いよいよというか、遂にというか、漫画の背景練習に入ります。
これがおそらく漫画絵の練習で最大の鬼門になるでしょう。
始めに断っておくと、美麗な背景が描ける様になるのが目的ではありません。
1人で漫画を描く為に、いかに「早く」「見るに耐えうるクオリティ」の背景が描けるかというのが最終目的です。
仮に毎週15ページの漫画を描くとしましょう。
働きながらだと1日3時間くらいしか時間が取れないと仮定し、1週間で合計21時間。土日を丸々潰しても用意できるのはせいぜい40時間くらいでしょう。
となるとネーム作る時間も考えたら良くて1ページ2時間。
1ページ平均6コマだとしたら、20分以内に1コマ描かないといけない。
自分がずっと早描きにこだわっていたのはこれが理由です。
人物はまだ良い。まだ何とかなる。
けど背景は対策を練らないとどうしようもない。
じゃないと白いコマばかりになって、それを誤魔化す為にいろんなトーンをペタペタ貼りまくる漫画になってしまう。
漫画は自由だから面白ければ別にそういう漫画もアリだとおもう。
ただ、自分が描きたい漫画は背景にも自己表現を込めたいってだけです。
だから自分なりに早く背景が描ける方法を身に付けないといけない。
背景は本当に時間がかかる。
写真を線画抽出して漫画背景にしてる人がいるのも致し方なしでしょう。
アシがいなければクオリティが露骨に下がってもしょうがない。
けど自分は写真の線画抽出はしません。
理由は元となる写真が無いと背景が作れなくなるからです。手描き背景を混ぜると品質がバラバラになるし、上手い線画抽出も技術が必要で一朝一夕じゃできません。ならばそれを練習する時間は手描きの方に割いた方が良いかなと。
第一段階の練習として、フリー素材の写真を1枚につき20分の制限時間を設けてトレスしています。今までの練習は模写でしたが、今回は写真トレスです。
この練習の目的は3つ。
1つは「情報の取捨選択センスを磨く」
どの情報を捨て、どの情報を残すかというセンスを鍛えたい。
基本的に漫画の背景絵は全ての情報を線にする必要が無い。
どの情報を選ぶかで描いた人の個性が出る。
問題はどの情報を線にし、どの情報を捨てるかって所。
それを選ぶ技術がクオリティの差に繋がってるんだと思う。
えぬが素晴らしいと感じる漫画の背景絵は、情報の捨て方が上手いんですよ。
何でもかんでも線にして情報を詰め込んだ背景じゃなくて、厳選した線で描かれた背景にセンスを感じるというか。見やすい分かりやすいお洒落。
面倒な部分だけ描かないようにした絵じゃないんです。
線の選び方がすごく上手いんですよね。漫画の背景は見やすい方が好き。
だからその取捨選択センスを磨きたい。
今回の練習はトレスなので、キャンバスの裏に正解が薄く見えています。
ですが全ての線をトレスしてたら20分では描ききれないので、必ず何かしらの情報を捨てる必要が出てくる。描かない情報、捨てる情報を意識せざるをえないので、情報の取捨選択の練習になるという仕組みですね。
上の絵だと木の葉っぱとかビルのレンガ模様なんて描いてられません。
裏で見えている膨大な数の情報をどうやって捨てるかっていう練習です。
図書室の背景を描くのに、棚の本を1冊1冊描きますか?って話です。描かないならどうやって図書室の棚を表現するのかっていう部分がセンスというか。
コンビニやショップの商品陳列棚は?
バーのカウンターの後に沢山並んでいる酒瓶は?
ビル街のビルの窓や電車の窓は全て一つ一つ描くのか?
この部分を適当に描くんじゃなくてオシャレに見せたいわけです。
2つめの目的は「コマ内の白黒比率のバランス感覚を鍛える」
背景を早く描こうとするとページが白くなりがちなので、黒と白の占める割合がバランス良くなるような背景センスを身に付けたい。
上の背景は木の葉と幹を黒メインで表現して、なるべく白い背景にならないようにしました。このバランス感覚はカラーイラストの背景とは種類が違う。
どの部分を黒ベタにするかで画面の印象がまるで変ってくる。
スクリーントーンは練習にならないので使いません。
トーンはそれ単体で白黒比率のバランスが良いので、使う面積が広くなるほどページ内のバランスも良くなります。だから練習にならないんですよ。
3つめの目的は描くスピードを上げる事ですね。
ただ単に速さだけを求めていったら雑な絵になってしまうので、最低クオリティに必要な時間は20分に設定し、その20分でどこまでクオリティを上げられるか練習する感じです。
20分って数字は、日記の最初で計算していた1コマ当たりにかけられる時間のおおよそ平均値から出しました。なのでもしページ半分を占めるような背景なら1時間くらいかけてもおkみたいな雑計算ができます。そのくらい時間あればビル群の窓を1個1個描けるかもしれませんね。
ってな感じで。
当面の間は「線選びのセンス」「白黒比率のバランス感覚」を練習します。
慣れてきたら写真トレスを卒業して第二段階の練習に移行します。
2/1までの拍手お返事です。
■ありがとうございます。
自分ミステリが好きなんですけど、たまには名探偵がギャフンといわされる所が見たいなぁって思ってたんですよ
■ありがとうございます!もう1年か~はやいな~
このまま練習してたらあっという間に1年過ぎそうだ
■短編の読み切りは短編用のプロットがいるなぁと思ってるんで、1年の練習が終わった後に短編をいくつか出して練習したいですね
■クロッキーは時間かけない落書きみたいなノリだからそこまで精神的負担は無いんですけど、凝ったポーズが来た時に描けないと精神的負担あるかなぁ
■ありがとね!本格的に活動するってなった時よろしく!
■3Dモデルはポーズ取らせるのに時間かかるのがね…
それに比べるとデッサン人形の方は楽にポーズが作れて良いのかも
■玉袋くらいの下ネタなら平気
■ゲットだぜ!
■いや~スリーアウト満塁は何もフックが無かったから当然ですって
自分が野球以外の要素を入れるとたぶん百合漫画になるでしょうな。女子マネ2人がいちゃいちゃしてて野球がオマケみたいな話になる恐れが
推理小説では自分で犯人を考えずに、種明かしで驚くのが好きです。カタルシスを感じるというか。
今更かもですけど、新約プレイしたとき
絵が躍動感ある印象になってて楽しかったですよ~。