青い花
2014/06/07
名作と噂の百合アニメ「青い花」を見ました。
今さらだけどね。アニメに疎いんですよ…
水彩画のような淡く美しいタッチで描かれた鎌倉を舞台に。
透明感のある澄んだ音色に包まれた空気の中で。
文学作品から選ばれた表題、細かなカットにも詩的な意味が込められ。
虚構の文学と現実の人物描写に劇中劇が交わり、独特の世界を構築している。
何よりもノヴァーリスの未完を作品タイトルにするなんて素敵です。
前ネタにした帽子世界のハインリヒってこの青い花の原題なんですよ。だから前から見ときたいなぁと思ってました。
ハインリヒは現実に存在しない青い花を夢で見て惚れてしまい、それを追い求めるというお話なんですけど、結局、作者のノヴァーリスが亡くなって青い花が本当に幻想で終わってしまってる所が詩的といいますか。話自体はかなりクセがあるのでお勧めはしませんけど、ああ、アニメの青い花の感想でしたね。
演出や舞台は最高のレベルで、登場人物も生き生きしててお話も素晴らしい。
ただ、あまりにも文学的な空気はアニメ媒体だと受けないだろうなぁと寂しくなったのも確か。簡単に言えば地味ってことです。アニメ化されたのが奇跡みたいな。よくぞ作ってくれたとしか言いようが無い。
各話のタイトルがそれぞれ文学作品になってるのは、1話タイトルの花物語からの引用でしょうね。花物語が花にちなんだタイトルならば、青い花は文学作品にちなんだタイトルってわけです。それに合わせた演劇部を中心に置いて、お話が構成されています。そして舞台の鎌倉は花物語の作者、吉屋信子が住んでいた所です。絶対狙ってると思ってたんですけど、後で調べてみたらどうも鎌倉は偶然っぽい。何にしても百合作品の舞台としては申し分ありません。
花物語は素敵だけど、あれをモチーフにするとなると一抹の不安もある。
初期こそはソフトタッチな友愛関係を描いていたものの、後期は恋愛感情どころか自殺や心中まで行くダークな内容にシフトしていったから。
青い花って、どこかそういう危うい雰囲気も漂ってたから、怖くてしょうがなかった。まぁ百合心中系はさすがに地上波アニメじゃ無理だとは思うけど…
でも、おにいさまへはやっちゃったんだよなぁアニメで百合自殺。しかもNHKでやで?古典文学ってけっこう百合系の自殺・心中率あるから怖い…
ま、そんな不安もあったけど、無事に何事もなく綺麗に終わりました。
とにかく細部に渡ってこだわりを感じて「本格的な百合作品」というイメージを否応なく膨らませてくれました。はっきりいって大作です。
ちょっくら百合やってみっかのレベルじゃありませんね。
分かんないから迂闊なこと書けないけど、これ監督さんとか演出さんとか相当な実力派の人じゃないんでしょうか。なんか空気と間が尋常じゃない。
とにかく、青い花は間違いなく百合アニメの金字塔でしょう。
これ以上の作品を挙げろと言われても困るレベルです。
まさに最高傑作。
…が。
これほどのレベルの作品があの程度の評価しか下されないアニメ業界の厳しさに恐怖を覚えたのも確か。
まぁ地味だしガチだからしょうがないってのは分かってるんですけどね。
あれが評価されなかったら、今後ガチ百合アニメなんて萎んでいく一方だと悲しくなりました。
Blu-rayついでに原作コミックも全て揃えました。
原作もこれは…
素晴らしいとしか言いようが無い。何だこれ。
そろそろ内容伏せながら感想書くのも限界なので、こっからネタバレ。
未読で気になった人はブラウザを閉じるように。
ノヴァーリスやら花物語を引用してるから死別しちゃうんじゃないかって心臓キリキリさせながら読んでいただけに、最後の最後で逆転ハッピーエンドは本当に痺れました。本当に良かった。漫画でマジ泣きしたの何十年ぶりだろう。
ラストにアニメと同じ「ふみちゃんはすぐ泣くんだから」を持ってくるのは反則だろうが!
でも「引っ込み思案で泣き虫だったあの小さな女の子は死にました」を連発するのはホント怖いからやめてw 百合自殺のトラウマをえぐるからw
そうでなくてもアニメは電車シーンが多くて怖かったんだからw
あーちゃんと結ばれて良かったってよりも、ふみちゃん死ななくてよかったっていう安堵が先だったよもうw
それにしても何でしょ。
ガチ系は深く心をえぐって来ますね。
青い花を見終わってから1週間くらい放心してた。
心の深~いトコをざっくりエグっていくから、強烈に印象残る。
歴史に残る名作なのは間違いないけど、めっちゃ体力いるw
百合SAN値がガリガリと削られていくので、シリアスガチ百合作品を連続して見ると生活に支障が出そう。そこがガチ系の弱点っちゃ弱点かも。
リアルとファンタジーのバランスが素晴らしかったですね。
青い花はけっしてリアリティ重視じゃないと思うんですよ。
むしろ表題モチーフのハインリヒは、夢のようなロマン世界です。夢と現実の境界線がボケていて、どっちが現実かあやふやなのが魅力でした。
青い花も、同性愛者やその理解者が多かったりといったファンタジー要素は確かにあります。ただ、そのファンタジー要素とリアル要素のバランスは実に絶妙でした。ジェンダーロールやセクシャリティに苦悩するシーンを増やしたら確かにリアリティは増しますが、文学性が消えてしまうんですよ。青い花から文学性が消えたら、その希少価値は激減してしまいます。逆に文学性を出しすぎてもファンタジー臭がきつくなる。そのバランス調整が絶妙というか。
男女の絡みが少なくないのも、おそらくこの調整の一つでしょうね。
もし青い花が、よりファンタジーへ向かっていたなら、おそらくポプラ社のひみつの階段みたいになっていたかもしれません。
計算されつくしたリアルな虚構といいますか。
現実的だと錯覚するほど計算された虚構は、まさにノヴァーリスの青い花でやっていた、夢と現実の交錯そのものと言えるのかもしれません。
ここらへんの構成はヘプバーンの噂の二人もそうなんですよね。
噂と真実の間をフラフラしてるところが最大の魅力というか。一般的な百合好きの方にしてみたら、おそらく噂の二人は地雷になると思うのでオススメはしませんけれど。時代が許さなかったんですよ。言い訳ですけど。
話を青い花に戻して。
同性恋愛に背徳感を持たせたり、社会的圧迫で苦悩したり、神秘的に飾るといった要素は前面には出していないように感じました。むしろ一部の外野にその役を持たせ、アンチテーゼにしてるフシさえ感じます。男女と女女を同列に描き、恋愛模様を淡々と描写している感じでしょうか。
それらは現実的というよりも、むしろ幻想的で。
現実は、男女の関係と対等には扱われず異端視されるか、神聖視される。
気持ち悪いと後ろ指をさされるか、キャサリンとヒースクリフ蜜月の渡英みたいに騒がれる。ジェンダーロールで苦しみたくもないし、見世物になりたくもない。だから男女の関係と対等の世界で、相手との関係性だけに心を置いておきたい。青い花はそういう理想的な世界の一種かもしれませんね。
要するに相手との関係性に思い悩む描写は現実的ですが、関係性以外を排除したその世界は幻想的ということです。ある意味、花物語とは対照的で透明感のある清々しい印象を受けます。
もちろんヘテロより上位の存在として描かれる百合も大好きですよ。
花物語のエスも、どちらかといえばそのような描かれ方をしていました。
男性上位の恋愛しか許されていなかった時代の、せめてもの反抗として生まれたのがエスですから、少女同士の絆を神秘的に美しく装飾する文学は儚くも美しくて当然でしょう。ちょっと古臭くはあるけど、間違いなく美味しい。
…なんかだんだんと話がマニアックになってきました。
そろそろドン引きされてる頃だと思いますので、今日はこの辺で終わりたいと思います。
6/6までの拍手お返事です。
■外飼いだけはやめて欲しいんですよね…
■どんなテンションやねん!
■ナゾってほど大げさなもんはないんですけどね
■ウミウシがいるってことは、ウミウマとかウミブタとかいるのかな
■そう、視界を塞がないといけないんですよね
■サスケェ…
■まだ作ってないけどな!
■やらしい感情とかも全部筒抜けです…
■そこ考えてなかったんですよねぇ…変えるべきかなぁ
■COOLからHOTになっちまってるー?!
■誰なんでしょうね~う~ん…思い出せないなぁ…
■まぁ仲良くないとそこまで面倒見ないですよね
■「ツクールの世界」まだ完成してない。永遠に完成しない。
■これだけ登場人物が多いんだからボクッ子が二人いてもいいじゃない!
■そうですね。今後はそんな感じでいっときます!
■ググッて調べてみた。おー!るろ剣の宇水みたいなやつね!
■ドラゴンボールのチチみたいな感じかー!
■ボクっ娘カブりまで考えてなかったんですよねぇどうしたもんか…
■某所のスレ…嫌な予感しかしない…
と、とにかくプレイしてくれてありがとです!
■死ぬわ!
■プリムまだ喋らせてないのに既にけっこう特徴掴まれててワロタw
■なんか学生百合モノ作りたい欲求が…こう…
■五右衛門かYO!
■だが断る!
■あーガムは面白いなぁ。立ち絵アニメで挑戦してみようかな。
■いやまぁギャグなんですけどね。笑うなよ~と言うギャグ。
■全く解決してないんですよねぇ…お陰でマップが作れない…
誰か何とかしてください…
■重力的眩暈:上層への帰還において彼女の内宇宙に生じた摂動スーツ?
■なんと、ググルさんアンテナにも引っかからないほどのレアキャラとは!
■デバッグせよ!
■なんで白菜鍋やねん!
■誰やねん!
■ジャコウ仲間は無理そうだけど、ジャニス編はジャコウの見せ場ですねぇ
■たぶんゲスくないかなぁ…たぶん。
■意味分からんわ!
■600クリスタルが妙に生々しいな!
■パーフェクトコードは心眼もガードするので、プリムローズが有利ではありますけど、自分の世界以外では並みの存在になるので厳密な強弱関係は難しそうですね。
■あらありがと。もう差別化が限界まできてて…
■elonaでしたっけ?能力がコードギリギリっぽいなぁw
■パーカーごとかな?!でもそれだと面倒だからフードだけ切り取って没収かな?!色気の帽子は考えてなかったんですけど、たぶんウサ耳でしょうねぇ
■頭×3とか腕×6でアシュラマンごっこ!
■パーカーだからね!
■マリーはたぶんナタリー編でほぼ決まりかな?
■そういやボクッ子率たかいなぁw
■「”忍”ですよ はじめまして」
■インド系は作ってて楽しかったですねぇ
■そっす、せつねっす
■鏡にむかってお前は誰だ?みたいな。
■図鑑はまぁ一発ネタみたいなもんでしたので…
■仲はいいですね。ええ。
■200字制限申し訳ない…ラヴィのジェネシーズはたしか2回に1回の割合で使うようにしてたから、実は毎回必ずジェネシーズじゃなかったり。
■そういやナタリーのオーラもOS攻撃で微妙に変えてたなぁ
■WOHOOOOO! WANNA SEE!
■申し訳ないですけど、あまりにも触ってなさすぎてもう作者自身もどんな仕様だったか思い出せんとです…
■パーカーのせいだな!
■ご感想ありがとうございます。とても参考になります。管理人のOSって見切り率かなり低くしてたんですけど、けっこう見切るもんなんですねぇ。
貴重なデータありがとでした!
■もう持ってるしなぁ…まぁこれでツクールが盛り上がってくれたらそれはそれで嬉しい!
■VITAいいハードだからいつか買いたいんですよね。PSPを経験してないから遊びたいゲームは山ほどある!
■最近は何もしてないけど…
■ありがとね!
■たぶん時間制限なし。そこまでいけるかなぁ…
■キンハー遊んだことなかったけど、キーブレードってそんな力あったんだ。
■まぁそこらへんはVXのサイドビュー素材をいじくりまくってなった結果でしょうね…治せるかなぁ…
■ケリーの立ち絵がムズかしすぎて完成しない…
■あら、細かい検証ありがとうございます。とても助かります!
■ゲームは1日1時間!
■両目眼帯!
■プレイ&感想ありがとうございます!
ここまで遊んでもらって嬉しいです。ドーラはセリフが一番自然だったみたいな感想もいただいたことありますね。新約もゆっくり作っていきたいです。
■座布団を持って逝け
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