カテゴリー

















生きて帰ってきた

2023/07/05

おひさ。
どうやら地獄の閻魔さまにフラれちまったみたいでな。
帰りのタクシー代を持たされて帰ってきちまったよ…

というわけで。
もうちょっと長く生きられそうなので探検隊復活です。
待たせたな!

まぁでもガンだからね。再発や転移が出れば終わりなので「完全に治ってもう大丈夫だぜ!」ってのは今後10年スパンで見てみないことには分からん。

いちおう最先端の医療技術とすげぇ執刀医をダブルで揃えて「これで死ぬんだったらもはや大統領でも死ぬだろ」ってくらい万全の体制で治療はした。その準備に2ヶ月ほどかかったんで復帰に時間がかかったわけですが、無事に手術も成功して今日退院できました。

まあでも専用手術室空くのが2ヶ月待ちだったから、その待ってる間にがんが進行して手遅れになる可能性もあったわけで、万人にお勧めできる治療コースではない。相当な鉄の精神が必要というかたぶんこういうガン治療法あんま聞いたことないとおもう。

会社とか報告する度にみんなから「そんなデタラメな治療法でいいの?」って言われまくったからね…まあでもあらゆるルートを吟味して最も生存率の高い治療法がコレだったからしょうがない。

本当は3ヶ月待ちだったんだけど、2ヶ月目で空きができたんで突っ込んでもらったんですよ。なぜ空きができたかについてはお察しください。あの手術室を待ってる連中はみんなその覚悟はしてる。

ただの胃がんでそんな専用手術室とかいるの?って話ですけど、ただの胃がんじゃなかったんですよね。がんにも種類がいろいろあって、今回の自分のがんは抗がん剤も放射線治療もまったく効かない、有効なものは手術のみ手術できない状況であれば死亡確定っていうタイプのがんでした。

最初の方で「再発や転移が出れば終わり」と書いた理由がコレ。
普通のがんだったら再発や転移した先も手術で取ればいいんですけど、今回の自分のがんだと生存率は2%以下まで激減するみたい。

がんは手術で取りゃあいいっていう単純な病気じゃないんですよ。
取った後が一番重要。

そらね、胃を全摘出して「はい治療おわり!」だったらそこらへんの病院ですぐに手術できましたよ。でも再発や転移まで考慮した総合的ながん治療という視点だと最善ではない方法だったんで妥協はしたくなくて。

まあでもがんをあえて進行させるというのは精神的にかなりキツイから「とにかく早く切ってくれ!」ってなる人がいてもしょうがない。そらそうだ。
ガンの進行=手遅れ→死へ近づくってイメージだもんね。
姉からも「あんたよく頭おかしくなんないねそれで」って言われた。

よく世間のイメージでさ。
大富豪は最先端の医療を受けられて難病も治療しやすいって思われてるじゃないですか。

でも現実はお金じゃどうしようもないんですよ。
その最先端の技術を使える「場」と「執刀医」が順番待ち。
あの手術室はたぶんどんな強権やお金を使っても空きを捻じ込めないと思う。

いや…書いてて思ったけど政治家あたりなら枠取れそうだなぁ…
大富豪も「君、その枠を私に2億で売ってくれ」とか言われたら売る人ぜったいいるだろうからやっぱこの世は金と権力だなぁ…

んでその手術室なんですけど、TVドラマのやつをイメージしてたら全然違ってた。まず普通に歩いて入る所から違う。手術室前まで姉と雑談しながら移動してましたからね。

んで手術室の中はこれどこのファイナルファンタジーだよってくらいSF空間になっててめちゃくちゃ広い部屋の中央にポツンと小さいギミック満載ベッドが置いてあるの。ちょ…世界観が急に変わったけどだいじょうぶ?ってなった。

ていうかなにこの無駄すぎるスペース。
いやオシャレだけどさぁ…
そのオサレ感って手術にいる?みたいな。

だって階段使ってベッドに登るんだよ?初めて聞いたわそんなん。
ベッドって登る所じゃなくて寝る所ですよ!
ていうかなんでこのベッド、形が十字架なの?ここだけブリーチじゃん!
2ヶ月待って出てきたのがFF+ブリーチかよ!いやオサレだけどさ。

全身麻酔は初めてだったんですけど、急に意識が切れて術後へ時間が飛んだ!っていうネットでよく転がってる感覚は無かったです。普通に寝る前みたいに意識が薄れていく感覚があって、目が覚めた時も朝起きたみたいな感じで時間の経過も感じられました。

まあでもその問題の術後がね…
あまりの激痛に何度も死んだほうがマシだと思いましたね。
手術後ってマジであんな地獄なん?もし次があるなら絶対に耐えられないってレベルで拷問だったぞ…

こと、痛みに関しては。
殺そうとする力よりも生かそうとする力の方が耐えられない。
って思いましたね。

まさか手術後の患者があそこまで意識ハッキリしてるとは思ってなくて。
体が動かないだけで意識めっちゃハッキリしてるんですよ。
だから激痛をモロに食らうというか。

痛みっていうのは、ある一定レベルを超えると「何かが奪われていく」ような感じになるんですね。痛ッ!って感じじゃなくて、何か自分の存在がどこかに持っていかれていくような感じというか。

それが何十時間も続くんですよ。
痛すぎて眠れたもんじゃないですからね。
こんだけ痛いのにさっきから5分しか経ってないのか…みたいな。

息するだけで痛い。
だから息をしたくない。
でも息をしないと死ぬ。
そもそもよく考えたら息を止めても痛い。
指1本1ミリでも動かすと全身が痛くて存在がどっかに持ってかれる。

もう創作の拷問って全部これでいいじゃんってなった。
絶対みんな耐えられないってあんなん。
ていうか胃の手術だったのにどうして全身が痛いのだ。何かおかしいぞ!

え?麻酔?
やっててこれだっつの。
痛い時にこのボタン押してねボタンを秒間16連打してたわ。
もちろんボタン押す動作ひとつで激痛に襲われるから実際にはできないけど。

まあそんな地獄の治療も無事に終わり。
ようやく今日、帰ってこれました。
たぶん大丈夫でしょう。

大丈夫じゃない可能性は10%。
あんだけやってもど~してもゼロにはできない。

まあこれはもうどうしようもない。
医療に絶対は無いですしね。
やれることは全力でやったし、これで駄目なら諦めもつく。

とりあえず、そんな感じで。
今日からぬる~~く活動を再開しまっす。
こんごともよろしく…

ちなみに手術後3日目から病室に持ち込んだノートパソコンでひたすらマジェのドット絵を作っててかなり進みましたよ。看護師さんに「病室が書斎みたいになってる…」って呆れられたけど。

< RPG Maker Unite  | ページTOPへ |  無期限休止 >