設定漫画
2019/12/12
今週末から大阪へ行きます。
前回の漫画ネタの続きです。
「蒼天騎士団序列第三位の我が力に抗うとは、さすが暁の勇者の息子。その膨大な魔素は師の空挺魔術師団長に鍛えられた賜物か」
このセリフのキャラが会話している相手は人間ではなく設定です。
個性的な設定を付与されたキャラが設定に溢れた世界観の中で設定だけで物語を解決させる。そういった漫画をえぬは「設定漫画」と呼んでいます。
確かに設定は個性を出しますが、やればやるほど設定を理解してること前提でキャラが動いていく。結果、設定を知らないと魅力を感じなくなる。
この影響は連載漫画で極めて顕著に現れます。
途中から読んでもキャラに全然魅力を感じないんです。
設定漫画は特にこうなりやすく、話の途中から入っていけない。
じゃあ設定に頼り過ぎないキャラ作りをすればいいのか。
そんな事はみんな分かってるんですよ。分かっちゃいるけど難しいんです。
読者の興味を引くような設定がなければ、漫画は読んでもらえない。
仮に、特定のキャラへ付けられている設定を全部剥がしてみましょう。
冒険者、偉大な父、特殊な能力、聡明な師、かわいい妹、豊富な戦闘経験といった設定を全て剥がしてみてください。
剥がしましたか?
いいえ、まだまだ設定は残っているはずです。
大切な者を殺され復讐に燃える過去、平和を愛し、戦いを憎み、自然を大切にし、友情に厚く、恩を忘れない、単純で純粋な性格。
まだまだそのキャラに付けた設定はあるでしょう。全部消してください。
何が残ると思いますか。
性格まで消されるんなら何も残らないじゃないか!ってなりましたか。
その全て剥き出しになったキャラこそが、新規読者の目線なんですよ。
そのくらい、読者は初見のキャラに興味が無い。
恐らく残った要素は見た目くらいだと思います。
こっから自分のキャラに興味を持ってもらわなければならない。
もしそこで設定を大量に見せてしまったらどうなるか。
たぶん理解しようという気持ちが無くなると思うんですよね。
だから読者に見せたい設定は厳選する。
強くて優しくて特殊な生まれで壮絶な過去があって個性的な能力があって…と大量に用意した設定の中から、ひとつだけを強調して物語を構成する。そこまでやってようやくキャラが立って見えると思うんです。
もちろん、性格パーツを作者から付けられて決まった反応を返すだけのキャラに魅力はありません。いわゆる台本キャラですね。
この主人公は弱者の味方で強いという設定。
だから弱者に絡んだチンピラをボッコボコにするシーンを見せよう。
ほら、チンピラに格の違いを見せた。弱者に感謝された。かっこいい。
この量産型主人公に魅力がない理由はシンプルです。
その行動に、選択に、重みがまったく無いからです。
自分より弱い者と戦うという選択はあまりにノーリスクで、そんな楽して得られた物語に読者は価値を見出せないんじゃないかなと思うんですよね。
最初から強い主人公の漫画は多いです。
しかし強ければ強いほど、戦いはノーリスクになります。
物語の価値が軽くなるリスクもはらんでいるんですよね。
他にも例えば。
まだ見ぬ世界に心を躍らせ冒険の旅に出る少年。
どんな苦難をも乗り越える根性を持ち、好奇心旺盛な性格。
まるで少年漫画のテンプレのような主人公像です。
じゃあこのキャラが魅力的か?と問われると、どうでしょう。
はっきりと言いますが、私はまったく魅力を感じません。
そもそも魅力って何なのかって話です。
もっと知りたいと思わせる力がそうじゃないのかなぁって思う。
その人を、その世界を、もっと知りたいって思う原動力が魅力の正体かなと。
先ほど例に出した、未知の世界にワクワクしながら大冒険する少年漫画キャラにどうして魅力を感じないのか。それはこのキャラの先が簡単に予想できちゃうからなんですよ。
どうせ困難を乗り越え新しい発見をし人間的な成長をするんだろうなぁって。
何となく先が読めちゃうから、もっと知りたいっていう気持ちが湧かない。
あるいは遠い世界の他人事すぎて物語の先に興味が持てない。
影響を受けた漫画を無意識にトレースしちゃうのはしょうがないと思う。
けどキャラの魅力って「この人はこれからどうなるんだろう、知りたいな」っていう興味から始まると思うんです。だから既に物語が終わって結果を見せてしまった作品のキャラを持ってきても賞味期限が切れてるんですよ。
個人的に、どこか底知れなさのあるキャラが好みですね。
底が見えないから先が分からない。
まったく理解できないレベルだと共感しにくいので「こいつはひょっとしてこういう奴なんじゃ…」という取っ掛かりがあると尚良いです。
自分の予想が合ってるかどうか、つい答え合わせしたくなって漫画の続きが気になってしまう。そういうキャラが大好きです。
12/11までの拍手お返事です。
■TRPGは始める前のワクワク感が楽しいですね
■よくそんな昔の話覚えてるなぁ…
今スランプで絵が全く描けなくなっちゃってるから何とかしたい
■削除?帽子が本体コントって何じゃろ
■能力系バトルじゃないですね
あれをRPGで表現するのも楽しそうなんですけど
■マジで?!
■まだ考え中ですけど、ツイッターのDM使うとかかなぁ
オンセになるからスケジュールが合うかどうかってのも重要ですね
■できればメール以外で連絡の取れる人がいいですね
となるとやっぱりツイッターしかないかなぁ
■せっかくの良キャラも物語が駄目だと個性殺しちゃうよねって話ですね
■なぁ~に自分もコミュ障だHAHAHA!
ぐらちTPRGの時も最初めっちゃキョドってましたよ
何せ周りはほとんどしゃべったことない人ばっかだしTRPG知らないしで
■性格って便宜上ワンフレーズで表現しますけど、本来は一言で言い表せない複雑で難解なものだと思うんですよ。それを簡単にして設定に付与するのはやっぱりちょっと安易かなって
■やめいw
■ゆっくり楽しんでいってね!
■こちらこそプレイしてくれてありがとです
■藤田先生はアシさんと映画鑑賞する習慣があるそうで、いろいろ参考になる話が多いですね
■ほんとに良い曲が多いですよね
フリーBGM探して聴いてるだけで時間が吸われる吸われる
以下、ヨウコ編のネタバレがあります
■魔トリョーシカが持ってたほうきですね
ほうきを突き出して「黙れ!」と言えばキミも魔トリョーシカ
■ジャニス編の自分喰いがデータ的に弱かったら説得力が無くなるのでどうするかほんとに悩んでましたね。難易度を下げなかったのは正解だったかも
■結局は金属バットでカチコミになっちゃったけど、サイバネビルが最終決戦場というのもそれはそれでアリか
■ピーチを太陽に溶かして帽子も全部なくなっちゃったんで、創造の力はなくなってますね。それだと武闘派デコイがやばいから遠い月で暮らしてもらおう!って話になったという
■長い間お付き合いくださってありがとです
こうやって感想を頂けるのは作者冥利につきます
それにしても月日が流れるのはあっという間ですね
■他のラスボスの性格は時計少女が几帳面、自分喰いが破滅、ムゲンちゃんが単純、ママが慈愛、マリスが虚無ってなってますね
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沢が綺麗な山の中か、食品工場が世界かな。
酒蔵もいいなあ。
TRPGやった事ないですけど、考えるの楽しいですね。