物語ノ物語
2018/04/29
物語が人となり、結末を迎えるその時まで過ごす世界。
住人である物語の題名は真名として伏せられ、みな通り名で呼び合っていた。
物語の結末は物語本人が自由に決められない。
結末を迎えられずに消える(打ち切り)こともある。
それらは全て世界の外にある何らかの力によって決定される。
物語は皆、この力を「アンケート」と呼んでいる。
自分の物語の結末を決めることはできないが、アンケートを利用して間接的に自分の望む結末に誘導することはできる。物語はそれぞれ自分の望む結末を目指して奔走する。
物語の世界では二つの派閥に分かれて争いが起こっていた。
幸せな結末を目指すハッピーエンド組。
不幸な結末を目指すバッドエンド組。
戦いの勝敗を左右するのは世界の外にある何らかの力「アンケート」のみ。
アンケートを使いこなすには、物語の面白さを外にアピールするしかない。
戦いに敗れた物語は結末を迎えることなく打ち切りになるか、敵対陣営の結末に取り込まれることになる。
主人公の物語はハッピーエンド組に入る。
ハッピーエンド組は通り名「オワライ」「オイロケ」「イセカイ」等の強力な仲間(看板)が揃っていたが、看板に頼り過ぎていてバランスを欠いていた。
対するバッドエンド組は通り名「グロー」「ウツ」「リョーナ」が看板となってハッピーエンド組の弱い物語を次々と打ち切りに追い込んでいた。バッドエンドは少数精鋭の為、新鮮な内容が外の世界にウケておりアンケートを着実に増やしていった。
戦局はバッドエンド組が優勢だった。
奮闘する主人公だったが、その力はまだ看板にはほど遠かった。
打ち切りが怖い物語は、完結の為に次々とバッドエンド組に入っていった。
均衡が崩れたのはハッピーエンド組の最強看板「オワライ」の完結だった。
「オワライ」は戦争のために結末を引き延ばしており、長寿物語に発症すると言われている難病「マンネリィンフレ」に苦しんでいた。
戦争の為に打ち切られるくらいなら大団円で完結させるべきだというハッピーエンド組の仲間の言葉を受け、オワライは涙を呑んで完結を決心し、物語の世界から消えた。そしてそれはハッピーエンド組の敗北を意味していた。
「オイロケ」が倒され「イセカイ」も破れ、ハッピーエンドの看板は全滅。
追い詰められた主人公。しかしその力は看板には程遠い。
バッドエンド組の最強看板「グロー」は主人公に選択を迫る。
「もともとお前の物語は社会理念的にもハッピーエンドには向いていない。
お前の結末はバッドだからこそ輝く。
小さい物語の安心するハッピーエンドなど客は3日で忘れる。
だったら客の心臓を何年も抉る様なバッドエンドで自分の生きた証を残せ」
それでも主人公はハッピーエンドを諦めなかった。
絶望的な状況で何とかハッピーエンドの道を探る主人公は、ついに第三の選択に辿り着く。
それはハッピーでもありバッドでもある結末、メリーバッドエンドだった。
バッド要素も含まれたその結末に、グローは止めを刺せなかった。
新勢力メリーバッドエンド組を立ち上げた主人公、通り名「ユリ」の戦いは始まったばかりである。
…っていう漫画のネームを集英社に持ち込んだら担当の人どんな顔するだろうなぁって妄想したことがありました。
4/28の拍手お返事です。
■ぼちぼち復活!
■時間過ぎるの早いよぅ…
■なんか巨乳って描くの難しくないッスか…?
1歩間違ったらデブ子ちゃんになっちゃうじゃないですかあんなん
■やめいw
< ガラス割れ
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