RPG論3
2015/03/28
RPG論2の続き。
そろそろ「え?まだやるの?」とか思われそうですけど、まだやります。
「論」というからには、RPGとは何なのかという部分から考えていかなければいけません。RPGの本質ですね。
本質とは、それが欠けたら別物になってしまう要素を指します。
これが欠けたらRPGではなくなる、という要素は何でしょうか。
結論から話しますけど、主人公 = 自分や役割を演じるといったロールプレイ要素は、RPGの本質ではないと思います。
え?
ロールプレイングゲームなんだから、役割を演じる「ロールプレイ」こそがRPGの本質だろって?
本当にそうでしょうか。
ではゼルダの伝説と聖剣伝説の違いを、ロールプレイ要素の有無で説明できるか考えてみましょう。
公式だとゼルダの伝説はアクションアドベンチャー、聖剣伝説はアクションRPGとなっています。違いはロールプレイ要素でしょうか。
え?
公式が何を言おうが、ゼルダをRPGだと思ってる人はいるかもしれないし、ただのジャンル分けと本質はごっちゃにできないだろって?
本質が人それぞれ変わってもいいのでしょうか。
あるひとつの要素の有無でRPGになったりならなかったりするのであれば、その要素こそがRPGの本質といえるのではないでしょうか。
では質問を変えましょう。
リンクの冒険と聖剣伝説4の違いを、ロールプレイ要素で説明できますか?
同じゼルダと聖剣でも、今度はリンクの冒険がアクションRPG、聖剣伝説4はアクションアドベンチャーが公式となっています。入れ替わりましたね。
なぜ入れ替わったのか、ロールプレイ要素で説明できるか考えてみましょう。
難しそうですね。
説明できそうな気はしますけど、人によって捉え方が変わりそうです。
それでは一旦ロールプレイ要素から離れて、何が両者を分けているか見てみましょう。
おそらく、そんなに難しい話ではないはずです。
「敵を倒すと成長する」これだと思います。
ゼルダと聖剣は、この基準でジャンル分けされていると推測します。
パラサイトイヴはRPGで、パラサイトイヴ2はRPGではありません。
ファンタシースターポータブルはRPGで、モンスターハンターはRPGではありません。
「敵を倒すと成長する」を本質とした場合、問題なく分けられます。受け手の感性でRPGになったりならなかったりといったこともありません。
この要素がRPGの目印になるのであれば、RPGの本質はロールプレイ要素ではなくて「敵を倒すと成長する」ことだと思うんですね。
え?
じゃあRPGの「ロールプレイング」って名前に意味ないじゃんって?
こう考えることはできませんか。
最初にRPGが生まれた時は、確かにロールプレイ要素が本質だった。
そのまま長い年月を経て、RPGが様々な方向に枝分かれしていった結果、残った要素が「敵を倒して成長する」になってしまったと。
RPGの前身であり元祖と言われるTRPGでさえも、ロールプレイを嫌がる人はいます。自分はオンラインセッションでしかTRPGの経験はありませんが、もしリアルでTRPGを遊ぶなら、たぶんロールプレイはしない側の人間になるでしょう。
最初にRPGが生まれた時から既に、本質はあやふやだったのかもしれません。
昔のRPGで論争がありました。
主人公は喋らないほうがいいのかどうか、と。
喋ると想像の余地を奪われる、主人公はあくまで自分であり勝手に喋られても困る、役を演じられず参加している気分ではなくなる、ゲームではなくて物語を外から眺めてるような気持ちになる。というのが「主人公は喋らないほうがいい派」の意見です。他にもいっぱいあるでしょう。
少し時代が進むと「ボイス必要・不要論」になり、ハードが高性能になると「映画みたいなRPGはRPGじゃない」論争に発展しました。
論争になるのは、ロールプレイ要素が焦点になるからです。
個人的に思うのは。
こういった論争になるのは、RPGの本質をどこに置いているのか、ズレが生じた結果なのかなぁという気がするんですね。
もしRPGの本質がロールプレイ要素であれば、自分だったら主人公は喋ってほしくないしボイスやムービーなんて無いほうがいいと思いますよ。
そらそうでしょう、勝手にいろいろやられても困りますもん。
でもRPGの本質はロールプレイ要素ではないと思うんです。だから自分的に主人公が喋ろうがボイスやムービーがあろうが全く問題ありません。それらはRPGのジャンルの一つであり、長い時間をかけて枝分かれしていったものだと認識しています。
前回のRPG論2で、RPGはマンネリとの戦いだって話をしましたけど、結果的にいろんなバリエーションのRPGを生んだと思うんです。せっかくいろんなタイプのRPGに派生してジャンルの延命をしているのに、その個性を一つに統合するのは本末転倒でしょう。
RPGはこうじゃないとダメ、という考えは確実にジャンルの幅を狭めます。
とはいえ。
話はそんなに簡単ではありません。
どうしてRPGに論争が絶えないのか、それには理由があると思うんです。
例えばドラクエを例に挙げましょう。ナンバリングですね。
ドラクエは基本的に主人公 = プレイヤーという図式です。
なので喋りませんし、ボイスもありません。映画的なシナリオで美麗なムービーを見せるタイプのRPGでもありません。
つまり、ロールプレイ要素を大切にしているRPGということになります。
それがドラクエの本質なんです。
本質ということは、それらの要素が欠けてしまったらドラクエではなくなるということです。
RPGの本質はロールプレイ要素ではありませんが、ドラクエの本質はロールプレイ要素なんです。ここが話をややこしくしている原因なんでしょうね。
他のRPGの本質をドラクエに求めても、ドラクエを壊すだけです。
逆にドラクエの本質を他のRPGに求めたら、そのRPGを壊すかもしれません。
これらの認識のズレは、RPGの本質とそのゲーム特有の本質をごっちゃにしてしまうからかもしれませんね。ドラクエの本質こそがRPGの本質なんだと思えば、それに該当しないRPGは否定したくなるでしょうし、その逆も然りです。
ロールプレイ要素を大切にしているRPGは、他にもペルソナやハクスラ系RPGなど数多く存在しています。最大派閥のひとつと言ってもいいでしょう。
ですが、その要素はRPGの本質ではなくタイトル固有の本質だと認識し区別しておかないと、ジャンルの幅を狭めてしまうことになります。
あるひとつのRPGを気に入りすぎて、その本質を他のRPG全体に求めてしまうと、結果的に当人のRPG観を狭めてしまうことになるでしょう。
数多くのRPGを楽しめる人は、タイトルごとに固有の本質を見付けることが上手な人なのかもしれませんね。
3/27までの拍手お返事です。
■艦これはアイマス住人が移住してるイメージありましたね。なんとなくアイマスが好きな人はすんなり入れるイメージ
■ロールプレイ要素が本質じゃなかったら「RP」Gなんてジャンル名を名乗ること自体がおかしい、という指摘はもっともだと思います。でも過去何十年もこれで押し通されたんですから、もうそれに合わせるしかないんです
■パズルの歴史は映画より古いですからね。紀元前でしたっけ。それほどまで続いているってことは本物の証明ってことでしょうね
■自分もゲーム売るのに抵抗あるなぁ… なんていうか所有欲があるんですけど、ネトゲは所有欲がないのも弱点ですね
■CV若本ってだけでネタバレになる悲劇。ラスボスはこいつか
■完成してから配布しないと、たぶん永遠にパッチなんてこない法則
■PS4でしょぼいゲームなんてしたくありませんし、必然的にやれることの自由さは制限されるんですよね、コンシューマって
■大作ばっかじゃ疲れますからね。中小のRPGはすっごい重要ですよ!
■ドラゴボって略しかた初めて見たYO!
■ファミコンからPS4まで体験した世代が一番ゲームで恵まれた世代だと思うんですね。ゲームの進化をライブで体験できたわけですから。ゲーム倦怠期から始まる今の世代が一番かわいそうかも
■完成おめでとうございます!体験版を出すことは修羅の道だと思いますけどがんばってください
■もう無理っぽいですよね。CPUの進化でさえ、何年も前からコア数とかスレッド数を増やす方向でごまかしてるだけですし
■DSは2Dドット絵RPG最後の桃源郷でしたからね
■ドラクエやテイルズやアトリエがリアルになるのは自分も嫌ですけど、FFはリアルになってほしいんですよね。同じRPGでもタイトルによって求める面白さが違うといいますか
■でもゲームプログラマーの夢を聞くとけっこうな数の人が「おっぱい揺らすプログラム」とか言いそうで怖い
■そっちかい!
■いつの時代のメーカーも、市場に合わせたゲームを出すのは同じですから、結局はユーザー側のニーズが減ってるってことなんですよね
■わしが最後に遊んだRPGはFF13じゃけんのぅ…
■壮大なリメイクじゃなくてもいいからチョイリメイクのロマサガ2・3を出してほしいなぁ。チョイリメ
■法則だとwindows10は当たりかもしんないんですけど…はてさて…
■インディーはインディーで上位はもう技術者集団の世界になってる気も…
ヘタな中小より技術力のあるインディーも珍しくなくなってきた
■ユーザーからしてみれば、選択肢は多いほうがいいですもんね
■天外魔境やリンダキューブみたいな名作RPGを生んだりしましたからね。
あとコズミックファンタジーとかソーサリアンとかバラエティ豊かでした
■リメイク需要はそこを突いてるんでしょうね
■突き詰めていくとそうなっちゃいますよね
■クロノクロスで終わってるんでしたっけ
■ロールプレイ要素はいつの時代も論争の種になってましたね
■そうそう、クロノが喋らないのは性格的に無口だからネタとかもあったり
■本は歴史が長いですからねぇ。でも壁画は文字よりも絵のほうが当時の状況が分かりやすいって利点もあったり
■パッと見てそのRPGだけが持っている本質が分かりにくくなってる感はあるんですよね
■任天堂はファミコンでイノベーション起こしましたからね。
DeNAの件でいろいろあるとは思いますけど、頑張ってほしいなぁ
■こと3D表現に関していえば、アクションRPGのが親和性高いかもですね
■7のリメイクもされましたっけ。どんどん追い付いてきたなぁ
■当時グラフィックや技術の最高水準だったドラクエが、絵も技術もそこらへんのタイトルと差がなくなってしまったのも理由じゃないかなぁと
■まだ没にするか迷ってるとこだから…
■「無理無理ムーミン」「そんなことスナフキン」みたいな?
■そいつがこの世界を管理しているのか…
■ありがとです!
■広がりすぎた枝を追いきれなくなって、ひとまとめにしてほしいって気持ちがあるのかもしれませんね。大作需要ってそこらへんにあるのかな
■作りたいものと遊びたいものは別ですねぇ。そろそろ遊びたいものも作りたいなぁ
■久々に探検してるわー
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昔は徹夜で嵌っていた戦略、戦術シムに時間が取れ無くなり、当時はより多くの選択肢を求めたのに、今は煩雑に感じてしまう。
なので、フィールド探索がなく、ダンジョンを駆け抜けられる帽子世界はとても楽しかったです。
因みに、そんな脱落したシム好きの私に艦これは居心地が良いです。
そう言うニッチな層向けだと思うんだけど、流行ってますよねぇ。
人気が有るのは良い事ですが。