先が気になるストーリーを考える
2020/06/02
どうすれば面白いストーリーが作れるのか。
っていうのは誰しも考えることだと思うんです。
でも面白いっていう感覚は人それぞれですよね。
この部分がストーリー作りを難しくしている所だと思うの。
えぬがこの課題をずっとあれこれ考えてて、あるひとつの結論に至りました。
「読んでて先が気になるような物語」
これが面白いストーリーの基本だと考えていいんじゃなかろうかと。
発想は千夜一夜物語ですね。
で、先が気になるっていうのにも2種類あって。
「まったく先が予想できなくて答えを知りたい」
「こうなって欲しいと思ってて、予想が当たってる事を確認したい」
ってのに分けられると思うんです。似てるようでけっこう違う。
とりあえず今日は、読んでて先が気になるストーリーをどうやって作ればいいのか考えていきたいと思います。
サンプルとして桃太郎を使いましょう。
桃から生まれた桃太郎が犬猿キジを連れて鬼退治する例の昔話ですね。
この桃太郎を、先が気になるような物語にアレンジして面白くなるのかどうかっていうのを実際にやってみたいと思います。
さて。
桃太郎のシナリオがそのままだとさすがに先なんて気になりません。
話の流れも結末がどうなるか分かってますし。
だからこれを逆手にとって、知ってるからこそ先が気になるっていう要素をいろいろ足してみたいと思います。
まず、桃太郎は強いから鬼に勝って当然という先入観を利用します。
つまり「これで本当に鬼に勝てるのか?」っていうフックを考えます。
そうですね。
桃太郎は生まれた時から目が見えない盲目だったという事にしましょう。
タイトルは「盲目の桃太郎」
このタイトルでたぶん、読者はいろいろ先を予想すると思うの。
「不自由だけどお供を何とかやりくりして鬼退治する話なのか」
「心眼流に目覚めて居合切りで鬼をバッタバッタなぎ倒していく話なのか」
とかいろいろ。
ちょっと話が逸れるんですけど。
自分、子供の頃に桃太郎の話を知ったときすごい疑問だったんです。
何で桃太郎は弱そうなお供を選んだのかって。
犬と猿まではギリギリ分かるとして、キジのチョイスは何なん?って。
ぶっちゃけこれは今でも謎に思ってるんです。
空から偵察する諜報要員にしても鷹とか隼とかもっと強そうなのいるやろと。
せっかくだからこの疑問も利用しましょう。
桃太郎が道中で出会う犬猿キジに、自分がすごい強大で強い獣だと嘘をつかせて桃太郎を騙す描写を入れます。これなら子供時代の自分でも納得するでしょう。そりゃ目が見えなくて嘘つかれたらしょうがないよね、みたいな。
さらに桃太郎の他に栗太郎というキャラを登場させます。
栗太郎は本気で鬼退治をする為に、熊虎鷹を従えています。
そして桃太郎と道中で出会い、忠告していきます。
「お前は目が見えないから連れているお供の姿が分かっていない。そんな弱いお供では鬼に殺される」みたいな。
目の見えない桃太郎が犬猿キジに騙されて鬼ヶ島へ向かう道中で、ガチ勢の栗太郎が真相を教えてあげているという構造です。
普通だと栗太郎が前座のカマセに見えそうですが、肝心の桃太郎もお供に騙されている状態。こうなってくるとさすがに桃太郎が鬼を倒す図が想像しにくくなってきます。もちろん心眼流の技を磨く描写なんて一切ありません。
ここまでやってようやく、先が読めない物語になってきました。
この段階でたぶん物語の流れが想像できる人はいると思います。
そういう人の為に、自分の予想した内容が合っているか答え合わせがしたくなるような描写、いわゆる「伏線」を入れると良いかもしれません。
この場合の伏線は、そうですね。
桃太郎は穏やかで心優しく、とても鬼を斬り殺すような性格ではないという描写を入れておきましょう。ただし桃太郎に「鬼は滅ぼす」と目的をはっきり言わせておきます。
もちろん鬼が実はいい人で和解ENDなんていう何ともつまらない結末は臭わせたくないので、鬼は人々を苦しめる害悪で必ず退治されなければいけない存在だという背景はしっかりと入れておきます。道中で鬼に略奪され皆殺しにされた村とか出して、鬼の残酷さを徹底的に描写して和解ENDなんてありえない感じにします。
さて、物語の続きです。
桃太郎が鬼ヶ島に着くと、鬼の死体が山のように積まれていました。
ガチ勢の栗太郎の仕業ですね。
犬猿キジはこの状況でも桃太郎を騙そうとしていて、鬼がいっぱいいるから自分たちが先陣を切って戦うとか言っています。
桃太郎は盲目ですが、さすがに血の臭いは分かります。
死にかけた鬼の苦しむ声もばっちり聞こえています。
そんな死にかけた鬼を狙って犬猿キジが攻撃を加え、戦ってる振りをします。
「ああ、ここには鬼しかいないな」と桃太郎がつぶやきます。
桃太郎が島の奥へ進むと、全ての鬼を退治した栗太郎が山のような財宝を運んでいる場面に遭遇します。さすがにガチ勢でも鬼の大軍相手には苦戦したらしく、生き残ったのは栗太郎だけでお供の熊虎鷹は戦死したようです。栗太郎もボロボロの状態です。
欲の突っ張った犬猿キジが桃太郎に財宝の横取りを提案しボロボロの栗太郎を襲いますが、ガチ勢の栗太郎は意地を見せて犬猿キジを返り討ちにして殺害。
「この財宝は俺のものだ…これで故郷の爺さん婆さんを幸せにするんだ…」といって宝を抱えたまま栗太郎は絶命します。
桃太郎は財宝を触り「皆を鬼に変えるこの宝というものはさぞ恐ろしい姿形をした鬼なのだろうな」とつぶやき、最後のキビ団子をウミガメに与えて「誰の手にも届かない海の底へこの鬼の山を沈めてほしい」と頼みます。
こうして桃太郎は無事に鬼退治を果たしましたとさ。おわり。
で、まあこの話が面白いかどうかはひとまず置いといて。
先が気になる要素を常に意識して物語を作ってみました。
逆をいうとそれしか考えてない。
起承転結とかキャラクター造形とかシナリオ構造とか全く考えてない。
ただひたすら「先が気になりそうな要素」を捻り出すことしか考えてない。
「どう打開するか期待してたのに結局栗太郎が一晩でやってくれましたオチじゃねーか!」「桃太郎スカしてるだけで何もしてねーじゃねーか!」という不満は当然出てくる物語構造なので、その部分のブラッシュアップは必要です。ただ今回は先が気になる要素がテーマなので、ブラッシュアップ部分はまた別の機会にでも。
んで。
どうやって先が気になる要素を作るのかって話ですね。
これはもう、ただひらすら作ってる自分が困りそうな展開を考えるだけです。
上の例だと盲目でお供も嘘つき、ライバルは桃太郎の数段上のガチ勢で桃太郎が鬼なんて倒せる話ができるのか、やれるもんならやってみろ的に未来の自分を追い込んでいく。もちろんやりすぎるとエターナるのでほどほどに。
それと、単に先が読めないだけにならないよう注意しないといけません。
「先が読めない」と「先が気になる」はイコールではありません。
上の例だと、鬼が退治されようがどうでもいいと思われてしまったらアウト。
胸糞悪い鬼をスカッと退治して欲しいと思わせる導線が必要でしょう。
どうでもいいモブを鬼に殺させる程度じゃたぶん足りない。
この部分はかなりセンスが求められる所だと思う。
たとえばよく知らんスポーツでAチームBチームが試合してて、どっちが勝つかなんて興味わかないでしょ。けどもしAチームが自分の住んでいる地元だったらちょっと気になると思うんです。あ、地元じゃん!って。
この手法で上手いのは聖闘士星矢。
ぶっちゃけ天馬星座とか一角獣星座とか言われても、あっそうって感じで特に興味は湧かないんですけど、12星座になると話はまったく違う。
自分の星座が序列最上位の誰かっていうのはかなり興味惹くと思うの。
少し話が逸れたんで元に戻して。
自分が話作るのに困ってしまうレベルまでやってようやく「ちょっと先が読みにくくなったかな?」くらいになると思うんです。
だからこの作り方はけっこう厳しい。
厳しいけど結局は創作って最後は自分との戦いなんですよね。
6/1までの拍手お返事です。
■そういや無印のサイトの時も同じ感じで放置してたな…うふふ
■YUMMY!!!!!
■ハッサン「やはり筋肉が元ネタということなんですね。だテ眼オ」
■今回のトラックは中々いい角度で当たってきましたね。これは幸先の良い異世界転生が期待できそうなミンチに仕上がっていると思います。おそらくこの肉の飛び散り具合は王室の子レベルの転生先じゃないでしょうか
■クーさんはギャグとシリアスの配分が難しそうな気もしますね
あと漢字をカタカナにする法則性みたいなのもトレースするの難しそう
■コツとかあるのかなぁアレ…
■ハッサン「いっそ女でも良かったんじゃないですかねテリーは。だテ眼オ」
■ユリリウムとか良い響きですね百合ん百合んしてそうで
■設定的にジャニスとか料理下手じゃないけどまあそこらへんは主人公選択式の宿命といいますか…
■いえ、全然関係ないですね。モスクワじゃなくてサンクトペテルブルクのボリショイ劇場で事故に巻き込まれた感じです
■リプレイ見てくれてありがとです!ただでさえTRPGはハードル高いのに世界観がフワフワしてる帽子世界だから余計にハードルが高いという
■さすがにカリカリは食わんでしょ!……食わんよね?
■(*ノノ)
■いや、さすがに今の四人だったら帽子解放なしだと勝てるとおもう
クーのサイレンスが入ったらたぶん何もできなくなるから
■ありがとです!いま9話の途中ですけど、今までとまたガラッと内容が変わって面白いので楽しみにまっててね!内容の都合で今回は9話が終わらないとリプレイ作れないの
■サナトリウム水溶液
■なんでそうなるねん!
以下、他編エンディングやヨウコ編のネタバレがあります
■ヨウコ編むずかしいですよね…すまぬ…スマヌ…
作ってる時はここまで遊んでくれる人たぶん10人いればいい方だろうなくらいにかんがえてたとおもう
■戦闘力依存は強いキャラを育てるほど難しくなるという仕様なので、普通に育てたキャラならじつは通常と変わらなかったりします
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【更新履歴】19.04.27(Ver100)・公開
のまま放置されているのには何か重大な秘密が絡んでいるのかもしれません、事件の香りがします。