顔グラを作り直すと言いましたけど、今から絵の練習をしてうんぬんとかいうのんびりしたことはやれない。あくまで本命はゲーム作りであって絵の上達はその手段でしかないんです。
ただあてもなく闇雲に描き続けてもたぶん大して変わらないでしょう。
今までがそうだったし。
そんな簡単に絵が上達するんならみんな苦労していないのである。
じゃあどうするか?
とりあえず「具体的な」改善策を打ち出して、そこにリソースを集中させる。
ただ漠然と描くよりも、具体性のある改善点でピンポイントに攻めるべきだ。ただ手を動かすだけじゃなくて、理詰めで手を動かさないと。
よくよく考えたら体はルーミス金玉袋先生に鍛えてもらったけど、髪は全然練習した記憶がないんですよ。
んで自分なりにいろいろ改善策を練っているところなんですが。
まず、以前の髪がどんな描き方だったかというと。
これですね。新約のヨウコさんです。
まず線を細くして黒ベタもやめて、手癖になっていた髪のしなり具合もよりフワッと感が出るRにします。
今まで括弧「(」だったのをひらがなの「し」になるよう意識します。
こういうのが明確で具体的な改善点ってやつです。
で、髪の描き方が立体的じゃなくて平面みたいになってるのも改善します。
とはいえ、普通に頭髪の構造を勉強して練習を重ねて~とかやってる時間は無いので短期間でできる荒療治みたいな方法を使います。
平面みたいな髪になってるのは平面で描こうとしているからでしょう。
ならば最初に「奥」「中」「手前」という3つのレイヤー構造で髪を描いて…
これを合成させて、下のレイヤーの髪を消します。
要するに強制的に立体的に描く。
色塗りの時に奥の髪を暗くできたりするので、このレイヤー情報は破棄せずにそのままにしておきます。
以前は主線をベクターレイヤーで描いてましたけど、それをやめてラスターレイヤーにします。ベクター線は線の太さや形の調整に便利でしたが、透明度や色を後から微調整するのに向いてないので思い切ってやめます。
ちなみにこれが昔描いたベルの口です。
比較対象が10年以上前に描いたやつで解像度も低いからジャギってますけど、まぁ最近までこんないい加減なノリでやってたので似たようなもんでしょう。
これをラスター線に変えて透明度も調整してちょい唇のピンクも混ぜたりすると、こうなります。
線画レイヤーが色塗りレイヤーより上だと色塗りレイヤーをどんなにイジってもこうはならないわけで、いかに黒ベタ線画が悪影響だったか分かる。
他の主線もこんな感じで色塗りの一部だと思ってガンガン調整を入れる。
あと昔描いたベルの目がこちら。
黒ペンでベタ描きした線画レイヤーの下に色塗りレイヤーを置いてスプレーでボカしただけの雑な仕事です。色がはみ出てたりしてホントに雑だなぁ。
これも線の加工を施すとこうなります。
元凶の黒ベタは避けましたが、もっと違う色を混ぜても良かったか。
ベクター線のままだったら永遠にできなかったなこれ…
あと白目も真っ白は避けて少し灰色にしています。
目の中もただスプレーでボカすのはやめて、グランジブラシ・にじみスプレー・覆い焼き発光レイヤーを駆使して情報量を増やします。
グランジブラシというのはちょっと特殊なブラシで、ブラシという名前なんですけどポンポン叩いて使う点描タイプの描画ツールです。
従来のようにペン先を滑らせてもこういうグランジは出せません。
このグランジ塗りは他の場所でも使います。
ベルのツインテ部分は前述したレイヤ分割描きを試してみます。
まず奥、中、前のツインテを描く。
それらを重ねてレイヤ順に沿って線を削除。
ただし「途中でレイヤ間に掛かりそうな部分」は色塗りで補足するためにチョイ残すようにします。
あとはバケツ塗りから影を入れつつ線画も塗りと同時に調整。
線画が終わって次は塗り…ではなく、塗りながら線画も同時に加工する。
奥、中、前という情報がレイヤーで分かれているので、そのレイヤー間を橋渡しする情報を補間することで立体的に捉えやすくするという狙いです。
垢抜けた髪色を出すのにワンポイント処理も追加。
まず金髪の黄色の補色となる青紫を先端に塗る。雑なスプレーでおk。
それを40%のオーバーレイで重ねる。
その上からさらに白を塗り、6%の加算合成発光で重ねて仕上げる。
何事もやり過ぎないことが大事。ちょっと分からないくらいが丁度良い。
これらの処理は線画レイヤーのさらに上のレイヤーでやらないと線も一緒に効果が乗らないので気を付ける。この処理が乗った髪はスポイト塗りが使えないので、後から髪を追加で塗る場合は処理したレイヤを非表示にする。
単にスプレーを吹いただけに見える情報量の単純な部分は、前述したグランジ塗りでフワッと柔らかく汚す感じにしてアナログ感を出す。
左が旧ベルで右が改善後。加算合成発光レイヤーも併用しているので、塗り足す時は該当レイヤーを非表示にする。もっとグランジ感を出そうとすると汚い仕上がりになるしバランスが難しい。全体を見て要所で施す感じにする。
例えば一番暗くなりそうな部分は目に付きやすくなるので、ここにグランジ塗りを使ってアナログっぽい効果を狙う。
ベルだと首の裏の影がそれっぽいのでこれを…
こう塗る。綺麗なグラデはスプレー感が出るから、あえて少し汚く塗る。
調子に乗ってあちこちやるとクドくなるのであくまでワンポイントに留める。
何事もやり過ぎないことが大事(2かいめ)
それと定番の指先ツールももちろん使う。
全体をボカすんじゃなくてシャープな境界とボケた境界を隣り合わせてメリハリを出す。奥に投影された影は手前よりもボケる現象で、塗りに立体感をもたらす手法です。これも多用するとクドくなるので控える。何事も(ry
なんかさっきから多用は禁物みたいなことばっかゆってね?って話ですけど、あくまで同じ手法を全体で乱発しないというだけで、異なる手段をなるべく多く用意して個別に散らせるという戦法だと思っていただければ。
そんなこんなで具体的な改善策を重ね続けた結果、このベタ塗りベルが…
この土術師になりました。
これがアニメ塗りと厚塗りの中間のブラシ塗りってやつかは知りませんが、指針にしていた「優しくて柔らかい感じ」にはなったと思う。
ツインテの葉っぱの所に花を追加すると良さそう(するとは言ってない)
実は線や影で形を作ってる輪郭自体は前と大きく変わってるわけじゃないので小手先の付け焼刃を多用してるだけなんですけど、それでも線画の加工は影響力がデカイと言わざるを得ない。即席でもけっこう別モノ感が出て面白い。
面白いんです、が。
これを全ての顔グラでやるのか…?
100人近くいるのに?
時間がかかる以前に魂削れるくらい精神的負担かかるぞこれ…
マジでこれを100回近くやるの?
振りとかじゃなくて?
まぁ…地力のある人だったら省力でそれなりのものが作れるんでしょうけど、そうじゃないなら常に全力を出していかないと駄目ってことなんでしょう。
練習感覚でやってくしかないなこれ。
8/11までの拍手お返事です。
■かといってプログラムの勉強が必要ないのかというとそんな甘い話は無いのである
■どうよ新しいベルさんは
■ナナさんの忍屋がそうでしたね。嬉しいサービスでした
マジェは画像の設定資料なんてまったく用意してないというかそういう余裕がないのでその分だけ本編に力を入れます…
■ただし染料はレアアイテムだから簡単には手に入らぬ
淫乱ピンクはそう簡単にはなれぬのだ
■すっかり探検隊の汚れ役が板についたラヴィさんなのである
■そんな細い山道で大聖堂なんて資材運んで作れるのかよと思うけど現実でもこんな道もない崖の上にどうやって城作ったんだよってのが存在するから人類の可能性は無限大なのである
■WEB漫画はモアレ対策がなかなか難しいトーンくん
■今日の日記は長すぎたと反省してます
■おお、帽子TRPGを触ってくれるとは何てありがたいんだ!
極振りパラメータは正義!正義を実現せよ!
■お望み通りベルさんが現れたぞ
数年間でAIの進化は目を見張るものがある…