百合語り~後編~
2018/06/17
前回は百合という言葉の遷移をネタにしました。
で、今回はえぬが考える百合を語りたいと思います。
「友情・家族愛だと説明できない女同士の関係性は百合である」
…と個人的に思ってます。
友情だとハッキリ言えるもんは友情でいいんじゃないかなぁと。
友情は友情以外のなにものでもないんだから、友情を百合という言葉に置き換えてもしょうがない。友情には友情の良さがあり、魅力があるのだから。
もちろんあくまで個人の考えなので誰かに押し付けるつもりはありません。
ほんでね。
友情だとハッキリ言えない要素っていうのが百合の正体になるわけでしょ。
このあやふやな部分こそが魅力的なんです。
あやふやであればあるほど良い。それが何なのか知りたくなるから。
愛か恋か共依存か執着心か、気になるじゃないですか。
はっきりと友情や家族愛だと分かっているものは、友情や家族愛の魅力であって百合のラベルを付けたところで本質は何も変わらないと思うんです。
例えば。
「親友に好きな男の子ができた。ショックだった。親友の一番好きって気持ちは私に向けてほしい」
これが友情だと説明できるのかどうか。
友情にしては少し重い気がするけど、単に独占欲が強いだけかもしれない。
えぬ的にこれは友情と説明できない「何か」があるから百合と感じます。
例えば。
「あの子と部活するのが楽しい。いろいろ刺激されて世界が広がる。あの子と出会えて良かった」
これが友情だと説明できるのかどうか。
えぬ的にこれは友達同士の関係として違和感がないので友情だと感じます。
「尊敬してる先輩がいる。あの人みたいになりたい。服も化粧も真似したい」
姉妹のような憧れの混じった家族愛かなと感じます。
「あの子と手を繋ぎたい。うなじにドキっとする。抱きしめたい」
友達に対する距離感と少し違う。百合みを感じる。
「あの子と毎日登下校。休みの日も一緒に遊ぶ仲。話してるだけで楽しい」
友情であることに違和感がありません。
「前の席で寝てるあの娘の背中に、そっと指でスキと書いた」
友達にやるか普通。バレたらどうすんねん。百合で。
「あの子のおっぱいが好き。隙あらば揉みたい」
友達と呼ぶには距離感がおかしい。百合で。
「あの子の笑顔が大好き。隣で一緒に笑っていたい」
友情でいいでしょう。
「体育の着替えの時間。私はそっとあの子のタイを自分のとすり換えた」
まごうことなき百合。
…とまあこんな感じで。
恋愛ともいえないしかといって友情ってのも違うよなぁってやつに百合を感じるわけなんです。
要するに。
シンプルに説明できない「何か」
その「何か」が百合の本体であるという認識です。個人的な話ですよ。
だから百合ものっていうのは、その「何か」を解き明かしていく話なんです。
じゃあガチな恋愛感情がある場合はどうなるのか。
明確な恋愛感情が分かっているなら「シンプルに説明できない何か」が存在しないので、えぬの個人的な百合の感覚からは外れてしまいます。
えぬの中で、それは恋愛もの扱いなんですよ。
男女が女女になっただけで、本質は恋愛ものと変わらない。
エスだと禁断性とか禁忌性を強調しますけど、それは女女に限定した要素じゃないというか、男女だって禁忌要素はいくらでも盛れるんです。社会的に許されなくて苦悩する物語は古典のロミジュリからやってる王道ですしね。
とはいえ、さすがに女女の恋愛ものにラベルを付けないのはいろいろ問題も出てくるので、男女の恋愛ものとは区別する必要もあるでしょう。
ガチ百合かGL(ガールズラブ)か、もしくはすべて百合として統合するかは人によって違う所でしょうね。
まとめて百合で統合すると百合の意味が広くなりすぎるので、えぬ的にはガチ百合とかGLで分けたほうがいいのかなぁって気がします。
しかし。
事はそんなに単純ではない。
上でいろんな例を挙げて百合か否かを判定してましたけど、実際にはそんな簡単に判断することはできないんです。
なぜなら、上の例は人間関係を点としてとらえているから。
物語における人間関係は常に移り変わっているんです。
恋愛ものなら特に、友達から恋人に発展するケースも多いでしょう。
だから物語を点でとらえて、その部分で百合か否かを判定することは危険。
かといって線でとらえようにも、物語が完結してみないと何ともいえない。
これが百合物件の紹介を難しくしてるんですね。
いや、最初の数話で分かんないこともないんですよ。
あ~この関係性は特に発展することはないだろうなっていうのは何となく作品の空気で分かるというか。
でもそれを「百合じゃなくて友情だ!」と声高々に言うのも無粋というか。
そんなの分かってるけど夢見たっていいじゃんって人もいると思うんです。
だからといって。
友情だとハッキリ言えるもんを片っ端から百合扱いしてるとね。
本当の友情ものが、全部百合もの扱いになっちゃうんですよ。
友情ものの作品を探しにくくなっちゃうのはいかんともしがたい。
青春あふれる友情ものが見たい人と百合が見たい人はイコールではない。
だから原作で百合ジャンルと公言していない作品は、むやみやたらに百合もの扱いしない方がいいんじゃないかなぁって気持ちもあるんですね。
きちんと原作と二次創作(妄想)は区別するのがマナーかなぁと。
それと登場人物の一部に百合キャラがいるような作品の場合。
話によく絡んでくるならともかく、めったに出番がない状態にもかかわらず作品全体を百合作品として扱うのはやりすぎかなぁって気がします。
例えば全24話で百合エピソードが1話しかないアニメみたいなケースは、百合目的で視聴するには厳しいと言わざるを得ません。主菜は別にあって百合はあくまで副菜、あってラッキーくらいに留めておくのがベターじゃないかなぁ。
とまあそんな感じで。
えぬ個人の百合主観の話でした。
6/16までの拍手お返事です。
■探検隊でほとんどやったことなかったですからね
■言われて自分ってラブコメあんま見てないんだなぁと気付きました
■私はムシけらに倒される定めなのか…
■紺野キタというだけでレア感というかプレミア感がすごい
■百合より薔薇の方が先に生まれたんですよね
■柚子森さんが終わって悲しんでいた人の避難先になってそう
柚子森さんは小学館製の百合ものという希少性があったけど、いきなり攻め過ぎやろとおもった
■漫画というかWEB漫画限定みたいな感じでした
WEB小説だと、小説家になろうの「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました」が百合っぽいというかメインの登場キャラが女しかいない百合ハーレムものみたいな感じです
■自分もマリみて初期はけっこう攻めてた記憶があるんですよ
パラソル辺りで「そっち方向には行きません」と明確になった記憶がある
■少子化が進むと女子校という存在もなくなりそうですね
現にうちの地元も男子校女子校はほぼ消滅しました
■やたら死体に詳しい宿屋の店主
■メインディッシュは別にあるけど副菜に百合が少しある系は何だか得した気持ちになりますよね。もちろん目的はメインディッシュだからそっちをおいしく食べられないときついですけど
■百合漫画はすさまじい勢いで増えてるけど百合ゲーは全く増えないなぁ
■年配の方はまだ百合という言葉にポルノイメージが残ってそうなので百合文学って言葉は抵抗ありそう。でもエスなら何とか…
■アセクものWEB漫画なら『性別「モナリザ」の君へ。』が全話読める
ロボットが愛を知った系なら西UKOの「となりのロボット」かな…
■忍者猫か…
そういやWIZでフェルパーに忍者は鉄板だった
■干支に猫がいない話で「虎は猫だもん!」という反論が好き
■えろじゃないし!
■少女漫画もですけど、基本的に王子が本気じゃないから主人公少女は抵抗するわけなんですよ。向こうが本気じゃないのに惚れてたまるかっていうね
■油断してるとすぐ屋上からダイブしちゃいますしね暗黒百合ものは
■保健室の先生のエロ要員率の高さは何なんだろう
■いややっぱ不快になるコメントは載せないほうがいいかなと思って
見る人が嫌な気持ちになるだけで誰も得をしない
■エスが馴染まないのはそれも理由としてあると思うんですよね
SMがあまりにも広まり過ぎてる
■君泣は見てますけど映画+百合って最近増えてますね
なぜこの組み合わせなのか
■あんまり東方に詳しくないので何ともいえない…
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知り合いのプライベートな部分をこの目で見てしまったかのような、なんとも言えない気まずさよ。