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PART5~それぞれの気持ち~
今回は会話パートがメインになります。
前回14話終了となっていましたが、今回も14話になります。

GM:

ティグレとロールは以前2人で話していた海の世界の浜辺にいます

イラスト

GM:

辺りはすっかり日が暮れていて、夜の海はひと気もありません

ロール:

「付き合わせてもろて悪いなぁティグレ」

ティグレ:

「ううん楽しいよ!」

ロール:

「これからどないすればええのかティグレと話がしたくてな」

ティグレ:

「ロールはどうしたいの?」

ロール:

「ここが夢の中やと知ってしまった以上、もう普通に暮らしてくのは無理やしなぁ」

ロール:

「かといってこっから出られる方法もさっぱり分からんし」

ティグレ:

「ロールとこの前話したよね、ティグレが危なくなったら助けてくれるって」

ティグレ:

「まず自分喰いをなんとかしよう」

ロール:

「せやな。まずはアレを何とかせな」

ティグレ:

「もし自分喰いに負けそうな時が来たらティグレが一人で突っ込む」

ティグレ:

「多分それでシステムの力で自分喰いを倒すことになる」

ティグレ:

「でもそんなの上手く行くか分からないからロールにそうならないよう頑張ってほしい」

ロール:

「せやな~」

ロール:

「けど帽子って元々人間やったって話やったし」

ティグレ:

「らしいね」

ロール:

「倒したらソイツどうなるんや?」

ティグレ:

「わからない、また人間になるのかな?」

ティグレ:

「マッディさんはボニファーツさんを蘇生させようとしていたよね」

ロール:

「そうらしいな」

ティグレ:

「じゃあボニファーツさんが帽子から人間に戻るかもしれないってこと?」

ロール:

「あのジーサンに聞くのが早そうやけど、下手したら禁忌で死ぬんよね」

ティグレ:

「うん、マッディさんクーぐらい常識あっていい人だし」

ロール:

「現実世界でボニファーツを延命させる使命がどっかに残っとったんやろか」

ティグレ:

「現実世界のことを覚えてたってこと?」

ロール:

「ウチらみたいにちょっと禁忌に触れた記憶があったとかかなぁ」

ティグレ:

「そっかあ怖かったろうね」

ロール:

「あれマジでヤバイからなぁ。本当に死ぬ感じがするし」

ティグレ:

「ティグレたくさんクラクラしたからわかる」

ロール:

「まあサヤの自分喰いは何とかしよう。んで問題はそっから先や」

ティグレ:

「うん」

ティグレ:

「ティグレは現実世界を目指す」

ロール:

「何か手があるんか?」

ティグレ:

「わかんないだからみんなで探したい」

ティグレ:

「ヨハンは世界を壊せば向こうから出してくれるって言ってたけどそれじゃ駄目だし」

ロール:

「そういや現実世界のティグレめっちゃ頭の回転早かったけど、こっちは勝手が違うんか?」

ティグレ:

「うん、ぼんやりする感じ、でも前より考えるの上手くなった」

ティグレ:

「ロールはなにか変わった?」

ロール:

「うちはなーんも変わらんな~」

ティグレ:

「えへへっそうだね!」

ティグレ:

「ねえロール」

ロール:

「なんや」

ティグレ:

「現実世界のティグレはロールがぴったりな感じで好きだったんだ」

ティグレ:

「こっちでも好きだよ」

ロール:

「ティグレのけっこうワイルドなトコうちも好きやで~」

ティグレ:

「現実世界に出たらティグレはやらなきゃならないことがたくさんある」

ティグレ:

「一緒に現実世界に出て戦ってくれない?」

ロール:

「もちろんや!よろしくなティグレ」

ティグレ:

「えへへ!よろしくロール!!」

GM:

場所は変わり、実験の世界某実験場某所

イラスト

GM:

オーベは一人、自身の姿形をした死体に対して検査を行っていた

GM:

現実を思い出したオーベであるが、その内情は・・・

オーベ= 
エリクション:

「トカゲ・・・何故私のイメージはトカゲなのだろうか?」

オーベ= 
エリクション:

ただの複雑な思いを引きづっているだけであった。死後(いや死んでいるのかわからないが)、今まで記憶が無かった事もあり、思い出して時間ができたからにはそこを突っ込まずにはいられなかったのである

オーベ= 
エリクション:

「いやまあ、ティグレのイメージなのだからティグレにしか分からないだろうが・・・」

オーベ= 
エリクション:

「・・・」

オーベ= 
エリクション:

「・・・」

オーベ= 
エリクション:

「これを考えるのはよそう。」

オーベ= 
エリクション:

「しかし、帽子世界のシステムか・・・中々舐めた真似をしてくれたものだ、奴らは」

オーベ= 
エリクション:

ここで復習をしておく。この帽子世界のシステムとして現在分かっている事は、

オーベ= 
エリクション:

1.マザープログラムは現実と仮想世界を繋げるハブ機能を持つ

オーベ= 
エリクション:

2.ハブは接続元となるマザープログラムがその個体をイメージした生き物の人形を模した空間を作る

オーベ= 
エリクション:

3.現実の記憶を完全に取り戻した人形は仮想世界の接続から外され、再接続の際に現実の記憶は消去される

オーベ= 
エリクション:

4.マザープログラムは現実世界の姿をしていて、その意識と記憶はスパコン「フェザント」が帽子となって管理している

オーベ= 
エリクション:

5.マザープログラムの帽子が外れるとフェザントの制御から外れ、マザープログラムの意識と記憶が戻る

オーベ= 
エリクション:

そしてマザープログラムはティグレであったという事だ。知覚領域の帽子世界(現在の帽子世界)にいる間、ティグレは強制的に思考能力を奪われ、いわゆるおバカキャラの如く様子になる。実在領域の帽子世界(人形が転がっている帽子世界)においては、更に思考が奪われ、自身の意思による行動はほぼ無理な状態である。

GM:

オーベは更にヨハンの事も思い出す

オーベ= 
エリクション:

「そういえば・・・ヨハンはヨハンでその存在の謎が解けないな・・・」

オーベ= 
エリクション:

ヨハンは、本人曰く再接続でできた死体を蘇生させる技術と関わりのある存在らしい。しかし、ヨハンは帽子世界そのものに対して反逆を試みている。つまり帽子世界を破壊しようとしているのだ。

オーベ= 
エリクション:

「ヨハンは・・・他の人間を考えた反逆であるならば手伝う事も考えたのだがな・・・しかし周りに被害を出すのは禁物だ。被害は敵を除いてなるべく全て自己完結するようにしなければ・・・」

オーベ= 
エリクション:

「全ては各々の自由意志を尊重すべきだ。生も死すらも。もし強制するような事があればそれは許されない事だ。・・・00189がそうか、どうにかせねばな・・・」思考が飛びかかる

オーベ= 
エリクション:

「取り敢えず、00189の処理とヨハンの凶行の阻止、そして現実世界の奴らに目にものを言わせる事、これが当面の目標になるだろうか」すこし思考が危険になってきている

GM:

その時、オーベの元に連絡が届いた

研究者A:

「オーベ、00189を封印している封印の鍵が全て集まったぞ」

オーベ= 
エリクション:

「そうか、やっと集まったか。では、準備が整い次第、処分を決行するとしよう」

研究者A:

「分かった。場所は確保しておこう」

オーベ= 
エリクション:

「ああ、助かる」

オーベ= 
エリクション:

そうしてオーベは・・・そのまま死体の検査を続けるのだった。オーベ、仕事は先にこなそう。

GM:

そんな感じで実験の世界の研究室にいるオーベの所へサヤが訪ねてきました

イラスト

サヤ:

訪れたらなんか案内されるのかしら?

オーベ= 
エリクション:

多分研究員に転送装置的な物に通されて行けるはず。余り中のシステム考えて無かった事が今発覚した

サヤ:

おk

サヤ:

では転送装置でオーべがいる部屋へゴー

サヤ:

「おっすおっす!死体取りに来たよ!!」

オーベ= 
エリクション:

「・・・む?サヤか。よくきてくれた」

オーベ= 
エリクション:

「という事はサヤは死体をサヤが回収するという事でいいのだな?」

サヤ:

「うん。だって自分の死体でしょ?めっちゃほしい」

オーベ= 
エリクション:

「前の前の死体はどうする?・・・すでに少々弄ってしまったのだが・・・」

サヤ:

「もちろんもらってく」

オーベ= 
エリクション:

「分かった」

オーベ= 
エリクション:

では譲渡します

サヤ:

「つか、すでに死体いじってんの?普通にひく」死体を引き取りながら

オーベ= 
エリクション:

「検死は大切だろう?」謎の説得文

サヤ:

「検死してみて気付いたこととかあった?」

オーベ= 
エリクション:

「いや・・・中々難しいものだな。最初の死体を甦らせる研究をしていたが、まだ成果が出たとは言い難い」

サヤ:

「死体を蘇らせる、かあ」

オーベ= 
エリクション:

「そういえば話したか?ヨハンの存在について知るならその蘇生について知る必要があるらしいぞ」

サヤ:

「聞いた気がする」

サヤ:

「完璧な死体の蘇生が鍵だとかどうとか」

オーベ= 
エリクション:

「しかし脳は一つなのに対し同等の存在の姿形をした者二体・・・いや、前提からして間違えている可能性が・・・」ぶつぶつと

サヤ:

「そうだよね。私の死体2つあるし、今の体3体目だよね」

サヤ:

「めっちゃウケる」

オーベ= 
エリクション:

「・・・サヤの死体が一番多いからな。研究対象としては最も興味深いが・・・やはり本人の同意が得られない以上諦めるしかあるまい・・・」それでも少し無念そう

サヤ:

「この世界の肉体って単なるイメージなのかもね。よく知らんけど」

オーベ= 
エリクション:

「かもしれないな。そういえば、サヤは現実でも自殺を試みたという話だったな?」

サヤ:

「あーうん」

サヤ:

「そのへんはまあ、どうでもいいかな」

オーベ= 
エリクション:

「まあ、どうでも良いは良いな。今になっては昔の事なのだから。しかしまあ、興味深くはある。死を望む事が自身では経験した事ではないからな。」

サヤ:

「自殺する人の心理ってのは自殺する人にしかわかんないと思うんだよね」

サヤ:

「知ってもあんま面白くないと思うよ」

オーベ= 
エリクション:

「そうなのか?一度聞いてみようかと思っていたのだが・・・」

サヤ:

「あーそういうことなら私見を述べておこうかな」

オーベ= 
エリクション:

「是非お願いしよう」

サヤ:

「本気で死ぬことを考えるまで行くと、周りのことなんて考える余裕ないから」

サヤ:

「止めても無駄ってこと」

オーベ= 
エリクション:

「ほう」

オーベ= 
エリクション:

「まあ、私も自己完結の範囲であれば自殺は構わないと思うが・・・世間的には止める者も多いからな。サヤもかなり煩わしかったのではないか?」

オーベ= 
エリクション:

オーベが世間を語る不思議

サヤ:

ww

サヤ:

「死のうと思ってる人は判断力がおかしくなってるとか言われがちだけど」

サヤ:

「私は思うの。自分が死ぬことが最善であるという結論に達しただけなんじゃないかって」

オーベ= 
エリクション:

「なるほどな」

オーベ= 
エリクション:

「私が思うに、判断力が可笑しくなっていると言う者にとっては、自分は可笑しくなっていないから大丈夫という安心感を得たいのではないだろうか。自分と似ている部分を感じ取って、自分と相手が全く異なる存在であると定義付けて安心したいのだと」

サヤ:

「あーたしかに。死にたい気分であるとか理由とかには、できるなら永遠に無理解でいたいものね」

サヤ:

「自分と違うことで安心ってのはあるかもねー」

オーベ= 
エリクション:

「理解を自ら妨げるとは・・・不思議なものだ・・・」

オーベ= 
エリクション:

「殻にこもって現実を見れなくなるのはこれまた問題だと思うのだがな・・・」

サヤ:

「知りたくないのは怖いからでしょ」

オーベ= 
エリクション:

「ほう?」

サヤ:

「真実を知ることで傷つくから、目をそらし続けるわけよ」

オーベ= 
エリクション:

「ふむ、なるほど・・・」

サヤ:

「現実逃避ってやつ」

サヤ:

「私は別に真実を知ってもなんのダメージもなかったわー」

オーベ= 
エリクション:

「同感だ」

オーベ= 
エリクション:

「つまり・・・帽子世界へ人を組み込むの時に記憶を消すのは強制的に現実逃避させ、傷つく事から目を逸らさせたかったから・・・色々とつながる話だな・・・」・・・無理矢理すぎるか?

サヤ:

「そういうこと……だと思う」

サヤ:

「ハクヨウが現実の記憶を消したがるのもそういう側面があると思う」

オーベ= 
エリクション:

「優しさが束縛を生むか・・・優しさなのかは知らないがな(ニヤリ)」おい

サヤ:

「優しさという理由でコーティングしとけばだいたいの場合騙せるからね」

サヤ:

「便利だよ、優しさ」

オーベ= 
エリクション:

「便利だな。人が見たい物でコーティングすれば大抵信じて貰えるようになる。その結果は言わずもがなだが」

サヤ:

「やっぱりこの世界は嘘の優しさで出来た世界だよね」

サヤ:

「オーべはどう?この世界にとどまるつもりはある?」

オーベ= 
エリクション:

「私か?私は実験の管理人。試せる事は試す。この世界に束縛され続けるのは我慢ならん。行き来するのならいいとしても飼われ続ける言われなど無いからな。」

オーベ= 
エリクション:

「そういうサヤは・・・と思ったが、サヤはそこまで心配する必要も無いか」

サヤ:

「私は別にやりたいことはないんだけどね」

サヤ:

「自分の生死は自分で決めたいだけ」

オーベ= 
エリクション:

「なるほど・・・やはり生死を自分で決められるのはその人自身にとって最良と言えるのだろうな」

サヤ:

「その点で私はボニファーツに同情してる。まあ、クリオネになりたいって言ってたから願いは叶ったみたいだけど」

オーベ= 
エリクション:

「・・・」苦笑するしかねえw

オーベ= 
エリクション:

「まあ、叶ったのだろうな(洗脳完了)」

オーベ= 
エリクション:

「後はもう一つの願い」

オーベ= 
エリクション:

「自然の死を与えてやるのみか?」

サヤ:

「人間として死にたいって言ってたしねー」

サヤ:

「現実世界に戻るとして、方法はあるのかな」

サヤ:

「ヨハンの正体も気になるところ」

オーベ= 
エリクション:

「体があるかどうかだが・・・今は分からないからな」

オーベ= 
エリクション:

「ヨハンは・・・それこそ謎だな。研究が早く進めば良いのだが」

サヤ:

「ヨハンは死体の蘇生が関係あるんだっけ?」

オーベ= 
エリクション:

「ああ、本人の話だがな」

サヤ:

「つか、ヨハンこそが蘇生された死体なんじゃない?」

オーベ= 
エリクション:

「それは考えている。しかしまだ確かめる手段が無いのだよ・・・」

サヤ:

「ヨハン人形なかったってティグレちゃん言ってたし」

サヤ:

「まあ現時点では予想することしかできないねー」

オーベ= 
エリクション:

「人形は全てティグレが相手を認識した時の印象に基づく。だからヨハンと同じ存在がいるのならヨハン人形は存在しそうなものなのだがな・・・」

サヤ:

オーべ死体を見て「蘇りそうにないよな……」

オーベ= 
エリクション:

「ああ・・・まだ無理だろうな」

オーベ= 
エリクション:

「まあ、まだ検査しかしてないのだが」

サヤ:

「うーん、現実世界に戻る方法はどうだろ」

サヤ:

「これに関してもヨハンがなんかしてくる可能性あるよな・・・」

オーベ= 
エリクション:

「明らかに壊しに来るだろうからな」

サヤ:

「方向性としてはハクヨウ……フェザントを味方につけるって感じかなあ」

サヤ:

「あいつプログラムされたことしか出来ないらしいけど」

オーベ= 
エリクション:

「ハクヨウ、フェザントはシステムの維持が目的。少なくともヨハンとは敵対するだろうが・・・しかしながら我々と敵対しないかも疑問に残る」

サヤ:

「いや」

サヤ:

「それは多分大丈夫……やりようはありそうな気がする」

オーベ= 
エリクション:

「ほう?」

サヤ:

「フェザントには心がない」

サヤ:

「であるなら心を学習させればいい。そばにはティグレちゃんがいる」

サヤ:

「こんなに都合のいいことはないよ」

オーベ= 
エリクション:

「・・・ほう」

オーベ= 
エリクション:

「なるほど・・・しかし心の学習か・・・」

サヤ:

「まあ、外の世界からコントロールされてるなら無理なんだけどね」

オーベ= 
エリクション:

「いや、しかしその発想は無かったな。試す価値はあるのではないか?」

サヤ:

「戻れる方法につながるかどうかはわからんけど、味方にしときたいよね」

オーベ= 
エリクション:

「そうだな。」

オーベ= 
エリクション:

「そういえばサヤ。」露骨に話を変える。他意はない。そういうのがオーベなだけ。

オーベ= 
エリクション:

「クーが現実の事を思い出して少々不安定になっているように見える。めんどくさいだろうが、サヤはクーと仲が良かろう?見に行ってやってくれないだろうか?」

オーベ= 
エリクション:

言い方w

サヤ:

「あー露骨にナーバスになってるよね」

サヤ:

「心配ではあるんだけど私がどうにか出来ることなのかね」

オーベ= 
エリクション:

「まあ、サヤが話し相手になってやれば単純っぽいクーなら立ち直るのではないか?」

サヤ:

「クーちゃん単純なのかなあ。よくわかんないなあ」

サヤ:

「まあ顔見に行ってみるわ」

オーベ= 
エリクション:

「サヤの方が逆に叱られるかもしれないが(ニヤリ)」おい^2

サヤ:

「叱られるのか。めっちゃ面白そう」

オーベ= 
エリクション:

サヤをいじろうとたくらむオーベ。失敗!

サヤ:

「それじゃそろそろ御暇しますかね」

オーベ= 
エリクション:

「ああ、わかった。ターミナルまで送ろう」

サヤ:

「……死体2つもいっぺんに持って帰れねえよ」

サヤ:

「視界の世界まで運ぶの手伝ってー」

オーベ= 
エリクション:

「ふむ・・・やはり私が視界の世界まで運んでおこう」

サヤ:

「運んでくれるならありがてえよろしく!」

オーベ= 
エリクション:

「場所だけは教えておいてくれ」

オーベ= 
エリクション:

とまあそんな感じで運びましょうか

GM:

では場面は静寂の世界に変わります。

GM:

クーは静寂の世界に一人帰ってきました。ターミナルは夜の屋上の上にあり、今はひと気がありません。

イラスト

クー:

「……いったい私はどうすればいいんだ」

クー:

「この世界が、全部夢だった、など」

クー:

「こんなこと、知らないほうが幸せだったに違いない。だけどもう知ってしまった以上……」

クー:

「ハクヨウに頼んで記憶を消してもらうという手もあるが。しかし、それは、今までやってきたことを全部投げだしてしまうことになる……」

クー:

「しかし……だけれども……やっぱり……あああ……」

クー:

「考えがまとまらん。少し歩くか」

GM:

静寂の世界のメインストリートを、てくてくと歩きながら考えます。

クー:

(夢……全部夢か。この道も、この明かりも、あのデコイも、この世界も……)

ゴトー:

「あっ、クー様! お久しぶりです!」

クー:

「ギャーーー!!」

ゴトー:

「どうしたんですか、お化けにでもあったような顔をして」

クー:

「いや実際…………!(オバケみたいなもんだろう、と言おうとして)」

クー:

(いや、ハクヨウは帽子世界の住民に危害を与えた場合と言っていた。ゴトーはデコイだが、もしかすると彼に情報を漏らしても判定にあたるかもしれない……)

クー:

(というか、ゴトーは大切な私の世界の住民だ。やはり不憫な目や嫌な目には合わせたくない。絶対にだ)

ゴトー:

「? どうしたんですか、一人でブツブツと」

クー:

「い、いや、なんでもない! 今日はいい天気だな!」

ゴトー:

「いい天気?」(夜空を見上げる)

クー:

「い……いや、ものの例えだ。なんでもない。なんでもない。本当に」

ゴトー:

「また、しばらく静寂の世界を空けていましたね。 例の人たちと、外の世界に行ってたんですか?」

クー:

「外の世界?!」(ほぼ悲鳴)

ゴトー:

「どうしました? 実験の世界とか、視界の世界に行ってたんでしょう?」

クー:

「あ、ああ。なんだ。そういう意味か。そうだ、いろんな世界に行っていたよ」

ゴトー:

「クー様、どうかしたんですか? なんだか様子がおかしいですよ」

クー:

「む……まぁ、こちらにも事情がいろいろとあってな。いろんなことがあって疲れたんだ」

クー:

「今日は早めに休ませてもらうとするよ」

ゴトー:

「それが良いでしょう。何かできることがあれば、いつでも呼んでくださいね」

クー:

「ああ。ありがとう」

GM:

去って行くゴトーを見ながら

クー:

(ゴトーはいいやつだな。デコイなのに。だけど、それもこれも、全部夢か……)

GM:

しばらく進むと、レイン通りに入ります

GM:

雨が降ってきましたが、クーは気にする様子がありません。

クー:

(どうせ夢だし……)

クー:

「……へっくち!」

クー:

「やっぱ寒いわ。どうなってんだこれ」

クー:

「かえろ」

クー:

「ホームに帰ってあったかい紅茶でも入れて、ふて寝しよう」

クー:

「寝て起きたら、全部夢だったらいいのに」

クー:

(……というか)

クー:

(前々から思っていたのだが、私はどうにも口が軽すぎるな)

クー:

(このままだと、うっかり帽子世界の秘密をしゃべって、ハクヨウに記憶を消されかねん)

クー:

(どうすればいいのか……)

GM:

降りしきる雨を見つめながら、クーは思いつきました。

クー:

(……そうだ)

クー:

(帽子世界を静寂で満たすのが、私の前からの夢だった)

クー:

(今その夢を、少しだけ叶えてみよう)

クー:

(たぶん……この辺を……こういじって……そう、こんな感じ)

GM:

雨の音だけが降り続いていましたが、やがてその音も消えました

GM:

雨の音も、風の音も、メインストリートを走る車の音も、靴音すらも聞こえません

GM:

静寂の世界は、本当に静寂の世界になりました。

クー:

(……よし。これだ。これでいい)

GM:

クーがホームに帰る途中、メインストリートの若者たちが、慌てたように、音が聞こえないと身振り手振りをしています

GM:

ホームのビルの、屋上に向かうエレベーターの音も聞こえません

GM:

クーは部屋に戻ってくると、紅茶を淹れ始めました。注ぐ音もカップの音も聞こえません。クーは紅茶を飲みながら、ゆっくりと思索にふけることができました。

クー:

(まずは、ヨハンのことだ)

クー:

(サヤから聞いた話をまとめると、恐らくヨハンは外の世界のことを知っていて、そしてこの世界を壊そうとしているんだ)

クー:

(気持ちはわからんでもないが、それは何としても止めなければ)

クー:

(現に、この世界で私は生きているし、ここで生きているものが他にもいっぱいいる)

クー:

(現状、何をどうすればいいのかはわからないが、私としては穏やかな方法で行きたいね)

クー:

(次に、現実世界のこと……というか、思い出した、本当の私のことだ)

クー:

(……)

クー:

(荒れてたなぁ、私……なんだか恥ずかしいぞ)

クー:

(いや、あの治安の悪い音楽界を一人で生きていくには、あのぐらいのキャラ付けしなければ行けなかったとはいえ)

クー:

(あと、なんか変なのにもいっぱい絡まれたし)

クー:

(私も少しは丸くなったということか)

クー:

(次に、ボニファーツのおっさんのことだが……)

クー:

(…………正直、人間が帽子になるとか、よくわからんな……)

クー:

(そもそも管理人が帽子になったらどうなるんだ。非現実的だ。何かの間違いじゃないのか)

クー:

(……いや、でもこの帽子の目玉、たまにギョロギョロ動いてるんだよな……)

クー:

(それに、私の目標は、ボニファーツのオッサンを『人間のまま』死なせてやることだったんだ。帽子になったら、その目標は果たせないじゃないか)

クー:

(それに、マッディ博士が、あの工場で話してたのを考えると。ボニファーツのオッサンは、もう……)

クー:

(…………なんだか気分が悪くなってきた。私の頭の上にあるものは一体何なんだ)

クー:

(それに、ボニファーツのオッサンがいないのなら、私が貰うはずの金が……)

クー:

(金……)

クー:

(……エレン)

クー:

「そうだ。 ……どうして、エレンが帽子世界にいるんだ」

クー:

「なんであの子がいるんだ。あの子は交通事故で重傷を負って、病院にいるはずだぞ」

クー:

「帽子世界にいるのだとしたら、それは、つまり……!」

エレン:

「こーーーんばーーーんわーーー!!!」

イラスト

クー:

「ギャーーーー!!!!!」

エレン:

「ちょっとクー! 何してるの! 静寂の世界に音がなくなっちゃったじゃん!」

エレン:

「また悪いこと考えてるでしょ!!」

クー:

「ちょっ、まっ、 お前どこから聞いてた!?」

エレン:

「え? 何のこと? ここのドア厚いし、めっちゃ音響かないから何にも聞こえなかったけど……」

エレン:

「なんかしてたの?」

クー:

「な、なんでもない。なんでもないんだ。ぜーはーぜーはー」

クー:

「とにかく、お前は帰れ」

エレン:

「えー! 今きたとこなのに!」

クー:

「私の傍に寄るな!!」

エレン:

「あっ素敵! そういうの小説で読んだことある!!」

エレン:

「『俺のことを心配してくれ』って意味でしょ?」

クー:

「だぁ!ちーがーうー!」

エレン:

「誘拐、拒絶、思いを寄せ合うけどすれ違う二人……!」

クー:

「お前普段どんな本読んでるんだよ!?」

エレン:

「深手を負ったヒーローに献身的な治療を行うヒロイン……」

クー:

「お前の監禁ごっこに付き合うつもりはないからな! そうやって以前から、いつもいつもストーカーを……」

クー:

「それだからお前は車に……」

エレン:

「ん? 何の話?」

クー:

「く……車に……車に乗るのが上手だなエレンは!!」

エレン:

「えへへ~~」

クー:

「……とにかく」

クー:

「静寂の世界は、しばらくこのままにしておく」

エレン:

「え~~~どうして?」

クー:

「あと……エレンは、しばらくこの世界にいてくれ。他の世界は危険だ」

エレン:

「きゃーーー!!」

エレン:

「ついに、クーの口から直々に監禁台詞が……」

クー:

「……ほんとに閉じ込めてもいいんだぞ」

エレン:

「きゃーーー! やったーーー!! わーーーい!!!」

クー:

「えええ……」

エレン:

「あと、他に何してほしい?」

クー:

「え……えええ……」

クー:

「そうだな……自分を大事にして欲しい」

エレン:

「?」

クー:

「いいか、自分を犠牲にして他人を守るなんて、絶対にやるなよ。助けられた方だってつらいんだからな」

クー:

「自己犠牲は美徳じゃないからな、わかったな」

エレン:

「んー何の話か分からないけど」

エレン:

「それは、クーもそうじゃない?」

クー:

「……!」

エレン:

「クーって、いっつも一人で全部ため込んじゃうからさ。もっと頼ってくれてもいいんだよ?」

エレン:

「……なーんて」

クー:

「……ありがとう」

エレン:

「なーんて……って、お礼言われた!? マジで!? あのクーが!?」

クー:

「お前は私を何だと思ってるんだ」

エレン:

「あと、なんか喋り方変わった?」

クー:

「……気のせいだ」

エレン:

「ふーん

エレン:

「まぁいいか。……管理人には、私にはわからない悩みとかあるんだろうしねー」

エレン:

「世界のことは多めに見てあげるよ! カップ割っても、音が鳴らないの面白いしね」

クー:

「割ったのか」

エレン:

「~~~♪」(知らんぷり)

エレン:

「あ、そうだ。最初の目的思い出した!」

エレン:

「山小屋覚えてる?」

エレン:

「あそこにね、プリンが1個残ってたの」

クー:

「……いやな予感がする」

エレン:

「だから、持って来たよ!はい!」

クー:

「いや待て、それいつのだよ!!」

エレン:

「チョコプリンだよ、きっと」

クー:

「絶対違うだろ!」

エレン:

「じゃあね~~~」

クー:

「おい待て!! こんなものを置いていくな!!」

クー:

「エレン!!」

GM:

部屋には、いつのかわからない茶色いプリンと、クーが残されたのでした。

クー:

「ヤバい匂いがする……」

クー:

現実世界のことで悩みがいっぱいだったクーだが、ここにきて悩みがもう1つ爆誕した。エレンが持って来たチョコプリンである

クー:

「…………どうしようこれ……」

サヤ:

じゃあそのあたりでサヤが訪ねてくる

イラスト

サヤ:

「こんばんはー」

サヤ:

「なんなのこの世界めっちゃ静かなんですけど」

クー:

「うわっ! サヤじゃないか」

クー:

「よく来たな。ああ、静かなのは、私がちょっといじくったからだ」

クー:

「失言が多すぎるから、黙っておこうと思ってな」

サヤ:

「うーん?失言?」

クー:

「うっかり、外の世界のことを漏らしかねないということだよ」

クー:

「さっきも、デコイやエレンと喋ったんだが、ちょっと危うかった」

サヤ:

「あーやらかしたら一発アウトだね」

サヤ:

「っていうかわりと元気そう?」

サヤ:

「心配になったから一応顔見に来たけど」

クー:

「心配? 私はそんなに元気がなさそうに見えたか?」

サヤ:

「問題ないのなら別にいいんだけど」

サヤ:

「なんか思いつめてたし混乱してたし」

サヤ:

「解決したならそれでいいんだ」

クー:

「正直、ショックすぎてもう何もしたくないんだが」

クー:

「そうも言ってられないことに気づいてな。みんな頑張ってるんだ。私も頑張らないと」

クー:

「……というか、皆が気にしなさすぎだと思うぞ、私は!」

サヤ:

「クーちゃんが気にしすぎなのでは?」

クー:

「気にしすぎ……だろうか……?」

クー:

「いや、だって、今まで信じてきたものが、全部作られた記憶だったり、消された記憶だったりしたんだぞ」

クー:

「気にもするわ」

サヤ:

「うーん、やっぱ考えること全然違うなクーちゃんは」

サヤ:

「まあここで私の意見は言わないでおくよ」

サヤ:

「で? 信じてきたものが偽物で、どう思ったのさ」

クー:

「無力感というか、虚しいというか……」

クー:

「今見ているものも、なんだか信じられなくなってきたよ。生きている実感がわかなくてな」

クー:

「まぁ実際生きてないのかもしれないがな。ははは」

サヤ:

「本当に死んでるなら多分この世界にもいないはずだけどね」

サヤ:

「まあとにかく」

サヤ:

「クーちゃんにとって真実は受け入れがたいものだったってこと?」

クー:

「受け入れ難いな……どうすればいいかが、全くわからない」

サヤ:

「……」

サヤ:

「受け入れるのは辛いことかな」

クー:

「辛くないのか?」

サヤ:

「あ、やっとわかった。あなたと私とでは見てるものが違う」

サヤ:

「まあ、それは置いておくか」

サヤ:

「クーちゃんにとっていちばん大切なものって何?」

クー:

「難しいことを聞くな」

クー:

「記憶を取り戻すまでだったら、それは金だった」

クー:

「あと静寂」

クー:

「でも今は……」

クー:

「なんだろう。私が今一番大事なものは。わからない」

クー:

「サヤにとって、一番大切なものはなんだ?」

サヤ:

「……私のことは取り敢えずどうでもいいの」

サヤ:

「クーちゃんの話聞いて、私なんとなくわかっちゃった」

サヤ:

「聞いとく?」

クー:

「聞きたいな」

サヤ:

「クーちゃんはね、自分が傷つくことが怖いんだよ」

サヤ:

「自分が傷つくから現実世界であったことを受け入れられない」

サヤ:

「違う?」

クー:

「そうだな……」

クー:

「私はもちろん、他人が傷つくことが怖いが」

クー:

「それ以上に、自分が傷つくことも怖い」

サヤ:

「あーそれ他人が傷つくのが怖いんじゃないよ。他人が傷つくのを見た自分が傷つくのが怖いんだよ」

サヤ:

「私が別に死んでもいいとか言ってたときクーちゃんは反対してたけど」

サヤ:

「私が死んだら自分が傷つくから反対してたんでしょう?」

サヤ:

「私のことを考えてたわけじゃないよね」

クー:

「……」

サヤ:

「海で話をしたとき、殺さなければ大事なものを守れない場合は殺さないの?って聞いたじゃん?」

サヤ:

「そんときクーちゃんは、後悔とか罪悪感を感じるのが嫌だって言ってよね」

サヤ:

「護るべき相手のことは考えないのかな」

サヤ:

「今クーちゃんが護るべき相手は誰なのかな?自分?」

クー:

「守るべき相手か」

サヤ:

「……エレンじゃないの?」

クー:

「違うね」

クー:

「私はエレンを守れなかったんだよ」

サヤ:

「エレンは死んでないでしょ?なんで諦めてんの!?」

クー:

「私は……諦めてなんかないぞ」

クー:

「だけど、どうすればいいかわからないだけなんだ」

サヤ:

「具体的な方法なんて誰もわかるかよ。これから探すしかないだろ」

サヤ:

「もう一度聞く。お前が一番大切なものはなんだ」

クー:

「私が一番大切なものは……」

クー:

「自分だ。 申し訳ないが、私が一番大事なものは自分だ」

クー:

「仲間が傷つくのを見るのは怖いし恐ろしい。それは、私が『仲間が傷ついている』処見て傷つくのが恐ろしいからだ」

クー:

「それは何かおかしいことか?」

サヤ:

「そうか。ではハクヨウに記憶を消してもらえ。それがお前にとって一番の幸福だ」

サヤ:

「怖いのなら無理に現実を見なくてもいい」

サヤ:

「帽子世界で楽しく生きろよ」

クー:

「ええい、私の幸福を決めつけるな」

クー:

「いつも言ってるくせに、その態度は何なんだ」

サヤ:

「あ、ごめん。ダブスタだったね」

サヤ:

「でも現実受け入れられないなら記憶消したほうよくない?」

クー:

「記憶のことは、もういいんだ。もう十分傷ついた」

クー:

「もし記憶を消してしまったら、もう一度思い出したときに、また傷ついてしまうことになるだろう」

クー:

「もう受け入れて進むしかない。もう終わったことだ」

サヤ:

「そう。まあ自分が一番大事なら、私から言うことはもうないかな」

クー:

「自分を大事にできないものは、他人を大事にすることもできないよ」

クー:

「だから、私はこれでいいんだ」

サヤ:

「うーん、そう」

サヤ:

「だったらもういいかな?」

サヤ:

「心配してたけど大丈夫そうだしね」

クー:

「ああ。少し話せて楽になった。解決とは程遠いがな」

サヤ:

「私が解決できる問題じゃなかったね。余計なお世話だった。ごめんねー」

クー:

「誰にもこの解決は無理だと思うよ」

クー:

「というか、人に話したぐらいで解決してたまるか、こんな重大な問題」

サヤ:

「じゃあ一生抱えてな」

サヤ:

「それじゃーねー」去ります

クー:

「ああ、じゃあな」

クー:

「……」

クー:

「いや、何か大事な話を忘れているような……」

クー:

「ああ、そうだ、思い出した! サヤ、ちょっと待て!!」 追いかけます

サヤ:

「あ?なんだよ」

クー:

「自分喰い……自分喰いの話だ。アレはどうなったんだ」

サヤ:

「知らん」

クー:

「っていうか、アレをすると、自分喰いの出現率が高まるって話なんだろう?」

クー:

「私の帽子はどうなってるんだ。っていうか、この帽子がボニファーツだっていうのはどういうことなんだ!?」

サヤ:

「再接続すると自分喰いのリスクが高まるってことらしいけど」

サヤ:

「他の人は大丈夫っぽいよ」

クー:

「そ、そうなのか……」

サヤ:

「本当の帽子世界とやらにアクセスした方法が私と他のみんなとでは違うからね」

サヤ:

「まあ以前から私の価値観は上がったり下がったりしてたし」

サヤ:

「日々の積み重ねとかあるんじゃね?」

クー:

「むむ、なるほど。サヤが一番危険な状況にあるわけなのは、変わりないわけか……」

サヤ:

「その帽子がボニファーツである理由は……知らんけど、帽子がクーを選んだんだろきっと」

クー:

「……現実世界でも話したな。ボニファーツのオッサンは、どうなったんだろう」

サヤ:

「脳だけになってるだろうね」

サヤ:

「それでも生きてる」

クー:

「はぁ……私は無力だな……」

クー:

「アレだけ約束しておいて、このザマか……」

サヤ:

「どうにか出来る手立てを探したりする気はないの?」

クー:

「何言ってるんだ、探すに決まってるだろう!どうにかする」

サヤ:

「じゃあ無力じゃないじゃん」

クー:

「なんか……方法はわからないが……とにかく、人間が帽子になるなら、帽子が人間になってもいい筈だ」

クー:

「そうだ。私にはまだ、何かやれることがあるはずだ」

サヤ:

「全然無力じゃないじゃんか……」

クー:

「ふふん、私はいずれ音楽界に名前を刻むアーティスト…… いまは一介の静寂の管理人だ」

クー:

「こうしてはいられない。早く何か行動しなければ」

クー:

「紅茶飲んでる場合じゃなかった。プリンはどうにかしておこう」

クー:

「サヤ、ありがとう。なんかわからんけどやる気が出てきたよ」

サヤ:

「ああそう?ならよかった。別に何もしてないけど」

サヤ:

「じゃあ今度こそ帰るわ」

サヤ:

「じゃあねー」

クー:

「うむ。気を付けて帰れよ!」

GM:

五人がそれぞれ別れた後、ラウドくんにメッセージが届きました

GM:

メッセージ内容はオーベからどうぞ

オーベ= 
エリクション:

はい

オーベ= 
エリクション:

件名:00189

やあ、突然済まないな。
実はやっとの事で00189を封印している鍵を集め終わったのだが・・・私だけでは厄介過ぎて倒せないと思うのだよ。だから皆には手伝って貰いたいのだが、直ぐに来てもらえるだろうか?ああ、当然報酬も用意しよう。後、危険度は相当高いから、サヤの自分喰いと戦う練習になるかもしれないぞ?(笑)

オーベ= 
エリクション:

はい、舐めたメールの如く文が届きましたね

ロール:

「な、なんやろこれ・・・」

クー:

なんかこういうクエスト文ありそう

ティグレ:

「なんかオーベ楽しそう」

オーベ= 
エリクション:

あ、グランマは参戦してくれるのだろうか・・・

GM:

まあラウド君持ってるからグランマも知ることにはなると思うけど

GM:

たぶん今はシルヴィアと合流してる所だから参戦は無理かな

オーベ= 
エリクション:

シルヴィアと合流中か~・・・

オーベ= 
エリクション:

残念だな、難易度下がるかと期待したのに

クー:

「やれやれ、またオーベの世界で厄介事か」

サヤ:

「またかよ」

オーベ= 
エリクション:

まただよ。継続してた問題だけど

クー:

始祖……いったい、何者なんだ!

ロール:

「しょ~がないな~実験の世界行ってみるか」

サヤ:

「練習になるらしいよ」

ティグレ:

「腕試しだ」

クー:

「仕方がない、行くとするか」

GM:

そんな感じで四人はオーベの待つ実験の世界へと向かうのであった

GM:

ってことで14話はこれにて終了!おつかれさまでした~

ティグレ:

おつ~

クー:

お疲れ様でした

オーベ= 
エリクション:

お疲れ様でした~

サヤ:

おつ

オーベからメッセージを受け取り、実験の世界へ向かう4人。
果たしてオーベの世界で何が起こったのか、続きは次回!