「想像だけで描くな」
美術の時間に先生からこう言われた経験がある人は少なくないでしょう。
えぬもそうでした。
でも毎回思ってた。
いや実在しないモン描くんだったら想像で描くしかねえだろと。
山火事防止のポスター作るのに山に火ィ着けるんかオイてめコラみたいな。
もちろん先生が言いたいのはそういう事ではないでしょう。
想像だけで描くなというのはあくまで写生やデッサンの話。
物の形を立体的に正しく理解する力と、それをきちんと出力する力を鍛えなさいという意味が込められていたんだと思います。
まぁでも当時えぬは子供だったんでまったく言う事を聞かず、空間認識能力はずっと鍛えられないまま今に至っているわけです。何というか、物の形を立体的に理解せず想像で強引に線として表現していたというか。やっぱパワー系。
ポイントは空間認識能力です。
これは幼少の頃の伸びが大きく左右するらしく、大人になってから鍛えようとしてもなかなか上手くいかないようです。
男性漫画家の方が立体的な絵を得意とする傾向があるのも、男の子が子供の頃に遊んでいた内容がどれも空間認識能力を鍛えるのに適していたからという説もあるとか無いとか。いやもちろん男性で立体的な絵は苦手って人もいるでしょうけど、メカ系武器系アクション系は圧倒的に男性が得意とする分野です。
まったく絵を描いたことのない人が短期間でみるみる上手になっていくのも、この空間認識能力が大きく影響しているのかもしれません。要するに、人によってスタートラインが違う。
立体的な絵を練習するなら、やはりデッサンを繰り返すのがベターでしょう。
皆そうやって血反吐をはきながら上達しているのです。
だからデッサンの練習しましょうね。
終わり。
というツマンナイことを書くRPG探検隊ではありません。
フワッフワじゃないですか。
ルーミスのやさしい人物画でも見ながらどんだけの期間デッサンやればいいのか具体的な理屈や明確な目標が何も無い。それに時間がかかりすぎる。
仕事から疲れて帰ってくる社会人の事を少しは考えないといかんでしょ。
何が悲しくてケバい外人のオッサンオバサンの裸を写生せないかんのか。
次の日も仕事なんですよ。
人には人のやり方がある。
なので自分に合った練習メニューを順序立てて構築していきたい。
さて。
とりあえずまずはこの画像を見てください。
釣り目の顔が描かれた四角のイラストです。
これを箱の表面に張りつけ、いろいろな角度から見た時にどうなるかを見て、空間認識能力は錯覚との戦いだという話をしたいと思います。
ユドナリウムを使った方が手っ取り早いんで適当に地形を作ってさっきの顔画像を張りつけます。
で、これの釣り目の部分だけ隠し、正確な角度と長さの釣り目が描けるのかというのをやっていきたいと思います。
まずは簡単な角度から。
下の画像は口の部分だけ表示されています。隠された目がどんな感じか想像してみましょう。自信のある人はこの画像をドラッグ&ドロップして適当な画像ソフトで目を描いてみてください。
想像し(描き)おわったら↑の画像をクリックすることで正解が表示されます。
この程度ならまだ大丈夫だと思います。
たぶん殆どの人が右目が少し長くなっているはず。
じゃあ次は難しい角度にします。
下の画像で隠された目を想像して描いてみてください。
想像し(描き)おわったら↑の画像をクリックすることで正解が表示されます。
けっこう難しいと思います。
特に右目の角度と長さを正確に描くには空間認識能力が必要になります。
ずっと見てると「右目ちょっと口に近過ぎない?」と錯覚してくるから困る。
これが錯覚との戦いってやつです。
じゃあ空間認識能力が高ければ錯覚しなくなるのかって話ですが、話はそんな簡単ではありません。なぜなら「正しい描写をしてても人によってなんか変に見えてしまう」という問題があるからです。
上の画像がそうです。
右目が口に近いと思ってしまったら何かもう崩れてるようにしか見えない。
正確な描写をしてるのに。
それでも正しい絵を描くべきでしょう。
ただし、その正しさが人によって違うのであればどうすればいいのか。
そもそも正しい絵っていうのは何なのか。
さて次はさらに難しい角度にします。
下の画像で隠された目を想像して描いてみてください。
想像し(描き)おわったら↑の画像をクリックすることで正解が表示されます。
これも難しいと思います。
角度はともかく、特に長さや線の太さがどうなるかって部分は高い空間認識能力が無ければ厳しいでしょう。これもずっと見てると「左目が外枠に近すぎない?」と錯覚する人がいるかもしれません。
左右の目は角度によってここまで長さ太さが変わるんですよ。
もしこれが実際の人の顔だったら平面じゃなくて曲面になるわけで、難解さは跳ね上がると思います。
個人的に、空間認識能力はそう簡単に鍛えられないと思う。
なぜなら、そもそも空間認識能力って勘みたいなものっぽいから。
「なんかたぶんこうなってる」っていう勘。
空間認識能力が高いとその勘がほぼ当たるってだけの話だと思うの。
実際は瞬時に計算した結果を返してるんでしょうけど、その処理は無意識のうちにやってるもんだから「なんで分かるの?」と聞かれても「いや何となく」としか答えようがない能力。
つまり空間認識能力を鍛えるのって、勘の精度を上げるに等しいんですよ。
数ヶ月や1年2年でどうにかなるもんじゃない。
車を1年2年運転してたらみんな車庫入れが上手くなるのかって言ったら、下手な人は何年経っても下手なままじゃないですか。
だから空間認識能力を鍛える方向では練習しません。
おそらく努力の割にほとんど進歩しないのが分かり切ってるから。
じゃあどうするのかっていうと、想像力で補うんですよ。
たとえば拳銃の絵を描く場合。
余程のガンマニアでなければ資料を参考にすると思うんですが、空間認識能力が高い人は1枚の写真から様々な角度の銃が描けてしまう。
これがこの角度になったらこうなるんじゃないか?っていう計算が早く正確にできる能力。これができないと写真をそのままの角度で模写するしかない。
なので銃が頻繁に出てくる漫画家のスタジオでは写真ではなく現物のモデルガンが置いてあって、いろんな角度で模写できるようにするケースもあるとか無いとか。デッサン人形なんかも便利なアイテムですね。
そりゃ参照元の絵から別の角度の絵を描くのは難しいですよ。
モナリザの横顔が違和感無く描けるのか?って話ですし。
高い空間認識能力が無いとアニメーターになれないってのも納得です。
じゃあどうすればいいのか。
答えを暗記すればいいんですよ。
色んな角度の拳銃を描くなら、色んな角度の拳銃の情報を覚えれば良い。
計算できないなら先に答えを知っておけば良い。
この方法で空間認識能力の不足をカバーする作戦です。
ただしこの作戦はいろいろ問題もあります。
ということで次回はそこら辺をもっと突っ込んでネタにします。
11/6までの拍手お返事です。
■ネームの出来が漫画を大きく左右してしまうから最終的にはどんなネーム切るかが重要になってくるんですよね
■百合作品と銘打ってるのは答えを先に知るようなもんだからえぬの言うワンダーでは無いんですけど、だからといって百合と銘打ってる作品の良さは変わらない
■どっから忘年会出てきた
■夜の付けただけやんけ!
■プレイありがとうございました
まあボチボチがんばってきます
■メシュのは手抜き下着つけたのがバレたことの恥ずかしさだから…
■顔漫画も高年齢層に向けた落ち着いたジャンルではアリのケースもあるとは思うんですけど、自分の目指す漫画のジャンルとは違うんですよね
■帽子だと男キャラってだけで異色だから…
■より良いものっていう前向きなものじゃなくて自分が嫌なものは作りたくないっていう後ろ向きなエネルギーかもしれんです
■良い着眼点ですね。動物モチーフはキャラの描き分けで活用できそうだからいつかネタにしたい
■ポリィ「お前は今日から管理人や」
■自分の源流が少女漫画だったんでどうしても癖が残ってますね
少女漫画絵は嫌いじゃないんですけど妙な形で残ってるのが嫌で
■セックスアピールが身長と胸ってのはよく聞きますね
少年漫画のマッチョ枠は少女漫画のショタ枠なんだろうか…
■下乳に服を滑り込ませて乳袋にしてるのを想像したら描けるようになった
■貧乳は巨乳がいてこそ引き立つのかも知れぬ
■メリッサは女子向けイメージしてたからまんま似ちゃったなぁ…
■ジャンプの新連載に僕らのケツ盟って漫画もありますね
■日記では「男女両方向けの絵柄みたいなのもありますが」と前置きした上で話をしています。ただしそれは極めて限られたケースです。
例えるなら週ジャンと別マガ両方に載っても他の作品群から浮かない絵です。
見れば分かると思いますが、両誌で浮かない絵柄は極めて稀になります。
おそらくジャンルを形成できるほど例は多くないと思います。
アナザーエデンの絵は情報量が多く立体感があるので男性向けの属性に傾いた絵柄になるでしょう。イケメンだからといってその絵柄が女性向け作品というわけではなく、女性漫画雑誌の作品に紛れると浮いてしまうと感じます。
女性向けは平面で簡素にスキを表現する傾向があります。これらは性別による絵柄の好き嫌いではなく、単に男性向け女性向け雑誌に載ってる絵の傾向をえぬ個人の主観で分類しているだけですね
■村上「…んん??」
■今やってる練習はもう苦行通り越して拷問の域に入ってる…
最初の線だけ引いてた時代が恋しい…
■パッと出てこないですね
ジャンプならD.Gray-manかな。女の子なら昔から黒星紅白が好き
■よし、えっちな虫を描け
■そうきたか!でもたまたまだな!
■難しいっすね~
■少女漫画絵は基本的に平面だから巨乳にすると違和感あるんですよね
だからといって立体的にしたら少女漫画絵じゃなくなってしまうという
■ぜったいになんとかしてやる!ぜったいだ!
■ペンを変えるというのは重要ですね。いずれ自分もペンを変えようと思ってはいたんですけど、今はあえてペンはそのままにして線の変化がチェックしやすいようにしてます。ペン変えは最後のダメ押し、トドメにしたい
■おのれ新手のスタンド使いだったかッ!!
■百合エロ漫画は女性向けの絵でエロい事してる確率高いぞ
■無印はかなり酷い絵柄でしたね。新約はあれよりはマシになったとはいえ、やっぱり自分の中でまだ嫌なイメージが残ってるんで何とかしたい
■ざんねん!異論はなかった!
いや、勿論演技、小道具や大道具、シナリオが簡単というわけではないんですが……漫画はこれらほぼ全てを作者がやるわけですから、総合芸術としてかなり色々求められるという。