんな感じでペン入れベタ塗りが終わったらラフを消して仕上げ。
これが現時点のえぬが全力を出した青年漫画風の女の子です。
ヤンジャンヤンマガアフタヌーンに載ってそうな漫画って感じで描きました。
隣のページに島耕作の漫画があっても浮かない的な。ありゃモーニングか。
殻は破けた感あるけど流石にこの線の細さで迫力あるバトルシーンはちと厳しいか。まぁとりあえず自分の中で確実に不快感は減ってるので良しとしよう。
前進はしてるようでホッとした。ちょっと自分を追い詰め過ぎた。
とはいえぶっちゃけ毎回こんな描き方してられんわ。
今回の絵を描くのに3時間くらいかかってるんですよ。
ラフの上にラフを描くとか何やねんって話だし、パーツの大きさや配置をミリ単位で調整しまくってるから決断するのに時間がどんどん吸い取られる。
この辺を自己分析してみたんですが。
描くのに時間がかかっている=この形で良いか判断に迷っている=描きたい絵のイメージがまだ明確になっていない、って感じかなぁ。
体の情報が分からなくて絵のイメージがボヤけてるというよりも、自分の中にあるかわいい女の子像のイメージの方がボヤけてるというか。
「こういう絵が描きたいんだ!」っていう核たるものがまだフワフワしてて、描きながら「これが描きたいものだろうか?」と迷ってるのかもしれない。
ここらへんの感覚を定着させるには数をこなして慣れるしかないか。
絵のアドバイスとかでよくあるじゃないですか。
「自分の好きだと思った絵を模写すれば上手くなる」って。
あれはですね。
人によって当てはまる人と当てはまらない人がいるんですよ。
自分の場合は後者なんです。
理由は単純なんですよ。
「好きな絵」と「描きたい理想の絵」がイコールとは限らないからです。
好きな絵は元となる絵が明確に存在していますが、描きたい理想の絵というのは自分の頭の中にあるイメージなので現実で形になっていない。
好きな絵と描きたい理想の絵が近い人は模写すれば上手くなると思う。
なぜなら描きたい絵がお手本として明確に存在しているから。
けど描きたい理想の絵が分からない人は好きな絵を模写しても苦痛を感じる。
なぜなら好きな絵と描きたい理想の絵は別物だから。
例えば。
小畑健の絵が好きだったとしましょう。
じゃあその人が小畑健の絵だけが好きかというと、他にまったく毛色の違う森薫の絵とかも好きかも知れない。だから好きな絵というのはそれこそいっぱいあって当然なんですよ。
対して「描きたい理想の絵」はどうか。
恐らく好きな絵ほど多くは無いでしょう。
なぜならそれこそがその人の絵の個性となる元だから。
もちろん世の中に絶対は無いのでそうじゃない人もいるでしょうね。
あるいは、小畑健みたいな絵も描きたいし森薫みたいな絵も描きたいし自由自在にあらゆる絵が描きたい~…って人もいるでしょう。
自分の場合、あまりにも非現実的すぎてそうならない。
しんどさの方が真っ先に来る。
そもそも描きたい理想の絵なんて今だに分からない。
分からないというか、選べないといった方が正確かもしんない。
だからもし描きたい絵が明確に分かっていれば、それに近い絵を模写すれば上達も早いでしょう。でも描きたい絵が分からない人は、模写する前にまず自分が何を描きたいのか見付ける事が先だと思うの。
自分もいろんな作家の絵を見てどれが描きたい絵なのか模索した事もありましたが、見れば見るほど「どれも素敵ね!」っていう感情が先にきてしまって描きたい絵のイメージがどんどん霧の中へ消えていくんですよ。数が多すぎて。
アイスとプリンとケーキどれが食べたい?って聞かれて。
実際に現物を見せられてどれも食べたくなったけど、どれか一つしか買うお金(絵を描く時間)が無くて今なにが食べたいのか余計に分からなくなる感じ。
例えが悪いな。
仮にもし、原哲夫と貞本義行とあずまきよひこと羽海野チカの絵が大好きな人は誰の絵が描きたいか選べるのかって話です。これがどんどん多くなっていくともはや何が描きたい理想の絵か分からなくなっていくんですよ。
たぶん自分は他人の絵に惚れっぽいのかもしれない。
ちょっと良さげな絵を見たら「わっ!(1秒目)」「素敵!(2秒目)」「好き!(3秒目)」で即オチしてる気がする。
好きな絵の漫画家とか軽く30人以上いるから「誰の絵が好き?」と聞かれても答えにくい。「今日は気分的に伊藤悠の日かな?」みたいな答え方しそう。
だから好きな作家の絵は練習中なるだけ考えないようにしてるんです。
見てしまうとそれに引っ張られてしまうから。
ひょっとして次の日には別の作家の絵の方が好きになってるかもしれない。
毎日気分でコロコロと目指す絵の傾向が変わってしまったらとても練習なんてできないじゃないですか。たぶんゲシュタルト崩壊する。
そんなわけで、自分の心の内にある無意識の深層心理を手探りして毎回奇妙な練習を繰り返してるわけです。ここんとこ練習内容は普通ですけど。
さて次回のお題は。
いよいよ禁断の「メカ編」に突入します。
1/14までの拍手お返事です。
■細腕で鋼鉄の両手剣を振り回したり体重の軽い女子の蹴りで大男が吹っ飛ばされるのはおかしいっていうリアリティ警察ネタは昔から結構鉄板でしたね
■あの描き方は自分でも分かりにくかったかなぁって…
アクション系はまた時間取って訓練を続けていきたい
■ダーナっていう名前と曲刀の組み合わせから、なんか踊りが上手そうな褐色の東洋系美人かなと思ってググったら想像と正反対の清楚系女子が出てきた
■意外な所からネタにして堅実な王道を見せるという手腕はさすが大御所って感じの安定感ですねビルドキング。そらルーミス先生も玉袋描きますわ
■とりあえずおっぱいおっきくてふとももだしてる子かいたよほめて
■まあ絵の内容を説明せにゃアカン時点で自分の修行不足ですわ
裏でもっと数を描いて不慣れ感を克服してからまたネタにしたいですね
■せんせい!言われたとおりにおっぱいの形と曲線美を追求してみました!
■ハッサン「まだあの程度の力では筋肉の魅力を描ききれないどころかかえって筋肉をイメージダウンさせかねないので、ボクの方で筋肉描きを禁止しているんですよ」
■なんだって?!乳袋光年先生の新連載ビルドミルクが始まるのか?!
■自分も腕を変な方向に回すとすぐ脇腹の筋が痛んで困る
■意外と少年漫画雑誌内でのバトルものの比率ってそこまで高いわけじゃないんですよね。けど少年漫画のイメージで真っ先に来るのがバトルものっていうのは何だか面白い
■それ末期の人が使うやつや!
■水木しげる先生もかなり長生きしてギリギリまで漫画描いてましたね
元から体が丈夫ってのもあるんでしょうけど、他にも秘訣とかありそう
■さくらレンタルサーバーに怒られるわい!
■いや、眼は駄目ですね!すぐやられます
一回酷いのがあって、網膜にモニタの画像が焼き付いたんですよ
眼を閉じてもPCモニタ画像が出てきて、うわこれ一生消えないのかなって絶望したことがありました。目薬さしまくったら何とか消えてくれました
■それ以上は社畜くんが死んじゃう!!