出木杉はなぜ面白そうなのか
2018/01/07
キャラクターには個性ってのがありますよね。
外見的なものから性格まで、特徴があったら印象に残るものです。
例えば。
「気は優しくて力持ち」みたいなキャラがいたとします。
まぁ特に珍しくもなんともないキャラですね。
いつも思うんですよ。
こんな記号のままだったら、先は気にならないだろうって。
人徳によって状況が打開されたり、力仕事で道が切り開かれたり、粗暴な他キャラを引き立てていたら、先が読めちゃうというか。
先が読めたら続きが気にならない。
だって見なくても想像できるからそこで満足しちゃう。
「あーこいつはこんなキャラなのね」で終わっちゃう。
んで実際その通りに行動してたら、もう見る必要性を感じなくなる。
じゃあキャラに深みを与えればいいのか。
創作話でよく聞きます。
「キャラに深みを与えましょう」「魅力のあるキャラとは」みたいな。
すんごく乱暴で個人的な意見を言わせてもらえれば。
これもただのテンプレ化に感じるんです。
創作でいろんな「深みのあるキャラ」っていうパターンのひとつに当てはめてるだけというか。だから最初の例と同じく、「あーこのキャラはこういう『深み』があるんだな」って分かっちゃったらもう先が気にならなくなる。
「このキャラはけっして浅くはない。深いキャラのはずなのにどうして面白くないんだろう」って行き詰まるのはだいたいこのパターンな気がする。
現実にいる魅力のある人間と、創作上で魅力のある人間は違う。
いくら現実にいるような魅力のある人間を創作で作ったって、先が気にならなかったら続きは読まない。逆に創作上で魅力あるからといって、その人物が現実にいたらあんま近づきたくないなってパターンもある。
現実は死ぬまで付き合わないといけない世界なので、出会う人間がどんな人物かはできるだけ早く把握しておきたい。でも創作の世界はいつでも切り離せる世界なので、余裕を持って人間観察ができる。この差は大きいでしょう。
それ以前に、登場人物全員を魅力的にするなんて幻想だと思うんですよ。
理想として掲げるなら分かるんですけど、本当にそういうことができると思っているならちょっと過信しすぎてるんじゃないかなって。
だったらどうすりゃいいんだよって話です。
個人的に、先が気になるキャラっていうのは「なんだけど…」が引っ付いてるパターンが多いんですよね。
最初の例だと。
気は優しくて力持ち「なんだけど…」嘘をつく。
みたいなの。
優しいって所に嘘をついてるので、何で嘘ついてるのか、何があってそうなったのか、どういう場面でボロが出るのかって感じで先が読めない。
点でしかなかったキャラが線になる感じというか。
加えて、ちょっと先を想像させるものがあるとさらに気になりますね。
単に先が読めないだけだと「分かんない」ってだけで「気になる」までにはならないんですけど「こうなるんじゃないか」って想像できる何かがあると、答え合わせしたくなって続きが見たくなる。
上の「気は優しくて力持ちなんだけど嘘をつく」って例だと。
優しい振りをしている対象が女性だけ、みたいな事が判明すればいろんな想像をしてしまうというか。過去に女性トラブルがあったのか、ウホッなのか、こんな優しそうなキャラが女にキレたらどんな汚い言葉で罵るのか、みたいな感じで妄想が広がっていく感じです。
んで。
こういうのって深さとか魅力とかじゃない気がするんですよね。
たまにこういうキャラの掘り下げ方をして「これが深いキャラの作り方なんだ」みたいな話を聞いたりしますけど、ベクトルが違うと思うんです。
どんな凝ったキャラを作っても、そこで完成してしまったら「点」なんです。
魅力的にしなきゃ、深いキャラにしなきゃ、って方向で頑張りすぎてしまったがゆえに、そうやって完成したキャラに対して「こいつはこういうキャラだからこういう反応をする。それ以外の反応をしたらキャラがブレてしまう」みたいにガッチガチに固まっちゃうというか。
これだとどんなに深いキャラでも見ていくうちにどんどん読者の視点が固定されていって、結果的に先が気にならなくなっちゃうと思うんです。
逆に、キャラの底を見せない様にネタを小出ししても、多数の登場人物がいる中の1人に対してそんな気に掛ける読者なんて多くはないでしょうし、隠し過ぎると「何考えてるのか分からん」って距離感が生まれて逆効果になっちゃう。
もったいつけて小出ししたって、どうせいつかはネタが尽きますしね。
だから「こういうのが魅力的なキャラだ!」って話はなんか眉唾っぽい。
いやそこで固定したらもう続きが気にならないじゃんって思っちゃう。
現実と違って創作は話の続きを読んでもらわないといけませんしね。
さて。
ここからやっと日記タイトルの話です。
「出木杉はなぜ面白そうなのか」
ドラえもんのパロや二次創作で、出木杉くんの登場率は異常です。
理由はひとつしかありません。
出木杉がいると面白そうだから。
のび太の実質上のラスボスだからとか、インテリ枠で使いやすいからとか、原因はいろいろあるかと思います。
えぬは思うんです。
出木杉くんは先が読めないキャラだと。
彼は基本的に出来すぎるキャラっていう位置づけなので、のび太くんを邪険に扱いません。少したしなめたり困惑する様子は見せても、けっしてのび太をいじめたりはしません。
普通はこういう完成されたキャラって面白くないんですけど、出木杉くんの場合は微妙なスキあるんですよ。高い能力を持っているがゆえに嫌味っぽい言動があったり、あまりにも悪意のあるジャイアンの行動に本気で怒ったりと、年相応の子供らしさもちゃんとあるんです。
だから気になる。
あの優等生がこの場面だとどういう反応をするのかって。
のび太の結婚前夜で、出木杉がのび太にどういう反応を示すのか気になった人も少なくはないんじゃないかなと思うんです。
その反動が、パロや2次創作で出木杉のヒール化に繋がってるんじゃないかと。
ひょっとして出木杉にはこういう暗黒面があるんじゃないか…そういう妄想を掻き立てる余地があるからこそ、二次で出木杉は人気なんでしょうね。
出木杉が本当にスキのないインテリ少年だったらここまで面白いキャラにはならなかったんじゃないかなぁ。わずかに見せるスキがいろんな妄想を刺激するからこそ、彼は面白いんだと思うんです。
仮にドラえもんの二次創作で。
ドラえもんの未来改変が世界に危機的な状況をもたらすという理由でタイムパトロール隊がドラえもん破壊ミッションを実行する話があったとして。
出木杉なら、大人側でタイムパトロール隊を率いてる話も想像できる。
逆にドラえもん側でのび太に協力する話も想像できる。
どっちにも転ぶ余地があるから出木杉は面白い。これがガッチガチに固まったキャラだったら片方にしか転ばない。だからインテリ完璧超人ってキャラだけが出木杉の魅力じゃないと思うんです。
1/6までの拍手お返事です。
■イッテQ!
■寝た~!
■ウイルス対策ソフト~!
■グヘヘ… こいつが新しいヤクか…
■正月はドカ喰いだけじゃなくて、家から出ないっていう運動不足がコンボになるから驚異的な威力を発揮するんでしょうね
■デンモクもアウトや!
■回収せんわい!
■うワーンって泣くような年にならないようにきをつけます
■ドラクエXIはほんっとに面白かったなぁ…
2周以上したいって思ったRPGなんて何十年ぶりだろ
■ネットは広大だわ
そういや帽子世界の英題LittleWorldって少佐の名言の逆貼りだったなぁ
■出来んわい!
■そのネタは貴様で二人目だ!
■未来はそんなに重いのか!?って話
■やめーや
■犬すらコタツで丸くなる
■サブイベント作ってるんですけど、なかなか難しくて難航中
■ベホイム!(覚えたての新呪文を言ってみたくなる病)
■快楽の海に溺れる薬です
■藤吉郎えぬ
■ケータイ電話は無くならないで、形態が変わるだけでしょうね
ケータイだけに
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