RPGに限った話ではないのですが、ゲームには　記号化されたものがいっぱいあります。

いわゆる「お約束」というやつです。
「暗黙の了解」とも置き換えられますね。
そういった　お約束を脱するゲームを作るという選択もあるとは思いますが、それが必ずしも　ゲームの面白さに直結するとは限らないのが、世の中の厳しいトコロです。

いいんじゃないでしょうか。
せっかくRPGが広まって、みんなが暗黙の了解にしてくれてるんです。主人公がずっと食事しなかったりトイレ行かなかったり町人にしつこく話しかけても同じ対応で返してくれたり人様の家に勝手に上がりこんでタンスの中調べても何も言われなかったり。

いいんじゃないでしょうか。
自分的には、こういうお約束を打ち破るよりも、この記号の中でいかに「作者の味を出すか」のほうが重要だと思うんです。
そんなわけで「RPGの記号について考えていこう！」シリーズでも勝手に始めよっかな、エヘッ！と思い立った次第でございます。

突然の第一回は「町人編」
最近はマップに入ると画面に地名が出てくる演出が流行っているせいで、入り口で町の名前を教えてくれる人が　めっきり減ってしまいましたね。
次に行くべき場所も　イベントで示してくれるので、町人から情報収集することも少なくなりました。

そう、時代は町人の重要性を希薄にしようとしていたのです！！
ピンチ！町人！！
…ということでもなく、役割といえばいいんでしょうか。
情報のための町人から、世界観を出すための演出としての町人や　ストーリーの複線を張るための町人へと変化していったわけです。

まだまだ、町人のセリフは重要なわけですね。
そんな中で、今回取り上げる記号はコチラ↓
「最近、チネチネ団っていう盗賊が暴れまわっているらしい」

はい、これは「もうすぐしたらチネチネ団が出てくるよ〜」っていう記号なワケです。いきなり登場させるんじゃなくて、こういう風に世界に住んでる住人に存在を語らせることで、チネチネ団とかいう集団の存在を高めようというわけですね。

「西の町に行くなら、道中気をつけて」
こんなセリフが続いたら「西の町に行く途中でチネチネ団に会えますよ」っていう合図なワケです。

これは、よくある記号だと思います。
「もうありきたりのパターンは飽き飽きしてンだYO！」といってこんなセリフの町人を排除するのもアリだとは思うのですが。
でも。
自分的には、こういった記号は残しつつ、いかに作者の味を出すか考えたほうが　より面白いゲームになるんじゃないかなぁ…なんて思うわけですよ。

独自の世界観を盛り込んで、しゃべらせてみる。
ちょっとウィットをきかせてみる。
ゲームの雰囲気と合わせてみる。
たとえば、ゲームの舞台が　核戦争後の荒廃した世紀末救世主な世界だったら。
「見かけねぇツラだなぁオメェ。まさかチネチネ団じゃね〜よな？最近調子こいてる奴らさ。西の町にいくんなら、遊んでもらえるかもしれんぜ？ウヒャヒャヒャ」
モヒカンにトゲ付きの肩パットした町人が、容易に妄想できますね。

それとは逆に、童話チックでほんわかした世界だったら。
「困ったー困ったー。え？いやー最近チネチネ団っていうこわい人たちがいて、西の町にいけないんですよー」
盗賊とかいう　物騒な単語はいっさい排除な世界です。のんびりと困っているようなので、きっといたずら好きな集団なんでしょう。
ドロドロした狂気が交錯する血なまぐさい世界だったら。
「ちくしょうッ！チネチネ団め…！あいつらに…俺の家族も…
友達も…そして…恋人まで殺されちまった…あいつら人間じゃねぇよ！許さねぇよ…！西の町に行こうとする奴は、みんなあいつらの餌食になっちまう！」
盗賊団というより殺人集団ですかね？まぁ血が見れそうです。

ひたすら人間の内面世界を追っていく世界だったら。
「…他人の財を奪う。それは利己的な行為なのでしょうか？それとも、世界など誰のものでもないことを主張しているだけなのでしょうか？…チネチネ団。西の町に行く途中、彼らがその答えを教えてくれるかもしれません」
町人のセリフに、無理にでも哲学とか入れてみるテスト。
…というように、同じことをしゃべらせるにも　いろいろとアプローチがあると思うんですよ。記号自体は同じでも、この部分で作者の色が出るというか。

さて。

書きっぱなしじゃアレなんで、これをどうやって遊び手が引き込むような文にするか　考えてみますね…
う〜〜〜〜〜ん…

ちょっと挑発っぽいことを言わせるのとか、どうでしょ！
ほら、人に「お前にはできないよ」とか言われると、なんか意地でもやってみようとか　思うじゃないっすか。
その心理を利用してみるんスよ！
ちょっとチャレンジしてみます。

「知り合いに　誰か強い人いません？いやね、最近チネチネ団とかいう盗賊が暴れてて、西の町に行けないんですよ。
え？あなたが退治する？あはははは！冗談でしょう？いやいや！
ムリ！ムリムダだから！ヤメなさいって！マジで死にますって！」
…。

う〜〜〜〜ん…
これって、単に性格悪いゲームなだけっすね…
やっぱ町人のセリフはムツかしいや。

29日の拍手コメントです。
■ギクッ！うまくゴマかしたつもりだったのに、するどい…

え〜〜。
そ、そうだ！
RPG探検隊員には、専用のバッジを支給しなければいけなかったのだ！！
受け取りたまえ。（*'−'）っ返却は不可っ！あわてて作ったんでヒドすぎる出来っすけどじっくり作ってもヒドイ出来だろうしキニシナイでほしいっす。

ふ〜〜〜…
これでよし、と。