ゲームがつまらなくなる瞬間
2025/02/20
何にでもなれるRPGの続きです。
キャラは直接プレイヤーが操作することもできますが、基本は指示出しです。
指示さえ出せば後は勝手にやってくれます。いちいち雑魚敵を狩ってレベリングしたり金策したり仕事したりダンジョン探索する作業はありません。
ただしプレイヤー化はプレイヤー自ら操作したキャラで行う必要があります。つまりゲームの基本は、誰をプレイヤーにするか世界中を探索しつつ他のプレイヤーキャラに指示出しする感じになるでしょう。
一緒に行動するパーティ人数に制限はありません。
キャラクターは何人でも制限なく仲間として冒険に連れ出せます。
その際、パーティ人数が10人を超えると十人隊としてスタックされます。
十人隊はリーダーを1人決めて1ユニットと化し、指針や行動や能力も1つにまとめられます。その総合能力は個人とは比較にならないでしょう。
十人隊10個で百人隊、百人隊10個で千人隊、千人隊10個で万人隊までスタックされます。それによってユニットサイズも大きくなり、維持コストや食糧のほか、活動に必要な限界エリアサイズも増えます。
行動エリアには限界サイズがあって、それを超えるユニットサイズは活動できません。なので、狭い洞窟に千人隊を送っても探索はできないんですね。
え?
なんかもうRPGじゃなくて完全にシミュレーションじゃねえかって?
いやいや仲間6人連れて普通のRPGみたいにダンジョン探索とかできますよ。
この仕組みはあくまでプレイヤーのやりたいことを実現させるためのルールに過ぎませんから。
「ダンジョンなんて100人連れて攻略すりゃすぐ済むんじゃね?」とか「災害級モンスターに仲間100人ぶつけてレイド戦してぇ」とか「鍛え抜いた最強キャラ1人で軍隊と戦ってみてぇ」とかいう遊び方をしたいんですよ。自分は。
スタック制は戦闘だけじゃなくて土木や農業や工業とかにも利用できます。
プレイヤーキャラが多くなってきたら指示出すのも大変ですし、それらを省略する意味合いが大きいというわけです。
つってもいちいち指示しなくてもいいんですけどね。
放置してても勝手に生活しますから。
プレイヤーが作業しないと損をする、ではなくて。
プレイヤーがやりたい事以外はやんなくていい、にしたいんです。
リセット吟味しながらコツコツと作業をして…というRPGはもう作らない。
はいお前強くなってね、お前は金策、お前はアイテム収集と指示を出したら後は好きなことをやる…そんなRPGを作る。
ゲームがつまらなくなる瞬間は何かっていうとね。
「義務」が発生した時なんですよ。
「これやりたい」が「これやらないと損をする」になったら黄信号です。
特に採集や農業や釣りみたいな労働作業系はそうなりやすい。
いや、下手をするとRPGのシステムそのものが危ない。
レベル上げないとキツイから雑魚狩りでレベリングする…まさに作業です。
延々繰り返しても飽きない雑魚戦なんて製作者側の幻想なんですよ。
じゃそれ作った人は何千回もその作業やって飽きないの?ってのが答えです。
自分の作ったRPGを楽しめない最大の原因はココだと思う。
デバッグでいくらでも盛れる数字を手間暇かけて増やす価値が無いんです。
もちろん、作業が楽しいこともありますよ。
緩衝材のプチプチを潰すなんて傍から見たら作業ですけど、やってる本人は楽しかったりしますからね。RPGの作業もこれに似た側面があるでしょう。
でもそれは他人の作ったRPGだから楽しめるのであって、少なくともえぬは自分の作ったRPGの作業部分は楽しめません。
なぜなら作った当人は嫌というほど分かってるからなんですよ。
その作業がプレイ時間の水増しでしかないと。その程度の価値しかないと。
むしろそれを自覚できていないとまずいことになる。
もしRPGの作業部分を価値あるものと認識してゲームを設計してしまったら、次のレベルまで異常に遠いクソバランスになりかねない。遊び手に作業させるリスクを認識できて初めて、反復行為の許容ラインを試行錯誤できるんです。
キャラの成長が飴ならば反復作業は鞭。飴と鞭をどう上手くバランスさせるかが重要なのです。しかし製作者自身は飴も鞭も作る側なので、いくらでも用意できる飴はご褒美になりえない。だから自作ゲーの作業は楽しめないんです。
この敵は火属性が弱点なので火属性攻撃で倒しましょう、とか。
HPが減ったら回復魔法で回復させましょう、とか。
同じ敵を何度も倒してコツコツとお金貯めて良い装備を買いましょう、とか。
今の時代、こんなもの作業以外のなにものでもありません。
この部分に楽しさを感じたRPG黄金時代はとっくの昔に終わっているのです。
ゲーム内で義務を感じる瞬間というのは。
何かを押し付けられたと感じた時なんですよ。
それらは多くの場合、プレイヤーに何らかの作業を強いた時に生まれやすい。
それらを避けるにはプレイヤーに労働させるんじゃなくてゲームが勝手にやってくれる仕組みにすると良いんじゃないかなぁと。それってRPGじゃなくてRTSじゃんって言われたらミもフタも無いですけど…
まあでも、今の時代のゲームってだいたいそんな感じでしょ。
プレイヤーみずから農作業したり採取したりじゃなくて、キャラに指示して勝手にやってもらって、プレイヤーはリソース管理がメインというか。
とにかく、作業部分をゲームと言い張ることはもうしたくない。
自分の作ったゲームの作業部分が楽しめないのは当たり前なんですよ。
そこに面白さの本質なんて無いのだから。
もしそこに面白さの本質があるのならば、自分で作業を作って自分で延々とその作業して遊んでますよ。それができないのは面白さの本質がそこに存在しないからだと思う。
2/19までの拍手お返事です。
■たまに遅れる
■また懐かしいネタを…
■たしかにコントローラは重要かも
■いけっ!おっぱいファンネル!
■パッと見た感じはMMORPGっぽいかもしれませんね
あれの視点が固定じゃない感じ
■生きてる生きてる生きてる味噌フンドーキン
■お人形遊びが近いかも
ザクとガンダムをブンドドしてて、ある瞬間ではアムロになりきりある瞬間ではシャアになりきってるアレ
■リアクションは重要なファクターですね。ゲームにおいてインプットを返すアウトプットは命ともいうべき大事なもの。それだけ難しいんですよね
■初代アトリエのキャッチコピーが「世界を救うのはもうやめた」って辺り、28年前の時点で世界を救うRPGがありふれていたってことなんですよね
■ゴリウーを愛せるかどうかが試金石になるスカイリム
え? 美形MOD?
■たぶんあの妄想ゲームのエンドコンテンツは皆が想像しているような類のものではないとおもう
■そういや新ツクール出るとかいう噂あったけどどうなったんだろ
まさかUnityツクールでそのまま展開するわけはないと思ってるけど
■襲ってくる盗賊の対策は、その盗賊をプレイヤー化すれば済む…というのは建前で、プレイヤーは盗賊というお人形さんを手に入れるために盗賊が絡んできそうなシーンを作ってやる的な感じ
■ふっかつのじゅもんもパワーアップ!
■対モンスターだと魔物の知識にもスキルLvがあるから、たしかに師事だけじゃ不十分っちゃ不十分ですね
■GTAがなぜ世界で二番目に売れたのか、理由がよく分かるコメントだ…
■やれることが増えるとゲームの目指すポイントがズレちゃうからなかなか難しい所なんですよね。たぶん今までの話でえぬがどういうゲームしたいのか全然伝わってないだろうし
■時計少女戦を思ってたより面白くできなかったから耳の痛い話である
■やれることが増えるとコンプ欲求をどう処理するかが重要になってくると思うんですけど、はてさて…
■最近のTRPGは戦闘特化ルールになってるイメージあります
■多くのファンがいる名作にはちゃんと名作である理由があるってことですね
■ずっと目的目的って感じで導線をガチガチに縛っちゃうと、やる事を押し付ける形になってプレイヤーに義務感を持たせちゃうリスクもあるんですよねぇ
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