死のインフレ
2017/04/28
地球には遠心力が働いているので、場所によって物体の重さは違いますよね。
それと似た様な話なんですけど、作品によって命の重さも違うと思うんです。
蘇生のある作品は死が軽い、っていう単純な話じゃないんですよ。
いや確かに蘇生があると死は軽くなっちゃいますけど、今日ネタにしたいのはそこじゃないんです。
例えば、死者が絶対に生き返らない作品同士でも、作品ごとに命の重さは違うと思うんです。その差はどこにあるんでしょう。
えぬ個人的にですね。
作品内で死が描写されるほど、命の質量は軽くなっていく気がします。
光速に近づくにつれて質量が増大するのは特殊相対性理論ですが。
死者が増えるにつれて命の質量が軽くなるのは何て呼べばいいんでしょうね。
特殊相対死生理論?
理屈は簡単だと思うんです。
何回も死の場面を見せられたら、そら読者の感覚も麻痺してきますよ。
あぁまた死んだね。この作品は簡単に人が死ぬんだねってなっちゃう。
だからどんどん刺激が薄くなっていく。
登場人物の死によって読者に刺激を与えようとすると、どんどん殺していかないと刺激が足りなくなっていく。死という紙幣を次々と刷ってインフレになり、死の価値はますます下がっていく。そして最終的には全人類を殺さないといけないほど死の価値が暴落するわけです。
つまりですね。
死の価値を高くしたい作品ならば、できれば死ぬ人間は一人くらいに抑えたほうがいいと思うんです。妙な話ですけど。
例えば。
サザエさんで中島のおじいちゃんが死ぬ回を放送したらすんごく重たい話に感じると思うんです。中島のおじいちゃんなんて脇役のさらに脇役というか、主役サザエの弟の友達の祖父ですからね。そんなメインから遠い人間が死んでも重く感じるのは、サザエさんという作品にとって死は非日常だからでしょう。
これがもし進撃の巨人だったら。
たぶんメインキャラのアルミンの両親が死んでも、中島のおじいちゃんほどの重さは感じられないと思うんです。下手したら「まぁ進撃だし死んで残念だなぁ」程度の重さしか感じないかもしれません。
別に進撃の巨人がサザエさんに劣っているって話じゃないんですよ。
ただ、作品によって命の重さは違うんじゃないかって話です。
20年くらい前にバトルロワイヤルが流行って、いわゆるデスゲームものやループものというジャンルが確立したわけですけど、それによって死のインフレを引き起こしてる気がしないでもありません。
ただ闇雲に登場人物を大勢殺せばいいという安易なデスゲームもの・ループものは、もはやメインキャラを殺しただけじゃ話題をさらえなくなり、死に方を惨たらしくしたりグロ描写を入れたりと表現の先鋭化が進む。
それは麻薬みたいなもので。
投与すればするほど効き目が薄くなる。
グロ漫画がグロいのは最初だけで、見てると描写に慣れちゃうんですよね。
インフレだと思うんですよ。
死のインフレ。
死の価値を高めるには、死の流通を引き締めなきゃいけないのかも。
例えばデスゲームものであれば。
普通だと登場キャラはほとんど全滅すると思うんですけど、最初はともかく後半は死人が多すぎて刺激がなくなっちゃいますよね。
だったら逆に犠牲者はたった一人だけだと告知しておいて、メインキャラの中で誰が死ぬのかってパターンにしたほうが、少なくとも死のインフレは避けられると思うんです。それが面白いかはまた別問題ですけど。
作者にとって、登場人物を殺すことなんて簡単なんですよ。
でも死の価値を高めることはこの上なく難しい。
4/27までの拍手お返事です。
■あらありがとです。がむばります
■確かにそれもあるんでしょうね
ご都合展開は別の問題も孕んでますし
■スト3おもいだした
■わかる。悲劇的演出をするのに死に頼り過ぎちゃダメですよね
■作者くさいいき
■そういや今も脱衣麻雀ってあるんだろうか…
■スポーツものは主人公の学年が1~2年生だと負けても来年ありますしね
■作者と読者のかけひき要素もありますからね、異能力ものは
■メタ的な
■そうやって先に情報を提示されてたほうがかえって先が気になってしまう法則ってありますよね
■犬に美形とかあるんかい…あるんかも
■浮き沈みがはげしいのか
■かもん!
■子どもって案外「これ良いことなの?悪いことなの?」って大人に確認してくるんですけど、それは良いことか悪いことか分からないのではなく、自分の価値観が不安だから確認したくて聞いてくるようなので、そういう時は自分の価値観を伝えて子どもを安心させてあげたほうがいいかも
■ゲロネタいうなし! 子ども心にほんと扱い酷く感じたカレーパンマン
■いい思いをした後に待っているのは壮絶な結末なのか…
■やっぱトラックと相撲するんかい…
■やっぱハーレムを貫き通すとトラックに恋をする展開が多いんだろうか…
■げいじゅつはばくはつだー!
■そうそう、そうなんですよ
■いがいとそこまでなかったですばい
■なによりダレますしね
■あれ幽助ってより読者に向けて言ってるように見えるのが面白い
■下手に何とかしようとすると大変ですもんね
■つかれてたのさ…
■そういや3も出るみたいですね
■ラノベは追うのがほんとに厳しいのでちょっと無理かも…
■トキノ君とか
■妖精のしわざ
■押し倒して解決します
■いやべつにヒイキが面白さを左右するとまでは言ってないんですけども
■だってそっち選ばないとバッドエンドなんだもん…
■てかげん
■残念ながらじゃないわ!
■面白いですね
日記書くのに2時間とかかかりるのだけ目を瞑れば
■両隣に女の子を置いて修羅場に!
■ねるなー!
■字面だけ見ると怖すぎる
■んで野村っちが坂口さんを止めたんでしたっけ
■野郎なんだ
■あれだけで何の作品か分かるんかい…
■いやーあんまネガティブな否定から話を組み立てるのもいけないなーと思っただけで、メアリー・スー自体を肯定するのはなかなか厳しいですね
■あー学生の頃描いてた漫画に似てますね。サイコロで結果を決めるから好きでもないキャラが生き残っちゃってモチベ下がってエターナりましたけど
■まぁ同人とかは良識の範囲内で自分の好きにすればいいと思うんですけど、プロの場合は好きなものが描けないジレンマはあるんでしょうね
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